生涯球友 H27.7.13 第154号 真っ青な青い空。時刻は7時過ぎ。 もうかなり暑い。城南スタジアム。周 りを歩いていると知り合いの先生方か ら声がかかる 。「校長先生、今日出町 中がんばって下さい!」自分の学校で もないのに、朝早くから今日の試合の ための準備をしておられるのに、私の 姿を認めると皆さんが声をかけて下さ った。ありがたい。 第一試合、和合中対小杉中の試合の シートノックが始まる。どのチームの 子たちも、私が誰だかも知らないのに きちんと「おはようございます!」と あいさつしてくれる。球児たちはあくまでも爽やかである。暑さも忘れてその 礼儀正しさに子供たちの純粋な気持ちを感じる。 第二試合、遂に運命の火蓋は切られ た。一回裏心持ち緊張からかボールが 手につかない。ポロポロとボールを前 にこぼしてしまう。そのせいかいきな りピンチを迎える。しかしそこは鉄壁 の守備と持ち前のチームワークで凌 ぐ。 マウンド上の O 君は、尻上がりに 調子が上がりボールが走る。相手のバ ットはただただ空を切るだけ。相手の 投手も負けてはいない。エース同士の 意地と意地のぶつかり合い。見応えの ある投手戦となった。 試合後半からは、何度もサヨナラのチャンスを迎える。後一本のヒットが遠 い。見ている者も何度か「勝った!」と両手を挙げて喜ぶ瞬間もあった。だが、 その都度相手の鍛えられた守りに阻まれた。 とうとう延長戦。満塁から始まる特 別ルールである。子供たちを見ていて 胃が痛くなる。ヒットが無くても内野 ゴロで点数が入る。顔色一つ変えるこ となく、炎天下の中 O 君はただ黙々 と投げ続ける。内野手の K 君や M 君 もファインプレーで O 君の熱投に応 える。そこには言葉はなくとも確かに 何か美しいもの、そして見ているもの を感動させる何かが存在していた。 ずである。 勝負は時の運である。はじき飛ばさ れたボールが後数センチ横にずれてい れば、勝利の女神は出中に微笑んだは 皆よくがんばった。応援に来られた A 先生も K 先生も、そして私も君たち を誇りに思う。本当に素晴らしい試合でした。ありがとう!きっと城南スタジ アムのあの「生涯球友」の石碑通り、君たちはきっとあの日一生一つにまとま ったと思うよ。本当によかった。そしてもう一度ありがとう! -1-
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