〔(社) 日 本 家 政 学 会 食 物 1Ca −5 凍結解凍した数種イカ外套膜結合組織の加熱調理による構造変化 〇安藤真美≪1 安藤正史*2 牧之段保夫’z 三好正満*3 (*1奈良文化女子短大 *2近畿大,*3奈良女大) 【 目 的 】 演者 ら は昨 年 の本 学 会 にお い て , モ ン ゴ ウイ カ 外 套 膜 を 加 熱 し た際 に生 じ る 軟 化 現 象 に対 し ,細 胞 間 に 存 在 す る コ ラ ー ゲン の ゼ ラチ ン化 が 影響 し て い る可 能 性 を報 告 し た 。 そ こ で 今 回 は 組 緒 学的 手 法 に より , 主 にコ ラ ー ゲ ン に よ っ て形 成 さ れ て い る 結合 組 織 の 加 熱 調 理 に よる 構 造変 化 を. 5 種 類 の イカ に つ い て 調 べ た 。 【 方 法 】 ケ ンサ キイ カ , ス ル メ イ カ , ムラ サ キイ カ ,モ ン ゴ ウ イ カ , ヤ リ イ カ (い ず れ も 凍 結 解凍 品 )の 外套 膜 を 沸 騰 水 中 で30 分間 加 熱 し た 後, 5% ク ル ク ル ア ル デ ヒド に 浸 漬 し て 固 定 し た 。 固 定 後 ,常 法 に 従 い 透 過 型 電 子 顕 微鏡(Tai ) に よ る観 察を 行 っ た。 ま た大 谷 の 方 法 に 従 い 固 定 試料 を10%Na0H に3 お よ び14 日 間 浸漬 し て細 胞 成 分 を 溶出 し ,残 存 し た 結 合 組織 を 走 査型 電 子顕 微 鏡(SB ≪) で 観 察 し た。 SE繊こよ る観 察 の 終 了 後 , 同 じ試 料 を エ ポキ 1Ca −6 3種の イカ肉 の加熱 に よるテ クスチ ャー変化 ○松 本美鈴 木村早智 畑江敬子 島田淳子 (お茶 の水女大) |目 的j 一 般 に イ カ 肉は 加 熱 に よ り 硬 く な り や すい の で 短 時 間 加 熱 が 好 まし い と さ れ て い る。 し か し 、 料 理 に よっ て は 煮 込 むこ と もあ り 、 加熱 に よ る テ ク ス チ ャ ー 変 化 は イ カ の 種 類 に よ り 異 なる 可 能性 が あ る 。 木 報 で は3 種 の イ カの 加 熱 過 程 に おけ る テ ク ス チ ャ ー 変 化 を 調 べ 、 種類 間 の 差 を 検 討 す るこ と を目 的 と し た。 I方 法l 活 きた ヤリ イカ 、 ア オリ イカ、 ス ル メ イカ を 用い 、 表 皮1. 2層 を 剥い だ胴 肉 (50g ) を沸 騰 水(500m l ) 中 で 加 熱し 、 表 皮3. 4層 を 含 む イ カ肉 お よ び表 皮 を含 まな い イカ 筋 肉 部 の2試 料 を 調 製し た。 硬さ 、 凝 集 性( テ ク スチ ュロ メ ー タ ー) 、 剪 断 荷 重 、 破 Itif 'jil! 皮( レ オナ ー ) 、 針 入皮 ( ペ ネ ツロ メー ター) を測 定 し た。 また 、 2 点 識 別 お よ び 嗜 好 試験 法 変 法 に よる 官 能 検査 を 行 い 。 加 熱 イカ 肉 の テ クス チ ャ ーを 評 価 さ せ た 。 【 結 果1 ヤ リ イカ の 場 合、30 秒 加熱 で 凝 槃 性 が 生 肉 よ り有 意 に大 きく な り 、1分 間 加 熱 す る と 凝 集 性 に 加え て 硬さ, 剪 断 荷 重 が 増 大 し た。 し かし 、5 分 後 に は 硬 さ 、 剪 断 荷 重 、 凝集 性 が 右& に 減少 し 、 さ ら に3 0分 後 に は≪!li さ, 剪断 荷 爪 は 生 肉 よ り 小 さい 仙 と なっ た。 竹 能 検 査 で も、l 分 間 加 熱 は30 秒 あ る い は5'A-間 加熱 より 有 意 に 硬 く 、 弾力 が あ る と 評 価 さ れた 。 加 熱 に伴 う こ の よ う な 変 化 は ア オリ イ カ で も みら れ。 肉 内 部 温 度 が 約80 ℃ を 越 え る と イ カ 肉 が 硬化 し 。 加 熱 を さ ら に 続け る と 軟 化が 始 まる こ と が 分 かっ た。 し かし 、 ヤリ イ カの 軟 化 は ア オリ イカ に 比 べ て顕 著で あ り 、 種 類 に よ り 軟 化 傾向 が 異 なる こ と が示 唆 さ れた 。 な お 、 表 皮 の 有 無 に よる テ ク スチ ャ ー の 差 は 加 熱 に 伴い 縮 少し 、 筋 肉 の みな ら ず 強 靭 な 表 皮 も 加 熱 によ り 脆 弱 化 す るこ と が 分 かっ た。 136
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