特 集 都市農業振興基本法が成立しました ? 都 市 農 業 振 興 基 本 法って 、 どんな法律なの? 都市農業 特 集 QŔA 都市農業振興基本法が成立しました 都市農業は、新鮮な農産物の供給、防災空間の確保、良好な景観の形成、国土・環境の保全、農業体験の場の 提供等の多様な機能を発揮してきました。 人口の減少や高齢化が進む中、これまで宅地化予定地として見られてきた都市農地に対する開発圧力も低下して きており、また、都市農業に対する住民の評価も高まっています。とりわけ、東日本大震災を契機として、防災の 都市農業は農産物の生産だけではなく ① 新鮮で安全な農産物の供給 ② 農業体験・交流の場 ③ 心安らぐ緑地空間 ④ 災害時の防災空間 ⑤ 国土・環境の保全 ⑥ 農業全体への理解醸成 と多面的な役割を発揮しています。この都市農業の役割や必要性を法律でしっかりと 位置付けて、将来にわたって守っていこうという法律です。 観点から都市農地を保全すべきという声が広がっています。 都市農業振興基本法は、このような状況を踏まえ、都市農業の安定的な継続を図るとともに、多様な機能の適切 かつ十分な発揮を通じて良好な都市環境の形成に資することを目的として制定されました。 農家だけど、 具体的に何をすればいいの? これまで同様にしっかりと営農することに加えて、都市農業を継続していくために必要な ことを自治体やJAと話し合うことが大切です。 都市で農業を継続する場合、「 生産緑地 」という制度 があります。土地利用に制限が掛かりますが、固定資産税・都市計画税が農地並みに評価・課税されて 税負担が大幅に減ります。このような制度を積極的に活用することも求められます。 ? 地場野菜の即売会 ビニールハウスを使った避難訓練 収穫体験ツアー 都市農業振興に関する基本理念 農家の人だけではなく、 地域の住民にも関係あるの? ① 都市農業の多様な機能の適切かつ十分な発揮と都市農地の有効な活用及び適正な保全が図られるべきこと ② 良好な市街地形成における農との共存が図られるべきこと もちろんです。都市農業は新鮮で安全な野菜を地域住民に供給する直売所をはじめ、子ども 達への食農教育として学校給食で地元野菜を使用するほか、農家の指導による農業体験、さらに、 地震などの災害時には農地が避難場所としての役割を担います。 ここでは、JA東京スマイルの取り組みをご紹介いたします。 新鮮で安全な 農産物の供給 JA東京スマイルでは、各イベントや支店で、安心・安全な地元野菜の直売会を行って います。この直売会は、地域の人に都市農業の必要性と理解を深めてもらうために取り 組んでいます。 このほか、葛飾区柴又には、葛飾元気野菜直売所があり、新鮮な地元野菜を販売しています。 食農教育活動 年1回、足立・葛飾・江戸川区の公立小・中学校へ給食用小松菜を無償配布しています。 このほか、 生産者による地元野菜の出前授業を行ったり、 畑で子どもたちに農業体験を 指導するなど、 食農教育活動に積極的に取り組んでいます。 ③ 国民の理解の下に施策が推進されるべきこと 以上を明らかにするとともに、政府に対し、必要な法制上、財政上、税制上、金融上の措置を講じるよう 求めています。また、総合的・計画的に施策が推進されるよう、政府による都市農業振興基本計画の策定が 義務付けられました。 この基本法に即し、今後、的確な土地利用計画策定のための施策や税制上の措置などの基本的施策の 具体的な検討が進められます。これらを通じ、都市農業が安定的に継続できる環境整備等が進んでいきます。 農林水産省 HPより引用 JA東京スマイル管内の都市農業について 今年4月に長年の懸案であった「 都市農業振興基本法 」が衆参両議院で可決成立しました。 当組合管内の都市農業とは一体どのようなものなのでしょうか。 まず、足立・葛飾・江戸川地区で共通しているのは、葉物野菜・軟弱野菜の生産を中心とした市場出荷農業 だと思います。小松菜など、限られた面積のなかで施設を利用した周年栽培の技術や結束方法などは、優れたもの があると評価されています。足立、江戸川では花卉生産の農家も頑張っています。 足立・葛飾・江戸川区小中学校 給食用小松菜一斉配布 防災時の 避難場所 小学校で生産者による 小松菜の授業 各地区ではそれぞれ特色ある農業を展開すると共に、地元の小・中学生を対象とした食農教育やビニール 畑で農業体験指導 ハウスでの防災訓練等の組織活動も活発に行われています。 このような都市農業の多面的機能を守るためにも、政府が税制上の措置を講じるにあたっては、都市農地保全 地域住民のための食糧供給や避難場所となる農地の確保を図ることにより、被災住民の 生活の安定に力となることを目的として、行政との防災協力農地協定を締結しています。 葛飾区では、農家、行政、地域住民が協力し、ビニールハウスでの防災避難訓練を行って います。 の背景にある諸問題を十分配慮するよう、今後も粘り強く求めていかなければなりません。 JA東京スマイル 代表理事組合長 吉 6 5 田 進
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