平成27年度 埼玉県学力・学習状況調査<行田市の分析結果>について (1)調査の目的 ・本県の児童生徒の学力や学習に関する事項等を把握することで、教育施策や指導の工夫改善を図り、 児童生徒一人一人の学力を確実に伸ばす教育を推進するため。 (2)調 査 対 象 小学校第4~6学年、中学校第1~3学年の全児童生徒 (3)調 平成27年4月16日 査 日 (4)調査結果の概要 【小学校 国語について】 ◇県平均と比較して正答率が上回った問題の概要 ◆課題のある問題の概要 ≪第4学年≫ ◇文節に分けた4つの言葉から主語・述語にあたるものを選択する。 ◇アンケートの結果を見て、質問の内容を考えて書く。 ◇指示語の示す内容を文中から書きぬく。 ◆国語辞典に出てくる順に4つの言葉を並べ替える。 ◆登場人物の場面に描かれている心情をまとめた文にあてはまる言葉を文中から書きぬく。 ◆音・訓二通りの読み方がある熟語の音読みを書く。 ≪第5学年≫ ◇漢字を音訓索引で調べるときにわかっていなければならないこととして適切なものを4つの中から選択する。 ◇同じ意味で使われている言葉を4つの中から選択する。 ◇漢字辞典の「総画索引」で調べるときに出てくる順に漢字を並べる。 ◆文中の説明を表した図として適切なものを4つの中から選択する。 ◆文中にあてはまる適切なことわざの冒頭の漢字一字を4つの中から選択する。 ◆漢字の部首名を書き、どんな意味に関係しているのかを4つの中から選択する。 ≪第6学年≫ ◇文中にあてはまる適切な慣用句の一部を4つの言葉の中から選択する。 ◇資料を参考に、問題を解決する方法を考えて二段落構成で書く。 ◇述語によって分けられる主語・述語の4つの関係から適切なものを選択する。 ◆文中にあてはまる適切なことわざの冒頭の漢字一字を4つの中から選択する。 ◆文中にあてはまるつなぎの言葉を4つの中から選択する。 ◆文中から主語を書きぬく。 評価の観点別平均正答率から考察する学習指導改善のための方策 ★ 4・5年生は「話す・聞く能力」は県平均を上回り、 「書く能力」には課題が見られました。6年生は「書く能力」 が県平均を上回りました。その他は県と同程度という結果です。 書く能力を高めるために、目的や必要に応じて理由や事例を挙げて文を書く活動を多く取り入れていく指導等を工 夫していきます。 【小学校 算数について】 ◇県平均と比較して正答率が上回った問題の概要 ◆課題のある問題の概要 ≪第4学年≫ ◇1-分数を計算する。 ◇数直線(小数・分数)として適切なものを選ぶ。 ◇二等辺三角形と円の性質を考え、三角形の名前を答える。 ◆作図(コンパスの使い方)として適切なものを選ぶ。 ◆10倍、÷10の数を書く。 ◆三角定規の角の大きさとして適切なものを選ぶ。 ≪第5学年≫ ◇折れ線グラフ(2量の比較)の読み方として、適切なものを選ぶ。 ◇帯分数の減法の計算をする。 ◇分度器で示された角の大きさを答える。 ◆単位分数の大小を比較する。 ◆折り紙を利用して作られる三角形の名前を答える。 ◆剰余の性質から式を選ぶ。 ≪第6学年≫ ◇除法を利用する文章題を解く。 ◇三角形の面積を求める。 ◇小数の乗法の計算をする。 ◆平行四辺形の高さを選ぶ。 ◆素数を選ぶ。 ◆円周の長さが直径の長さの何倍かを求める。 評価の観点別平均正答率から考察する学習指導改善のための方策 ★ 4年生は、 「数学的な考え方」 、 「数量や図形についての知識・理解」に課題が見られました。5年生は、 「数 量や図形についての技能」が県平均を上回り、 「数学的な考え方」に課題が見られました。6年生は、 「数学的 な考え方」が県平均を上回りました。その他は県と同程度という結果です。 「数学的な考え方」を向上させるために、問題を解決する過程において、判断したり、推論したりする活動 を多く取り入れ、見通しをもち筋道を立てて考え表現する力を高めていく指導を工夫していきます。 【中学校 国語について】 ◇県平均と比較して正答率が上回った問題の概要 ◆課題のある問題の概要 ≪第1学年≫ ◇一文の中で述語に対する主語を文中から書きぬく。 ◇4つの文の中で敬語の使い方がまちがっているものを選択する。 ◇漢字を書く。 (漢字の訓) ◆文中にあてはまる適切な慣用句の一部を4つの言葉から選択する。 ◆文中にあてはまる適切なことわざを4つの中から選択する。 ◆キーワードを説明した文の空欄にあてはまる言葉を文中から書きぬく。 ≪第2学年≫ ◇漢字を読む。 (二字熟語の熟字訓) ◇一文の文節の数として適切なものを4つの中から選択する。 ◇歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直して書く。 ◆4つの四字熟語の中から文脈に合うものを選択する。 ◆話題について具体的な例を述べた文にあてはまる言葉を文中から書きぬく。 ◆古文の中の登場人物の心情として適切なものを4つの中から選択する。 ≪第3学年≫ ◇登場人物の表情の理由として適切なものを4つの中から選択する。 ◇漢文の訓読文を書き下し文にする。 ◇文中の例示部分は何を示すための例であるか適切な内容を4つの中から選択する。 ◆漢字を書く。 (音+音の熟語) ◆説明的な文章に書かれている2つの具体例のうち1つの言葉を文中から書きぬく。 ◆文中の傍線部の5つの動詞のうち活用形が同じものを選び、その活用形を6つの中から選択する。 評価の観点別平均正答率から考察する学習指導改善のための方策 ★ 2年生は、 「書く能力」が県平均を上回り、 「読む能力」に課題が見られました。3年生は「書く能力」 、 「読 む能力」が県平均を上回りました。その他は県と同程度という結果です。 「読む能力」を高めるために、文脈の中での関係性や役割に注意して、語句の意味や全体の要旨を的確に捉 える指導を行う指導を工夫していきます。 【中学校 数学について】 ◇県平均と比較して正答率が上回った問題の概要 ◆課題のある問題の概要 ≪第1学年≫ ◇分数の乗法の文章題を解く。 ◇点対称になる点を選ぶ。 ◇点対称の図形を選ぶ。 ◆量の変わり方(比例)を選ぶ。 ◆速さと時間から距離を求める。 ◆分数の四則混合(文章題)を解く。 ≪第2学年≫ ◇分数の四則混合の文章題を解く。 ◇点対称になる点を選ぶ。 ◇度数分布表から平均を求める。 ◆文字式の計算をする。 ◆四捨五入による誤差を求める。 ◆反比例の性質として適切なものを選ぶ。 ≪第3学年≫ ◇式の値を求める。 ◇平行線の性質を利用して角の大きさを求める。 ◇数量に着目して適切なものを選び、二元一次方程式の立式として適切なものを選ぶ。 ◆単項式の乗除の計算をする。 ◆「同様に確からしい」の意味として適切なものを選ぶ。 ◆カードを引くときの確率を求める。 評価の観点別平均正答率から考察する学習指導改善のための方策 ★ 1年生は、 「数学的な考え方」 、 「数量や図形についての技能」 、 「数量や図形についての知識・理解」が県平均を上 回りました。2年生は、 「数量や図形についての技能」 、 「数量や図形についての知識・理解」に課題が見られました。 3年生は、 「数学的な考え方」が県平均を上回りました。その他は県と同程度という結果です。 「数量や図形についての技能・知識・理解」を高めるために、具体的な場面で図や言葉、式で説明する活動を通し て、論理的な思考を促し、知識と技能を確実に身に付けさせる指導を工夫していきます。 【中学校 英語について】 ◇県平均と比較して正答率が上回った問題の概要 ◆課題のある問題の概要 ≪第2学年≫ ◇動詞の三単現を用いた平叙文を組み立てる。 ◇疑問詞をもちいた疑問文を組み立てる。 ◇適切な形容詞を選択する。 ◆適切な動詞の形を選択する。 ◆適切な代名詞を選択する。 ◆相手に提案する際の適切な表現を選択する。 ≪第3学年≫ ◇疑問詞を用いた疑問文に対する適切な応答文を選択する。 ◇適切なタイトルを選択する。 ◇適切な動詞の形を選択する。 ◆提案に対する適切な応答文を選択する ◆疑問詞を用いた疑問文に対する適切な応答文を選択する。 ◆登場人物が過去に行った動作を読み取り、適切なものを選択する。 評価の観点別平均正答率から考察する学習指導改善のための方策 ★ 2年生は、「外国語表現の能力」、「言語や文化についての知識・理解」に課題が見られました。3年生は、「コ ミュニケーションへの関心・意欲・態度」、「外国語表現の能力」、「外国語理解の能力」、「言語や文化について の知識・理解」が県平均を上回りました。その他は県と同程度という結果です。 書く力を高めるために、日本語と英語の文の構造の違いを理解させ、語順を意識しながら書く指導を工夫していき ます。 【児童生徒の質問紙調査の結果から】 【県平均と比較して、達成率の高い項目】 ・自分からはっきりあいさつをすることができていますか。 ・先生の話や友だちの発表をしっかり聞き、自分の考えを伝える ことができていますか。 ・埼玉県や今住んでいる市町村の歴史や自然に関心を持っていま すか。 ・あなたは、将来どのような事柄を大切にして自分の職業や仕事 を選びたいと思いますか。<今住んでいる地域や埼玉県内で働 けること> ・勉強はすきですか。 ・学級は落ち着いて学習する様子でしたか。 ・学校の先生たちは自分のよいところを認めてくれましたか。 ・授業の最後に学習内容を振り返る活動を行っていたと思います ★ 人の話をしっかりと聞き、自分の考えを伝えるこ と等、授業規律を大切にしながら学習に取り組んで いる様子がわかります。 また、 埼玉県や行田市の歴史・自然に関心を持ち、 将来は今住んでいる地域や埼玉県で働きたいという 考えを持っている子どもが多い傾向が見られました。 さらに、家庭学習に自主的に取り組んでいる子ど もが比較的多く、復習等にも力を入れている様子が 伺われます。 か。 ・学校の宿題をしていますか。 ・学校の授業の復習をしていますか。 【やや課題があると考える項目】 ・毎日、朝食を食べますか。 ・学校の授業時間以外に普段(月~金曜日)、1日どれくらいの時 ★ 毎日、朝食を食べる子どもの割合が県平均と比べ るとやや低い結果となりました。 間、読書をしますか。 (教科書や参考書、漫画、雑誌は除きます。 ) また、学校の授業以外での読書時間が短いことが ・テレビゲーム(コンピュータゲーム、携帯式のゲーム、携帯電 課題として挙げられています。 話やスマートフォンを使ったゲームも含みます)をすることに さらに、テレビゲームや携帯電話、スマートフォ ついて、家の人と約束を決めていますか。 ン等の使い方の約束が決まっている子どもの割合が ・携帯電話やスマートフォンで通話やメール、インターネットす やや低いこともわかりました。 ることについて、家の人と約束を決めていますか。 【今後の方策について】 ・ 「勉強がすき」と答える子どもの割合が高く、全体的に落ち着いた雰囲気の中で学習に取り組んでいる様子が伺わ れます。また、家庭学習の習慣が身についている子どもの割合が高いことや、地域の歴史や自然に関心を持ち、将来 は今住んでいる地域や埼玉県で働きたいと考える子どもが多い傾向から、現在、市全体で推進している「家庭学習の 充実」や「行田ふるさと学」が定着しつつあるということが伺われます。今後も確かな学力の定着に向け、学力向上 策の一層の充実を図ってまいります。 ・ 課題と考えられる朝食の摂取率、ゲーム機や携帯電話の使い方の決まり等については、基本的生活習慣の見直しも 含め、保護者への協力も呼びかけてまいります。
© Copyright 2025 ExpyDoc