(15)1,3-butadiene に高温(40℃)で臭化水素を付加させたときの主生成

基本の正誤問題
正誤問題で理解度を確認しよう。
【アルケンとアルキン】
(1)アルケンは求電子剤と付加反応を起こしやすい(正、誤)
(2)アルキンは HBr や Br2 と求核付加反応を起こす(正、誤)求電子反応
(3)アルケンへの HBr への付加の主生成物は、マルコフニコフ則に従う(正、誤)
(4)アルケンへの HBr への付加において過酸化物が存在すると、その主生成物はホフマン則に従う(正、誤)逆マル
コフニコフ則に従う
(5)シクロヘキセンを臭化水素と反応させると、ジブロモ体が得られる(正、誤)モノブロモ体
(6)HBr も Br2 もアルケンへのアンチ付加(トランス付加)する(正、誤)HBr はカルボカチオン中間体を経るので
アンチ付加ではない
(7)フェニルアセチレン(フェニルエチン)に HBr と反応すると、E 体のアルケンを生じる(正、誤)
(8)Br2 はアルケンへもアルキンへもアンチ付加(トランス付加)する(正、誤)。
(9)シクロヘキセンを四酸化オスミウムと反応させた後に硫化水素と反応させるとメソ体が得られる(正、誤)。
(10)シクロヘキセンを m-クロロ安息香酸と反応させるとラセミ体が得られる(正、誤)メソ体。
(11)シクロヘキセンをジボランと反応させた後、アルカリ性過酸化水素で処理すると、第3級アルコールが得られる
(正、誤)第2級アルコール。
(12)1-メチルシクロヘキセンをジボランと反応させた後、アルカリ性過酸化水素で処理すると、シスーアルコールが
得られる(正、誤)トランスーアルコール。
(13)シクロヘキセンをオゾンと反応させた後、亜鉛で処理すると、アルデヒドが得られる(正、誤)。
(14)1,3-ブタジエンが HBr と反応すると、1-ブロモブタ-2 エンと 3-ブロモブタ-2 エンが生じる(正、誤)1-ブロモ
ブタ-2 エンと 3-ブロモブタ-1 エン
(15)1,3-butadiene に高温(40℃)で臭化水素を付加させたときの主生成物は、1-bromo-2-butene である
(正、誤)
(16)反応 A と反応 B のうち、生成物の合成法として適切なのは反応 A である(正、誤)
Cl
1) OsO4
2) H2S
反応A
H
1)
CO3H
2) H+, H2O
OH
反応B
H
OH
H
OH
H
OH
【芳香族化合物】
(1)硫酸と硝酸を用いるベンゼンのニトロ化反応では、ニトロニウムイオンが求核剤として働いている(正、誤)ニト
ロニウムイオンが求電子剤
(2)芳香族化合物は求電子剤と付加反応を起こしやすい(正、誤)置換反応を起こしやすい
(3)芳香族化合物の代表的な反応は求電子置換反応である(正、誤)
(4)濃硝酸-濃硫酸混液によるベンゼンからニトロベンゼンヘの変換は、求電子置換反応である(正、誤)
(5)クロロベンゼンは,オルト,パラ配向性である(正、誤)
(6)ニトロベンゼン,安息香酸,アセトフェノンはすべてメタ配向性である(正、誤)
(7)アセトアニリドヘの求電子的ニトロ化反応は、メタ位に比べ、オルト位及びパラ位に優先して起こる(正、誤)
(8)オルト,パラ配向性基が置換した一置換ベンゼンの臭素化では,置換基の種類に関わらず,オルト置換とパラ置換
生成物の比率は一定である(正、誤)置換基の種類によって、オルトとパラ置換生成物の比率が変わる
(9)ベンゼン環に電子供与基が置換すると,臭素化の反応性は高くなる(正、誤)
(10)phenol は toluene よりも求電子試薬との反応が速い(正、誤)
(11)ピロールヘの求電子的ニトロ化反応は、ベンゼンヘの求電子的ニトロ化反応より起こりにくい(正、誤)
(12)ピロールとピリジンの求電子置換反応を比べると、ピリジンへの求電子反応の方が起こりやすい(正、誤)
(13)ニトロ化の反応性は以下の順序で起こりやすい(正、誤)
57
>
>
OCH3
NO2
(14)クロロベンゼンは,ベンゼンよりも臭素化の反応性は高い(正、誤)反応性は低い
(15)スルホン化は可逆反応である(正、誤)
(16)ベンゼンに対し、CCl4 中、室温で Br2 と反応させると容易に反応が起こる(正、誤)ルイス酸が必要
(17)無水酢酸を試薬に用いる反応に関する記述 a,b の正誤を答えなさい。
O
AlCl3
CH3
+ CH3COCl
a. この反応で AlCl3 はルイス塩基として作用する(正、誤)ルイス酸触媒
b. この反応で塩化アセチルの代わりに無水酢酸を用いることができる(正、誤)
【求核置換反応】
(1)ハロゲン化アルキルを SN2 反応の反応速度の速い順に並べると、ハロゲン化メチル、第一級ハロゲン化物、第二
級ハロゲン化物、第三級ハロゲン化物の順になる(正、誤)
(2)カルボカチオンの安定性は、第三級>第二級>第一級である(正、誤)
(3)カルボアニオンは、隣接炭素上に電子求引基が存在すると、より不安定になる(正、誤)
(4)SN1 反応は中間体を通る 2 段階の反応であるのに対し、SN2 反応は 1 段階の反応である(正、誤)
(5)SN1 反応の反応速度は、求核試薬の濃度に依存しない(正、誤)
(6)SN2反応で基質濃度と求核試薬の濃度を両方とも倍にすると、反応速度は元に比べて4倍速くなる(正、誤)
(7)水酸化ナトリウム水溶液による臭化エチルからエタノールヘの変換は、求核置換反応である(正、誤)
(8)ナトリウムメトキシドをヨードエタンと反応させるとジエチルエーテルが生成する(正、誤)。エチルメチルエー
テルが生成する
(9)目的とするエーテルが主生成物として得られる合成法は a である(正、誤)ベンゼン環上では求核置換反応は起
きない
I
a
OCH2CH3
+ NaOCH2CH3
ONa
b
OCH2CH3
+ CH3CH2Br
(10)目的とするエーテルが主生成物として得られる合成法は a である(正、誤)
a
H3C
OCH2CH3
ONa
C
CH3 + CH3CH2Br
H3C
C
CH3
b
H3C
C
CH3
CH3
OCH2CH3
Br
CH3
+ NaOCH2CH3
H3C
C
CH3
CH3
CH3
(11)SN1 反応の起こりやすさは以下の順番である(正、誤)メトキシ体>ニトロ体
O2N
CH2OH
>
H3CO
CH2OH
>
NO2
(12)ブロモベンゼンは、SN1 反応も SN2 反応も起こしにくい(正、誤)
(13)化合物 W は第 3 級ハロゲン化合物であるから SN1 機構で容易に反応する(正、誤)脱離基の結合している炭素
が平面構造をもつカルボカチオンを生成できない。
(14)化合物 W は第 1 級ハロゲン化合物であるから SN2 機構で容易に反応する(正、誤)脱離基の結合している炭素
の隣がかさ高い t-ブチル基であるので、求核試薬が近づけない。
(15)化合物 Y は第 1 級ハロゲン化合物であるから SN2 機構で容易に反応する(正、誤)
(16)化合物 Y への求核置換反応は、化合物 Z よりも容易に進行する(正、誤)。ベンジル位(ベンゼン環の隣の炭素)
は共鳴できる位置であり、特に反応しやすい
58
CH3
CH2Br
CH2CH2Br
H3C C CH2Br
CH3
X
Br
W
Y
Z
【脱離反応】
(1)ハロゲン化アルキルを E2 反応の反応速度の速い順に並べると、ハロゲン化メチル、第一級ハロゲン化物、第二級
ハロゲン化物、第三級ハロゲン化物の順になる(正、誤)逆である
(2)E1 反応で進行するアルコールの酸による脱水は、第三級アルコールの方が第二級アルコールより起こりやすい(正、
誤)。
(3)E1 反応の生成物であるアルケンは、常にザイツフェフ則に従う(正、誤)。
(4)E2 反応の生成物であるアルケンは、常にザイツフェフ則に従う(正、誤)。
(5)E2 反応は典型的な脱離反応で、触媒として一般に酸が用いられるアンチ脱離(トランス脱離)である(正、誤)
E2 反応は酸ではなく塩基を用いる
(6)2-bromobutane を sodium ethoxide で処理すると、E2 反応が進行し、Saytzeff 則にしたがった 2-butene が
主として生成する(正、誤)。
(7)cis-1-chloro-2-methylcyclohexane をナトリウムエトキシドで処理すると、ザイツフェフ則に従った
3-methylcyclohexene が主生成物として得られる(正、誤)。1-methylcyclohexene を生成する
(8)trans-1-chloro-2-methylcyclohexane を sodium methoxide で処理し、E2 脱離を行うと、Saytzeff 則にした
がった 1-methylcyclohexene が主として生成する(正、誤)。Hofmann 則にしたがった 3-methylcyclohexene
(9)1,2-dibromobutane をヨウ化ナトリウムで処理すると、2-butene が主生成物として得られる(正、誤)隣同士
の炭素で脱 Br2 が起きて、1-butene が生成する
(10)化合物 A は第3級ハロゲン化物であるから、強塩基による脱離反応は主に E1 機構で進行する(正、誤)強塩基
による脱離反応は E1 機構ではなく E2 機構である
(11)化合物 A をエトキシドイオンを用いて脱離反応を行うと、主生成物は 2-methylbut-1-ene である(正、誤)
2-methylbut-2-ene
(12)化合物 B の強塩基による E2 反応では、二重結合が Z 配置であるアルケンが主生成物となる(正、誤)
(13)化合物 C は第 1 級ハロゲン化合物であるが、強塩基を用いることで E2 機構によりアルケンを生じる(正、誤)。
CH3
CH3CH2
C
Br
CH2CH3
H
H3C
C
CH3
H
CH2CH2Br
C
CH3
Br
A
B
C
(14)反応 A と反応 B のうち、生成物の合成法として適切なのは反応 A である(正、誤)
H
CH3
Cl
CH3
H
NaOCH2CH3
H
CH3
H
CH3
NaOCH2CH3
Cl
反応A
反応B
(15)A をエタノール中で、ナトリウムエトキシドを用いてE2 反応を行うと、主としてアルケンBが得られ、Cはほと
んど得られない(正、誤)
CH(CH3)2
H3C
A
Cl
CH(CH3)2
H3C
CH(CH3)2
H3C
C Cl
B
【カルボニルの反応】
(1)アルデヒドは酸触媒下でアルコールと反応し、アセタールを生成する(正、誤)。
(2)アルデヒドもケトンも、ヒドロキシルアミンと反応して対応するオキシムを生成する(正、誤)。
59
(3)アルデヒドもケトンも、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)による還元で第二級アルコールを生成する(正、誤)。
アルデヒドは一級アルコールを生成する
(4)安息香酸エチルを水素化アルミニウムリチウムにて還元すると、ベンズアルデヒドが主生成物として得られる(正、
誤)ベンジルアルコールが主生成物として得られる
(5)アミドは一般に水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)により還元され、対応するアミンを生成する(正、誤)。
(6)シクロヘキサノールを硫酸酸性下でクロム酸と反応させるとケトンが生成する(正、誤)。
(7)アルデヒドが Grignard 試薬と反応すると、第二級アルコールを生成する(正、誤)。
(8)ケトンが Grignard 試薬と反応すると、第一級アルコールを生成する(正、誤)。三級アルコールを生成する
(9)エタノールが Grignard 試薬と反応すると、エーテルを生成する(正、誤)。エタノールは酸性として振る舞うの
-
で、Grignard 試薬が分解し、エタノールはエトキシドイオン(C2H5O )になる。
(10)エステルが Grignard 試薬と反応すると、最終的にケトンを生成する(正、誤)。三級アルコールを生成する
(11)ニトリルが Grignard 試薬と反応すると、ケトンを生成する(正、誤)。
(12)安息香酸エチルとメチルマグネシウムブロミドとの反応では、通常第一級アルコールが生成する(正、誤)第3
級アルコールが生成する
(13)二酸化炭素が Grignard 試薬と反応すると、カルボン酸を生成する(正、誤)。
(14)環状エステルはラクトンとよばれる(正、誤)
(15)エステルは一般に、アミンと加熱するとアミドヘ変換される(正、誤)
(16)PhCH3 から PhCOOH への変換は酸化反応であり、PhCN から PhCOOH への変換は加水分解反応である(正、
誤)。
(17)第一級アミンとの反応性は、安息香酸エチルの方が塩化ベンゾイルより高い(正、誤)
(18)安息香酸誘導体 a ∼ d のアシル化剤としての反応性は、c>a>d>b の順である(正、誤)。c, d, a, b
O
C
O
OCH3
NH2
C
a
O
O
C
b
O
C
Cl
O
C
d
c
(19)アミドは酸又は塩基の水溶液と加熱すると加水分解され、カルボン酸とアミンになる(正、誤)。
(20)アニリンを塩化ベンゾイルと塩基存在下で反応させるとアミンが生成する(正、誤)。アミドが生成する
(21)アセトアニリドを希硫酸と加熱し、その後アルカリ性とするとエステルが生成する(正、誤)。アミンが生成す
る
(22)安息香酸を過剰のエタノールと少量の濃硫酸存在下で加熱したらエーテルが生成する(正、誤)。エステルが生
成する
(23)無水酢酸を試薬に用いる反応1̶2に関する記述 a-c の正誤を答えなさい。
反応1
O
OH
1) H2SO4
+
OH
(CH3CO)2O
OH
反応2
+
(CH3CO)2O
O
H 3C
a. 反応1の主生成物は A である(正、誤)。
b. 反応2の主生成物は D である(正、誤)。
c. 反応2で無水酢酸の代わりに酢酸を用いることができる(正、誤)。
(24)酢酸誘導体 A∼D に関する記述 a-c の正誤を答えなさい。
CH3
CH3
O C
O
CH3
O C
NH2
O
O C
CH3
A
CH3
O C
Cl
CH3
B
C
B
NH2
H2O
D
60
H
N
または
O
CH3
O
HO
C
CH3
OH
CH3
NaOH
NH2
HO
O
O
O
または
O
2) H2O
A
O C
O
O
D
a. B をエタノール中に溶かし、室温で1時間放置すると A が生成する(正、誤)
b. C は酢酸に希塩酸を加えると直ちに生成する(正、誤)
c. アシル化剤としての反応性の順序は、C>D>A>B である(正、誤)
61
総合問題
【問題1】以下の反応(A)∼(H)を求電子付加、求核付加、求電子置換、求核置換に分類してみよう。
OCH3
O
CH3I
(A)
+
求核置換
I
H
OH
H2O
H
H
求核付加
C
OH
H
OH
N
O
OH
H2O
(C)
O
(B)
NH2OH
(D)
H2SO4
求核付加
求電子付加
O
H3O+
(E)
H3C
CH3
H3C
求電子付加
(F)
HBr
H3C
求電子付加
CH3
H3C
C
CH3
Br
COCH3
CH3COCl
(G)
CH3
HgSO4
H3C
(H)
AlCl3
HC
CH3Br
C
HC
C
求核置換
CH3 + Br
求電子置換
【問題2】反応の主生成物を正しく表しているのは a∼d のうちどれか(
a
H3C
H3C
HCl
C CH2
CH CH2Cl
H3C
C
CH3
H2
CH3
PtO2
H
H
HBr
Br
H
b
CH3
H
CH3
c
H3C
Br2
)
Br
d
Br
【問題3】1,3-ブタジエンに HBr が 1,2-付加して生じる化合物はどれか。
1.
1-ブロモブタ-2-エン
2.
2-ブロモブタ-1-エン
3.
2-ブロモブタ-2-エン
4.
3-ブロモブタ-1-エン
5.
4-ブロモブタ-1-エン
【問題4】化合物 A のニトロ化を行った時、予想される主生成物を 1∼5 の中から選べ(3)
1
HNO3
H2SO4
O
N
H
N
H
N
H
O2N
A
3
O
2
O
NO2
NO2
O
4
5
O
N
H
N
H
NO2
O
N
NO2
62
【問題5】ニトロ化反応がメタ位に優先して進行する化合物はどれか。
1. トルエン
2. アニリン
3. フェノール
4. 安息香酸
5. アニソール
【問題6】ニトロ化反応がベンゼンより遅く進行する化合物はどれか。
1. トルエン
2. アニリン
3. フェノール
4. 安息香酸
5. アニソール
【問題7】日本薬局方医薬品アクリノールの成分である 2-ethoxy-6,9-diaminoacridine の合成経路において用いられる、
最も適した試薬の組合せはどれか(2)
CH3
O2N
OC2H5
CH3
試薬 a
触媒
O2N
試薬 b
Cl
O2N
Cl
O
N
H
O2N
OC2H5
OC2H5
NH2
OC2H5
試薬 d
N
O2N
O2N
N
H
NH2
OC2H5
1) PCl5
OC2H5
試薬 c
PCl5
N
H
2) NH3
H2N
COCl
COOH
O2N
COOH
H2N
N
2-ethoxy-6,9-diaminoacridine
注)殺菌消毒薬
機序は生体内でイオン化し、その
陽イオン部分が細胞の呼吸酵素
を阻害することにより殺菌する。
試薬 a
試薬 b
試薬 c
試薬 d
試薬 a
試薬 b
試薬 c
試薬 d
1.
HCl
KMnO4
AlCl3
SnCl4
4.
Cl2
MnO2
Al2O3
SnCl4
2.
Cl2
KMnO4
AlCl3
SnCl2
5.
HCl
MnO2
Al2O3
SnCl4
3.
HCl
KMnO4
Al2O3
SnCl2
6.
Cl2
MnO2
AlCl3
【問題8】次の反応 a∼d のうち主生成物に誤りがあるのはどれか(
CH3
a
H3C
H3C
b
CH3
ONa
O
C
OCH3
CH3I
c
CH3
CH3
HO
)
CH3
Na2Cr2O7
OH
C
b
SnCl2
CH3
CH3
CH2
H3O+
b
HBr
Br
過酸化物
【問題9】次の反応式は、日本薬局方医薬品ピンドロールの 2 つの合成法を示したものである。この合成法に関する記
述 a-c の正誤を答えなさい。ただし、図中の不斉炭素を有する化合物はすべてラセミ体である。
a
反応 A は、カルボニル炭素に対するアミンの求核置換反応である(正、誤)。求核付加反応
b
反応 C は、インドール環上のヒドロキシ基(OH)のエポキシドに対する求核的な反応である(正、誤)。
c
エポキシドは、結合角によるひずみのため、通常のエーテルとは異なる反応性を示す(正、誤)。
63
OH
HN
OH
反応A
NH2
O
HN
O
N
CH3COCH3
CH3
注)β受容体遮断薬
反応B
ピンドロール
H2, Pd
CH3
H
反応C
HN
OH
OH
HN
CH2C6H5
H2C CH CH2 N
O
O
HN
CH2C6H5
N
CH3
CH3
CH3
OH
H
N
O
CH3
CH3
反応D
及び鏡像異性体
H2, Pd
CH3
【問題 10】Griganard 試薬(A:CH3CH2CH2CH2MgBr)との反応の生成物として正しいのは a∼d のうちどれか(b
a
O
H2O
A
c
OH
H3C
H
A
OH
O
O
b
CH3
H3C
A
H
OH
H3C
d
A
H3C
)。
O
OH
H3C
O
CH3
̶
【問題 11】求核試薬(例えば OH )に対する反応速度が最も速いのはどれか。
1. 塩化アセチル
2. 無水酢酸
3. 酢酸エチル
4. アセトアミド
【問題 12】エステルが第一級アミンと反応したときの生成物はどれか。
1. 第一級アミド
2. 第二級アミド
3. 第三級アミド
4. カルボン酸
5. ニトリル
18
【問題 13】下図に示す O 標識安息香酸エチルを水酸化ナトリウム水溶液で処理した後、反応液を酸性にした。予想さ
16
れる主生成物を 1∼5 の中から選べ。ただし特に表示のない酸素原子はすべて O とする(
O
C
NaOH, H2O
18O
H3O+
C
18OH
1
C OH
C
2
3
C
18OH
4
【問題 14】アルデヒドと反応させたとき、試薬と生成物の組合せが正しいのはどれか。
1.
CH3OH
ヒドラゾン
2.
H2O
オキシム
3.
NH2OH
アセタール
4.
NH3
イミン
5.
NH2NH2
ニトリル
64
18O
O
18O
18O
)(83)
生成物
CH2CH3
O
4
OH
C
5
H
【問題 15】シクロヘプタジンの合成に関する記述 a-e の正誤を答えなさい。
SOCl2
O
AlCl3
反応 A
COOH
Br
O
反応 C
反応 B
Cl
Br
N
O
O
O
H3C N
(C2H5)3N
反応 D
MgBr
反応 E
O
HO
N
N
CH3
CH3
シクロヘプタジン
a
反応 A は、二酸化硫黄と塩化水素が発生する求核付加反応である(正、誤)。求核置換反応
b
反応 B は、芳香族求電子置換反応である(正、誤)。
c
反応 C は、ベンジル位における求核付加反応である(正、誤)ラジカル置換反応。ラジカル反応えあることが分か
らなくても付加反応ではないことに気がつくことが重要
d
反応 D は、脱離反応であり、(E)-アルケンを与える(正、誤)(Z)-アルケン。
e
反応 E の生成物には、不斉炭素が存在する(正、誤)。
【問題 16】図は日本薬局方医薬品アミノ安息香酸エチルの合成法を示したものである。この合成法に関する記述の正誤
a-e の正誤を答えなさい。
a.
反応 W は、ベンゼン環に対するニトロ基の付加反応である(正、誤)。求核置換反応
b.
化合物 B は、ニトロベンゼンを AlCl3 存在下、塩化メチルで処理しても合成できる(正、誤)。
c.
反応 X は酸化反応であり、反応 Y は還元反応である(正、誤)。
d.
反応 Z は、SN2 反応機構で進行する(正、誤)。二重結合炭素には SN2 反応は起きない
e.
化合物 E の矢印で示した酸素原子は、エタノール由来である(正、誤)。
CH3
O
CH3
OH
O
HNO3
KMnO4
Zn, HCl
反応W
反応X
反応Y
NO2
NO2
OH
CH3
CH3CH2OH
HCl
O
O
反応Z
NH2
NH2
【問題 17】次の反応式はに示す日本薬局方医薬品メチルベナクチジウム臭化物の合成法に関する記述 a-e の正誤につい
て答えなさい。
65
HCl / H2O
HCN
O
CN
反応A
NaOH / H2O
CONH2
反応B
OH
COOH
反応C
OH
OH
Br-
ClCH2CH2N(C2H5)2
O
反応D
OH O
CH3Br
N
O
CH3
反応E
CH3
OH O
CH3
N+
H3C
CH3
メチルベナクチジウム臭化物
注)鎮痛鎮痙薬、胃・十二指腸潰瘍
a
反応Aは、カルボニル基に対する求核付加反応である(正、誤)。
b
反応Bは、ニトリル(シアノ基)からアミドヘの酸化反応である(正、誤)。加水分解反応
c
反応Cは、アミドからカルボン酸ヘ加水分解反応である(正、誤)。
d
反応Dは、飽和炭素上への求核置換反応である(正、誤)。
e
反応Eは、飽和炭素上への求核置換反応である(正、誤)。
66