VOL.41 Postantibiotic S-2 Effectと TeicoplaninのPostantibiotic 戸塚 柴 Staphylococcus Effectと 臨床 的検 討 恭 一 ・菊 池 賢 ・清 水 喜八 郎 東京女子医科大学内科* 田 雄 介 ・長 谷 川 裕 美 東京女子医科大学臨床中央検査部 Teicoplanin(TEIC)のpostantibiotic sensitive 173 臨床 的検討 effect(PAE)と aureus 209P株 臨 床 的 検 討 を 行 っ た 。Methicillin- に 対 す るPAEは,2MICで1時 間,2時 る と,TEICで5.1h,14.6h,vancomycin(VCM)で2.7h,3.5h,4MICで h,17.4h,VCMが3.Oh,3.3hで 間 接 触 させ は,TEICが13.2 あ っ た 。Methicillin-resistant S.aureus(MRSA)TK784P 株 に 対 し て は,2MICでTEICが15.5h,18.7h,VCMが1.6h,2.2h,4MICで >24h,>24h,VCMが1.4h,1.9hで 3株,Stnptococcus 不 能1例 は,TEICが あ っ た 。 臨 床 的 検 討 で は,分 smguis IIの1株 が 除 菌 さ れ,有 で あ っ た 。 副 作 用 は 認 め ず,臨 離 菌 のMRSA7株 効3例,や や 有 効3例,無 床 検 査 値 異 常 と し て1例 の うち 効2例,判 定 で 軽 度 の ク レ ア チ ニ ン値 の上 昇 が 認 め られ た 。 Key words: Teicoplanin, PAE, MRSA 近 年 感染 症 の原 因菌 として,グ ラム 陽性 球 菌 の分 離 率 が は発 熱 な ど の臨 床 症 状 の 改 善,細 菌 学 的 所 見,CRPや 高 ま って い る。 特 にmethicillin-resistant Staphylocoms 血 沈 な どの 炎 症 所 見 の 改 善,WBC,胸 aums(MRSA)に 査 所 見 を 基 に して,著 よ る院 内感 染 症 に対 す る対 策 は重 要 な 問題 とな って お り,MRSAを は じめ とす る グ ラム陽 性 菌 に 効,有 (DMPPC),cefazolin(CEZ)の (TEIC)は,MRSAを 平板 法 にて測 定 した。 glycopeptide系 (VCM)と man MSSA syndromeな どの 副作 用 が 少 な い こ とが特 徴 と され てい る。今 回,S.au処 は,そ eusに 対 す るTEICのpostantibiotic TK784P株 effect(PAE)1)と 臨 床 効 果 に つ いて検 討 した 。 1.材 PAEの し て209P株,MRSAと を使 用 し た 。MICは S.aureus し てTK784P株 日本 化 学 療 法 学 会 法 に 基 づ い て 微 果 に 対 す るTEICとVCMのMIC に 対 し て は,そ あ っ た 。MSSA 間,2時 れ ぞ れ1.56μg/ml,0.78 209P株 に対 す るPAEは,2 間 接 触 させ た 場 合 は,TEICが5.1 h,14.6h,VCMが2.7h,3.5h,4MICで は,TEIC が13.2h,17.4h,VCMが3.0h,3.3hで あ っ た。 MRSA TK784P株 に 対 し て は,2MICがTEICで 量 液 体 希 釈 法2)に て行 っ た 。TEIC,VCMの2MIC,4 15.5h,18.7h,VCMで1.6h,2.2hで MICを で は,TEICが>24h,>24h,VCMが1-4h,1.9hで 各 菌 株 に1時 間 お よ び2時 間 接 触 さ せ た 後,薬 剤 を メ ン ブ ラ ン フ ィ ル タ ー に て3回 洗 浄 して 除 去 し た 。 経 時 的 に菌 数 を測 定 し て,薬 剤 除 去 後 の 細 菌 が1 log増 殖 す る 時 間 か ら コ ン トロ ー ル が110g増 時 間 を差 し 引 い た 値 をPAEと 臨 床 的 検 討:感 殖す る した。 染 症 を有 す る入 院 患 者 に 対 して TEICを1日1回,100mg,200mg,400mg投 与 した 。 一部 で は ,最 初 の24時 間 に 倍 量 を投 与 した 。臨 床 効 果 *〒162新 宿 区 河 田 町8-1 寒天 れ ぞ れ0.2μg/ml,0.78μg/ml,MRSA MICで1時 と 方 法 測 定:Methicillin-sensitive (MSSA)と 209P株 μg/mlで 料 どの 検 効 と判 分 離 菌 のMICは II.結 の薬 剤 で あ るo同 系 薬 で あ るvancomycin 比 較 して半 減 期 が 長 く,red 部XPな や 有 効,無 定 し た 。TEIC,gentamicin(GM),methicillin 効 果 的 な 抗 菌 薬 の 開 発 が 望 ま れ て い る。Teicoplanin 含 む グ ラ ム 陽 性 菌 に抗 菌 力 を示 す 効,や っ た(Table あ っ た 。4MIC あ 1)。 臨 床 的 検 討 で は,基 礎 疾 患 を有 す る敗 血 症4例,肺 炎3例,感 年 齢 は14歳 染 性 心 内 膜 炎2例 か ら85歳 が1例,200mgが4例(初 が4例(初 30日 日800mg)で に使 用 し た(Table まで で,1日 2)。 投 与 量 は100mg 日400mgが2例),400mg あ っ た 。 投 与 期 間 は2日 か ら ま で で あ っ た 。 分 離 菌 のS.aureus7株 は全 て Table MRSAで 1. In vitro PAE (h) for teicoplanin and vancomycin against and methicillin-resistant Staphylococcus aureus TK784P あ り,そ の う ち3株 sanguisIIの1株 例,敗 血 症1例,感 能 が1例 で,副 染 性 心 内 膜 炎 の1例 や 有 効 が3例,無 が有効 で あ っ 効 が2例,判 で,本 癌 の 骨 転 移 が あ り肺 炎 を 剤 投 与 後 に ク レ ア チ ニ ン 値 が1.7 で 上 昇 し た が,中 分 離 され たMRSAに は じめ とす る グ ラ ム 陽 性 菌 感染 症 に適 切 な 治療 を行 う こ とが求 め られ て い る 。最 近,MRSAを 力 を示 すVCMが は じ め と す る グ ラ ム 陽 性 菌 に抗 菌 認 可 さ れ,そ の効 果 が 期 待 さ れ て い る 。 最 近 開 発 さ れ たglycopeptide系 の薬 剤 で あ る 同 様 の 抗 菌 ス ペ ク トル を 示 す が,副 Postantibiotic で あ っ た MRSAに う と4.1時 み ら れ た が,そ の 他 は,TEICの は,い ず れ 高 い こ と な どか ら投 与 量, effect(PAE)の 対 し てTEICの5MICで1時 間 のPAEで 黄 色 ブ ド ウ球 菌,表 皮 ブ ドウ 球 菌,腸 球 菌 に対 す るPAEの あ り,VCMの0.9時 察 が 国 の 分 離 菌 の 頻 度 で は,グ ラム陽性 菌 の は, 間 の接触 を行 あ る と し て い る3)。Cooperら 測 定 を行 っ て お り,25μg/mlで2時 間 接 触 させ た 場 合 に は,2時 あった。 測 定 は,抗 菌 薬 の 投 与 間 隔 を 決 定 す る 際 に 重 要 で あ る 。Drabuら 対す 離MRSAに は す べ て>12.5μg/ml,DMPPC,CEZで 今 日,我 な っ て い る。従 っ て,MRSAを 方 で 蛋 白結 合 率 が 約90%と で あっ た 。S.sanguisIIは0.39μg/mlが1株 III. 考 言われて よ る院 内 感 染 症 は 社 会 的 な 問 題 と まで 投 与 法 に つ い て の 臨 床 的 な検 討 が 必 要 と さ れ て い る 。 は,0.78μg/mlが1株,1-56μg/ml も>100μg/mlで お り,MRSAに で あ っ た 。接 種 菌 量 が1株,3.13μg/m1が4株,6.25μg/mlが1株 るGMのMICO.39μg/mlが1株 分 離 率 は 黄 色 ブ ド ウ球 菌 の 内 の60∼80%と 作 用 が 少 な く,血 中 半 減 期 が 長 い とい う特 徴 を示 す 。一 は,0.78μg/mlが3株,1.56 また,106CFU/mlで,分 aureus 209P 種 対 す るTEICのMICは,接 菌 量 が106CFU/mlで Staphylococcus 頻 度 が 高 ま っ て い る。 特 に 施 設 に よ っ て はMRSAの TEICは,VCMと 止 後 低 下 した 。 μg/mlが2株,3.13μg/mlが2株 (Table3)。 定不 間 で 中 止 した た め 効 果 判 定 か ら除 外 し た 。 臨 床 検 査 値 で は,胃 が108CFU/mlで 炎1 作 用 は認 め な か っ た 。 判 定 不 能 例 は, 主 治 医 の 判 断 で2日 来 し た1例 お よ びStreptococcus が 除 菌 さ れ た 。 臨 床 効 果 は,肺 た 。 そ の 他 は,や mg/dlま AUG. 1993 CHEMOTHERAPY 174 間 か ら10時 間 か ら2時 間 のPAEで 間 に比 較 して長 い こ と を示 し て い る4)。今 回 のTEICのPAEの 検 討 で も, VOL.41 S-2 Postantibiotic Effectと 臨床 的検討 175 CHEMOTHERAPY 176 Table 3. Susceptibility Table 3. of isolated Continued AUG. 1993 bacteria (108 CFU/ml) (108 CFU/ml) VOL.41 Postantibiotic S-2 S. aureus2株(MRSA1株,MSSA1株)に て,TEICで 長 いPAEを Effectと 対 し 3) 示 し て い た 。 こ の こ とは 血 中 半 減 期 が 長 い こ と と合 わ せ て,1日1回 判 定 不 能 例 を 除 く8例 中,3例 Y 27 4) J 染 Wise 効 性 は 示 さ れ て い る5)が,今 回 は1例 が 有 効 で あ っ た 。 5) Martino tle い との 報 告 も あ り6),更 に 検 討 す る 必 要 が あ る と考 え treatment る。 of ditis. 文 戸 塚 恭 一, 綜 合 臨 床37: 2) 献 清 水 喜 八 郎: 2187∼2190, 日本 化 学 療 法 学 会: Chemotherapy38: 6) 抗 菌 薬 のPAEと 投与 方 法 。 1988. 標準法。 1990 Postantibiotic ditis. 2069•`2074, effect and clinical evaluation J P, Andrews of vancomycin Chemother M, and 26: P C, : Teicoplanin Genin bacterial Agents the teico- 203-207, Brandimarrte Serra the endocar- Chemother 33: 1989 A C, Carbon C pharmacodynamic antibiotic 微 量 液 体 希 釈 法 (MIC) 103∼106, and and Chemother comparison gram-positive Antimicrob Cremieux of Venditti C, Ashby vitro Antimicrob 1329-1334, 1) In Santini postantibio- Antimicrob Y-F, effect P, G, The 1991 Jin R: J H: monotherapy J 1-7, A, postantibiotic 1990 移 行性 は必 ず し も良 くな B): M M, P teicoplanin: studies. (Suppl planin. へ のTEICの Blakemore of Cooper 症 で あ っ た た め と考 え られ る 。 感 染 性 心 内 膜 炎 で の 有 Vegetation中 J, effect combination の み が 有 効 で あ っ た が, 多 くが 重 篤 な 基 礎 疾 患 を有 す る,重 症 なMRSA感 Drabu tic 投与 法 の妥 当 性 を 支 持 す る もの と考 え る。 今 回 の 臨 床 的 検 討 で は, 177 臨床 的検 討 therapy Antimicrob : Pharmacokinetic requirements of for experimental Agents endocar- Chemother 36: 1992 of teicoplanin Kyoichi Totsuka, Ken Kikuchi and Kihachiro Shimizu Department of Internal Medicine, Tokyo Women's Medical College 8-1 Kawada-cho, Shinjuku-ku, Tokyo 162, Japan Department Yusuke Shibata and Hiromi Hasegawa of Clinical Laboratory, Tokyo Women's Medical College The postantibiotic effects (PAE) and clinical efficacy of teicoplanin (TEIC) were investigated. The following PAE were observed when methicillin-sensitive Staphylococcus aureus 209 P strain was exposed to TEIC and vancomycin (VCM) for 1 hour and 2 hours; 5.1 h and 14.6 h with 2 MIC of TEIC, 2.7 h and 3.5 h with 2 MIC of VCM, 13.2 h and 17.4 h with 4 MIC of TEIC and 3.0 h and 3.3 h with 4 MIC of VCM. The PAE of the agents on methicillinresistant S. aureus (MRSA) TK 784 P strain were as follows (1 hour and 2 hours) : 15.5 h and 18.7 h with 2 MIC of TEIC, 1.6 h and 2.2 h with 2 MIC of VCM, >24 h and >24 h with 4 MIC of TEIC, and 1.4 h and 1.9 h with 4 MIC of VCM. Clinically, 3 of 7 strains of MRSA and 1 strain of Streptococcus sanguis II were eliminated with TEIC. Of the patients treated with TEIC, 3 were evaluated as good, 3 as fair, 2 as poor, and 1 as not-evaluable. No side effects were increase in creatinine on clinical laboratory tests. observed. One patient showed a slight
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