第九章 酸と塩基

第九章
酸と塩基
例題 41.
次の反応で、下線をつけた物質またはイオンは、酸または塩基のいずれか。
(a) NH4+ + H2O → NH3 + H3O+
(b) CH3COO- + H2O → CH3COOH +OH-
(c) H2SO4 + HNO3 → HSO4- +H2NO3+
(d) NH3 + HCl → NH4+ + Cl-
(e) H2O + H2S → H3O+ + HS-
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例題 42.
次の物質を水に溶かしたときの反応式を書け。ただし2段階電離するものはそれがわか
るように書け。
HCl
HNO3
H2SO4
CH3COOH
H2CO3 NaOH Ca(OH)2
NH3
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例題 43.
次の文章をよみ、カッコの中の適する語のほうを選べ。
アンモニアが水に溶けて電離平衡に達する反応は次の式で表せる。
NH3
+ H2O
NH4+
+
-
OH
ブレンステッドの酸・塩基の定義によると、正反応において、NH3 は{①酸 ②塩基}、
H2O は{③酸 ④塩基}であり、逆反応において、NH4+は{⑤酸 ⑥塩基}、OH-は{⑦酸
⑧塩基}ということになる。一般にこの定義によると酸と塩基との反応では、生成物もま
た酸と塩基であり、この平衡反応は弱い酸および弱い塩基が生成する方に偏る。
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例題 44.
NaHCO3 を水に溶かすと溶液はどのような液性を示すか?またその理由も示せ。
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例題 45.
次の酸化物を酸性酸化物、塩基性酸化物、両性酸化物に分類せよ。
Na2O
NO2
P4O10 Al2O3
Fe2O3 CO2 ZnO
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例題 46
次の塩を正塩、酸性塩、塩基性塩に分類せよ。またその水溶液の液性を示せ。
NaCl MgCl (OH) CH3COONa NaHSO4 Na2CO3 NaHCO3
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例題 47.
次の値を求めよ。必要があれば log102=0.30 を用いよ。
① 0.010mol/l の硫酸の pH
② 0.20mol/l 硝酸の pH
③ 0.010mol/l の酢酸(電離度 0.01) の pH
④ 0.50mol/l の NaOH 水溶液の pH
⑤ pH=12 の Ca(OH)2 水溶液の mol/l
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例題 48.
次の記述①~⑥のうちから,正しいものを二つ選べ。
①pH=2 の水溶液の水素イオン濃度は,pH=5 の水溶液の水素イオン濃度の 104 倍である。
②炭酸水素ナトリウムは酸性塩であるが,その水溶液は強い塩基性を示す。
③水溶液中の弱酸の電離度は,その濃度が減少すると大きくなる。
④酸を水に溶かすと,電離した水素イオンはオキソニウムイオンとなる。
⑤亜硫酸や硫化水素は弱酸であり,水酸化バリウムやアンモニアは弱塩基である。
⑥pH=3 の塩酸を 105 倍に薄めると、溶液の pH は 8 になる。
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例題 49.
ギ酸 4.6g を蒸留水に溶かして正確に 1.0l にした
問 1. 下線の操作をするための正しい操作方法をから選べ
①1000ml のメスシリンダーにギ酸 4.6g を入れ、そこに蒸留水を 1000ml の線まで注ぐ。
②ビーカーにギ酸 4.6g を入れ、メスシリンダーで蒸留水を正確に 1000ml 量り取り、ビー
カーに注ぐ。
③ビーカーにギ酸 4.6g を入れ、メスシリンダーで蒸留水を正確に 995.4ml 量り取り、ビー
カーに注ぐ。
④1000ml のメスフラスコにギ酸 4.6g を入れ、そこに蒸留水を 1000ml の線まで注ぐ。
⑤ビーカーにギ酸 4.6g を入れ、メスフラスコで蒸留水を正確に 1000ml 量り取り、ビーカ
ーに注ぐ。
⑥ビーカーにギ酸 4.6g を入れ、メスフラスコで蒸留水を正確に 995.4ml 量り取り、ビーカ
ーに注ぐ。
問 2.溶液の水素イオン濃度は、20℃において 4.2×10-3mol/l であった。20℃におけるギ酸
の電離度を求めよ。有効数字 2 桁とし、原子量は次の値を用いよ。H (1.0) C (12) O (16)
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例題 50.
質量(重量)パーセント濃度約 0.3 %の酢酸水溶液 10 m l を水酸化ナトリウム標準溶液で滴
定して,酢酸の正確な濃度を求める場合について,問 1~問 3 に答えよ。ただし、酢酸水
溶液、水酸化ナトリウム標準溶液の比重はともに 1.0 とし、原子量は次の値を用いよ。H
(1.0) C(12) O(16) N(23)
問 1 およそ 10 m l の滴定値を得るためには,水酸化ナトリウム標準溶液はどの程度の
濃度のものを使用するのがよいか。①~④で最もよいものを選べ。
① 0.01 mol/ l ② 0.05 mol/ l
③ 0.10 mol/ l ④ 0.15 mol/ l
問 2 使用する指示薬はどれが最もよいか。(
) 内は指示薬の変色域の pH である。
① メチルオレンジ(3.1~4.4) ② メチルレッド(4.8~6.2)
③ ブロモチモールブルー(6.0~8.0)
④ フェノールフタレイン
問 3 滴定の操作はどれが最もよいか。
① 少量の指示薬を加えた水酸化ナトリウム標準溶液の一定量に,酢酸水溶液をビ
ュレットから滴下して滴定する。
② 水酸化ナトリウム標準溶液の一定量に,少量の指示薬を加えた酢酸水溶液をビ
ュレットから滴下して滴定する。
③ 少量の指示薬を加えた酢酸水溶液の一定量に,水酸化ナトリウム標準溶液をビ
ュレットから滴下して滴定する。
④ 酢酸水溶液の一定量に,少量の指示薬を加えた水酸化ナトリウム標準溶液をビ
ュレットから滴下して滴定する。
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例題 51.
次の溶液の pH を整数値で求めよ
②
0.100 mol/ l の硫酸 10.0 m l と 0.100 mol/ l の水酸化ナトリウム水溶液 20.3 m l を混
ぜた溶液
② 0.2mol/l の塩酸と 0.2mol/l の酢酸を同体積混合した溶液
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例題 52.
食酢中の酢酸濃度を求めるために、次のような実験を行った。
食酢 10.0ml をメスピペットを用いてメスフラスコにとり、蒸留水を加えて 100ml に薄め
た。次にこの薄めた溶液 10.0ml を別のメスピペットを用いて三角フラスコにとり、メチル
オレンジ水溶液を2滴加えた後、0.100mol/l 水酸化ナトリウム標準溶液をビュレットから
少しずつ滴下していき、指示薬の色が変わる点までに要した体積を求めた。なお、ピペッ
ト、ビュレット、三角フラスコは内部が蒸留水でぬれていたので、それぞれ中に入れる溶
液で 2、3 回洗ってから使用した。
問1 上記の実験操作の中で誤っている点を指摘し、その理由と、どのように改めたらよい
かを書け。
問 2 正しくない点を改めて実験を行ったところ、水酸化ナトリウム水溶液 5.35ml を要し
た。食酢中の酢酸の重量パーセント濃度を求めよ。ただし、食酢の比重は 1.02、食
酢中の酸はすべて酢酸であるとする。
問 3 次の①~⑤のようなことがあったのに気づかずに実験したと仮定する。食酢中の酢酸
濃度の測定値が正しい値より小さくなる可能性があるのはどれか。
①食酢をとるのに用いたメスピペットの真の排出液量が、10.00ml よりもいくらか大き
かった。
②食酢を薄めるのに用いたメスフラスコの真の容量が、100ml よりもいくらか大きかっ
た。
③滴定に用いたビュレットの真の排出液量が、目盛り値よりもいくらか大きかった。
④水酸化ナトリウム標準溶液の濃度が 0.100mol/l よりもいくらか薄くなっていた。
⑤滴定中にビュレットのコックがゆるんで、水酸化ナトリウム水溶液が少し染み出た。
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例題 53.
塩化カリウムを不純物として含有する炭酸カリウム(X とする)の純度を検定するために、
次の手順で実験を行った。
よく乾燥させた 1.00g の X を 10ml の水に溶かし、メチルオレンジを指示薬として
0.5mol/l の塩酸を用いて滴定したところ、( ① )に変わるのに 25.0ml 要した。このと
き消費された塩酸の量は( A )×10-3mol である。一方、この中和滴定で起こる化学
反応は次式で表される。
(
②
)
ここで、炭酸カリウムは塩酸に対して( ③ )価の塩基として反応したことになり、
従って、塩酸と反応した炭酸カリウムの量は( B )×10-3mol となる。このことから X
の純度は( C )%となる。
問1
空欄①~③に適当な語句、数、または反応式を記入せよ。
問2
空欄 A~D に当てはまる数値を有効数字 3 桁で記入せよ。必要であれば次の原子量
を用いよ。C(12) O(16) K(39)
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例題 54. 逆滴定
0.200mol/l の酢酸水溶液 10.0ml に、ある量のアンモニアガスを完全に吸収させた。つい
で、0.100mol/l の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ 3.28 ml を要した。酢酸水溶液
に完全に吸収されたアンモニアガスの標準状態における体積(l)を有効数字 2 桁まで求めよ
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例題 55. 二段階滴定
塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムの混合物がある。この試料 1.00g
を水に溶かし、フェノールフタレイン溶液を加えて 0.100mol/l の塩酸で滴定したところ、
36.0ml で無色になった。これを第一当量点とし、さらにメチルオレンジ水溶液を加えて滴
定を続けると 44.5ml で赤橙色に変わった。これを第二当量点とする。
塩化ナトリウムは酸・塩基滴定には無関係として、試料中の水酸化ナトリウムと炭酸ナ
トリウムの重量パーセントを求めよ。必要があれば次の原子量を用いよ。
H (1.0) C (12) O (16) Na (23)
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