メチシリン感性黄色ブドウ球菌における β

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メチシリン感性黄色ブドウ球菌における β-ラクタマーゼ産生試験の比較
◎根本 大輔 1)、蛯原 紀枝 1)、後藤 美紀 1)、中島 淳 1)、中山 朋子 1)、人見 重美 2)
筑波大学附属病院 1)、筑波大学附属病院感染症科 2)
<はじめに>
InstituteのM100-S22の記載に則って行った.③blaZ遺伝子の
メチシリン感性黄色ブドウ球菌(methicillin sensitive
有無:PCR法(Antimicrob. Agents Chemother 44:231-238)で
Staphylococcus aureus:MSSA)のペニシリンに対する感受
確認した.
性を検査する時,ディスク法・希釈法で感性カテゴリーに
<結果>
入った株については,β-ラクタマーゼ(BL)産生の有無
65 株が NC 法陽性,61 株が NC 法陰性だった.NC 法陰性
を調べた上で,結果を報告する必要がある.BL を検出する
株のうち,1 株が PZ 法陽性だった.また,もう 1 株は
方法には,ニトロセフィン(NC)法と Penicillin zone-
PZ 法で判定不能だった.どちらの株も blaZ 遺伝子陽性だ
edge(PZ)法がある.NC 法は PZ 法に比べて感度が低いと
った.
言われており,PZ 法を行うか,NC 法を行い陰性株につい
<考察>
て PZ 法で再確認することが推奨されている.今回,当院
今回の検討では,126 株中 1 株だけが NC 法陰性 PZ 法陽性
で分離した MSSA を用い,どの程度の NC 法陰性株が
だった.これは,他国からの報告と比べ乖離率が低い.ま
PZ 法陽性と判定されるかを調べた.
た,PZ 法で BL 産生の有無を判定できない株があった.こ
<方法>
の株が BL 誘導により正しく判定できるようになるか,検
2015年2月から5月に,MicroScan WalkAwayでMSSAと同定
討中である.(連絡先:029-853-3684)
された126株(1患者1株)を対象とした.
①NC法:セフィナーゼディスク(日本BD)を用いた.デ
ィスクに菌を塗布し,60分後にピンク色に変色したものを
陽性とした.②PZ法:Clinical and Laboratory Standards