内弟子体験 佐々木聡子 この度、コロラド州デンバーの日本館へ内弟子

内弟子体験
佐々木聡子
この度、コロラド州デンバーの日本館へ内弟子研修に行
くことが決まったので、その前に小林道場へ一週間内弟子
に入らせていただきました。
私は中学2年生の時、ひばりヶ丘道場に入門して以来、
小林道場にお世話になっております。
道歴15年目とは言え、新潟にある専門学校へ行くため
に5年休会、復帰しても勤務の都合で週一回稽古に来るの
もままならないような時期が長く続いていたので、内弟子期間中たくさ
ん稽古ができることが嬉しかったです。
この一週間、普段はなかなかお会いできない方々と稽古できるのは楽
しく、そして勉強になりました。中学生からご年配の方まで、真剣にそ
して楽しく合気道をしている小林道場の層の厚さを実感しました。せっ
かく小林道場にいるならいつもの決まった道場に行っているだけでは勿
体ないと思いました。
山脇先生の稽古を受けるのも久しぶりでした。東村山道場が出来たば
かりの頃に行って以来なので十年ぶりです。また、懐かしい人ともお会
いできました。私が専門学校に行くと言っていたとき以来とおっしゃっ
ていたので、こちらもほぼ十年ぶりに大竹さんに再会しました。稽古で
は組めなかったので残念でしたが、お変わりなくお元気そうで、とても
嬉しく思いました。
先に内弟子に入っていたステン、ミカエル、アレクサンデルにはとて
も感謝しています。三人は英語が出来ない私にどうにか分かるよう工夫
して、内弟子に必要な仕事を教えてくれました。
私が内弟子に入って三日目からロシア人のオルガとアンドレイ、四日
目からスウェーデン人のエンメリが内弟子に入りましたが、みんな、私
が無理矢理に知っている単語
を並べているのを何とか意味
を酌みとってくれ、何とか通じ
るように単語を変え、言い方を
変え、話をしてくれました。彼
らのおかげで楽しい内弟子期
間でした。
内弟子をしている中で印象
に残った小林先生の言葉が二
つあります。
一つは「じっとしていても何も変わ
らない」もうひとつが「これでみんな
が幸せになる」という言葉です。
私は金曜日の朝稽古で足をひねって
しまい、金曜の夜稽古と土曜の稽古を
見学したのですが、見学中、頼まれて
いた作業をしていいかどうか伺ったと
き「じっとしていても何も変わらない
んだから、どんどん動いていいよ」と、
ごく当たり前のように言ってくださいました。
作業は小平道場の引き出しの整理作業だったのですが、稽古ができず
作業している私に話しかけてくださって、
「これで、いろんなものを探さ
なくていいようになる、みんなが幸せになるんだ」なんだか作業が楽し
くなる言葉でした。
この二つはとても大事な言葉だと思いました。
物事が良い方向に行くためには動くことが大事だし、一つの小さな作
業がみんなを幸せにすることができる。自らの手を土によごして道場を
建て、こんなにも大きな道場にされた小林先生の姿勢を感じることがで
きました。
これからデンバーで内弟子をするにあたって、またこれからの人生に
おいてとても大切なことを学べた一週間でした。
小林先生、弘明先生、指導をしてくださった先生方、会員の皆さん、
内弟子のみんな、本当にお世話になりました。
この経験を糧にして、デンバーでもがんばってきます。
ありがとうございました。