大腸菌0 15 7 の生存能力と耐酸性に対する食品成分の影響 ( 奈良女大

第51 回 大 会 〕
食 物
2Ba-5 南 西 諸 島 産 黒 糖 に 関 す る研 究 一黒 糖 の 色 に 及 ぼ す 製 造 条 件 の影 響
○ 大 倉 / 洋 代*、 杉 本 / 明¨ 、 岩 屋 / あ ま ね*3
(*鹿 児 島 東 高 校I
九州 農 試 *3
鹿児島工 技セ)
【目的】
南 西 諸 島 産 の 黒 糖 に つ い て 一 般 成 分 の 測 定 と 色や 味 の 感 覚 調 査 を行 い 、 沖 縄 県 産 と鹿 児
島 県 産 の 黒 糖 を 比 較 し た 結 果 、糖 の 成 分 量 は 大 きく 変 わ ら な い が、 沖 縄県 産 は 無機 成 分 を
多 く 含 ん で い るこ と 、 色 や 味 で は鹿 児 島 県 産 が 好 まれ る こ と を 報 告 し た。
鹿 児 島 県 産 黒 糖 は食 味 用 とし て 用 い ら れ るこ と か ら 、 色 や 味 は 品 質 評 価 の 重 要 な 要 素 と
なっ てい る。
そ こ で 本 報 で は 、 黒糖 の 色 に 着 目し 、 製 造 条 件 の ど の 工 程 が 大 き く 関 与す る か、 そ し て
ど の よ う に す れ ば 、 美 味し い 色 の 黒糖 が 製 造 で き る か を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た。
【 試 験方 法 及 び 結 果 】
製 造方 法 と 黒 糖 の色 と 味 の 関 係 を明 ら か。にす る た め に、 農 水 省 九 州 農 業 試 験 場 で 栽 培 さ
れ て い る 品 種 の 明 かな サ ト ウキ ビ を 用 い て 、 き び 汁 を 採 取し 、 黒 糖 を 製 造 し た。
き び 汁 か ら 黒 糖 が出 来 上 が る ま で の 温度 変 化 の 測 定 、 石灰 を 添 加 す る 量 、 搾 汁 か ら 煮 沸
ま で の 放 置 時 間 、 煮 沸 時 間、 灰 汁 の す く い 取 る 量 等 、 製 造 条 件 が 黒 糖 の 色 に 及 ぼ す 影 響 に
つ い て 検 討 し た。 色 の 測 定 は 、 黒 糖 を10% 濃 度 液 に し て 透過 に よ る 測 色 ( L*a*b *) を
行 っ た。 色 の評 価 は 、 一 般 消 費 者 を 対 象 に行 っ た ア ン ケ ート 調 査 結 果 を も と に し た。 ま た
色 の 評 価 と同 時 に 味 に つ い て も ア ン ケ ー ト 調 査 し た。
黒 糖 の 色 と 味 に及 ぼ す 大 き な 要 因 は 、 き び 汁 の煮 沸 工 程 に あ る こ と が わ かっ た。
2 Ba- 6
大 腸 菌0 15 7 の 生 存 能 力 と 耐 酸 性 に 対 す る 食 品 成 分 の 影 響
( 奈 良 女 大 ・ 生 活 環 境 )○ 滝 川 亜 紀 子 、 横 井 川 久 己 男 、 河 合 弘 康
目 的 ) 腸 管 出 血 性 大 腸 菌 0 1 5 7 は 、1 0 細 胞 以 下 の 菌 数 で も 感 染 する と 言 わ れ、 胃
の 酸 性 バ リ ア ー と の 関 連 で 高 い 耐 酸 性 を 有 す る も の と 推 定 さ れ る 。 大 腸 菌01 5 7 の 耐
酸性 には、構成 的耐酸性と 誘導的 耐酸性 が 存在 すると考え れ、後 者では、 グルタミ ン 酸
や ア ル ギ ニ ン が 誘 導 物 質 とし て 作 用 す る 。 従 っ て 、 大 腸 菌01 5 7 の 感 染 力 は 菌 数 の み
で は 評 価 で き ず、 感 染 源 と な る 食 品 の 種 類 に よ っ て も 変 動 す る と 考え ら れ る 。 本 研 究 で
は 、 大 腸 菌01 5 7 の 生 存 能力 と 耐 酸 性 に 対 す る 食 品 成 分 の 影 響 に つ い て 検 討し た 。
方 法 ) 遺 伝 的 に 異 な る 3 株 の 大 腸 菌O 1 5 7 と 3 株 の 非 病 原 性 大 腸 菌 を 用 い た 。 こ れ
ら の 細 菌 は 、L B 培 地 ( 1 % ペ プ ト ン, 0.5 %酵 母 エ キ ス,0.5
%塩化 ナト リ ウム 、
p H 7 .0) を 用い て 3 o °cで 定 常 期 初 期 ま で 培 養 し 、 集 菌 し て 実 験 に 用 い た 。 各 種 食 品
5 g ( 野 菜 類 、 調 味 料 、 香 辛 料 ) に 5 mlの 殺 菌 水 を 加 え て 破 砕 後 、 遠 心 分 離 に よ り 上
清 を 分取 し て 食 品 抽 出 液 とし た 。 耐 酸 性 試 験 は 、p H 3 . 0 のL B 培 地 に 大 腸 菌 細 胞 を
懸 濁し 、 3 7 °Cで 1 時 間 の イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン の後 、 生 存 率 を 測 定 す る 方 法 に よ り 行 っ
た。
結 果 ) 野 菜 類 で は 、 ト マト 抽 出 液 に 大 腸 菌 を2 4 時 間 懸 濁 し た 時 に 生 菌 数 の 減 少 が 見
ら れ た が 、 時 間 の 経 過 と 共 に 増 加し た 。 香 辛 料 で は 、 クロ ー ブ 、 タ イ ム、 桂 皮 は 、 全 て
の 大 腸 菌 株 の 生 菌 数 を 低 下さ せ た 。 オ ー ル ス パ イ ス と ス タ ー ア ニ ス は 、 全 て の 非 病 原 性
大 腸 菌 の 生 菌 数 を 著 し く 低 下 さ せ た が 、01 5 7 に は 異な る 作 用 を 示 し た 。 ま た 、 非 病
原 性 大 腸 菌 は 、 菌 株 に よ っ て 香 辛 料 に 対 す る 挙 動 が 異 な っ た 。 一 方、 ト マ ト 抽 出 液 は 、
01 5 7 の 耐酸 性 を 上 昇 さ せ た が、 非病 原 性 大 腸 菌 の 耐 酸 性 には 影 響を 及 ぼさ な か っ た 。
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