2015年8月特別号3ページ

(3)歴史教育について
私は将来世界平和に貢献する国際的日本人を育てることは教育界の責務であると考えています。大東亜戦争・第二次世
界大戦がなぜ起こったのかは、幕末、明治、大正、昭和という、所謂、近代史を系統的に学習しなければ理解できません。大
東亜戦争・第二次世界大戦だけを捕え、正しい歴史認識をと攻めるのはナンセンス甚だしいのです。詳しくは拙著「日本
人の百年戦争」を読んでいただくのもよいと思います。歴史教科書の配列は古代・中世・近世・近代・現代という順番
の配列になっています。
したがって年間指導計画ではその配列順に学習を進めていきますから、どうしても近現代史は1
年の中の終わりの方に配列されます。場合によっては学習内容を簡単にし省略せざるを得なくなります。
日本人のアイデ
ンテイー(日本人としての帰属意識)を育てるためには歴史教育の占める比重は大きくあります。
したがって近現代史の学
習は重要な位置づけとなります。
そこで以下、質問をさせて頂きました。
ア 中学校の近現代史の単元配列について
(中学校で、近現代史の単元が、年間指導計画のなかでどの位置に配列されているか。
学校教育部部長回答
年度当初に各中学校から報告されている社会科の年間指導計画によりますと、 近代史については、 概ね第2学年の2学期から3学期に
配列されております。また、現代史については、概ね第3学年の1学期に配列されております。
イ 近現代史に対する児童生徒の興味関心に関する実態について
(近現代史の児童生徒の興味や関心に関する実態について、教育委員会としてどう認識しているか。また、その実態を踏まえ、
どのように指導しているか。)
学校教育部部長回答
近現代史の学習は、児童生徒にとって複雑で捉えにくく、理解しにくい面があると認識しております。そのため、身近な資料から児童生徒
の興味関心を高めたり、現在起こっている事例の背景に、近現代史の歴史と深い関わりがあることを調べたりするなど、授業展開の工夫
が必要であると考えております。今後、 児童生徒の実態を踏まえ、 近現代史に対する興味関心を高め、 理解が深まる歴史学習が行われ
るよう、社会科研修会や学校訪問等で指導してまいります。
ウ 近現代史の学習内容の進 状況について
(教育委員会として近現代史の進 状況をどのように把握しているか。またその学習が充実したものとなるよう、どう対応していくか。)
学校教育部部長回答
近現代史の学習内容の進捗状況につきまして、 指導主事による学校訪問等で把握しております。また、 議員ご指摘のとおり、 近現代史
の配列の順番から、 近現代史の学習内容を十分扱えなくなる可能性も考えられます。そのため近現代史の学習時間の確保と学習内容
を充実させるため、 各学校への一層の働きかけが必要であると考えております。今後、 児童生徒の興味関心を高めながら問題意識を
もって調べ、主体的に考えられるような近現代史の授業ができる教師を育てるため、学校訪問等を通して指導してまいります。
エ 歴史学習における近現代史の重要性について
(教育委員会として、近現代史の重要性をどのように認識しているか。またその重要性をどのように各学校に伝え、指導していくか。)
学校教育部部長回答
古代 ・ 中世 ・ 近世の歴史だけでなく、 近現代の歴史も、 国民としての自覚を育てる大切な学習内容であります。特に近現代史は、 現代
に直接結びつく時代であり、 現代社会がどのように形成されてきたかを理解する上で重要な単元であると認識しております。今後も、 学
校訪問や社会科の研修会等を通して、 近現代史の重要性を伝え、 児童生徒にとって学びがいのある近現代史の学習になるように各学
校に指導してまいります。
オ 時間配分や単元配列の調整について
(各学校の近現代史の単元が最後になる傾向があるため、十分な時間が確保されない可能性がある。そのことについて、
教育委員会として、どう把握し指導していくか。)
学校教育部部長回答
時間配分や単元配列の調整につきましては、 事前の計画が大切であるとの認識から、 各学校の年間指導計画を年度当初に確認し、 必
要に応じて指導を行っているところです。今後もより一層、 充実した近現代史の学習が行われるよう、 各学校において、 日頃から授業進
度の点検及び確認を行い、計画的に歴史学習が進められるよう、学校訪問等で指導してまいります。
カ 市立高等学校3校の歴史授業における日本史、世界史の選択の実態について
(市立高等学校3校で、日本史、世界史を選択している生徒数について)
学校教育部部長回答
本年度の市立高校3校における日本史、世界史の選択状況ですが、川口総合高校におきましては、日本史 A を2 ・ 3年で152名、日本
史 B を2年で159名、世界史 A を3年で162名、世界史 B を2年で54名、川口高校におきましては、日本史 A を3年で123名、日本史
B を2 ・ 3年で300名、 世界史 A を2年で136名、 世界史 B を1 ・ 3年で410名が選択しております。県陽高校におきましては、 全日制
の3年で日本史 B、 2年で世界史 B を必修で全員が履修、 さらに3年で世界史 B を46名が選択しております。定時制の3 ・ 4年で日本
史 B、2年で世界史 A を必修で全員が履修しております。