勧誘事例

勧誘事例
事例1
平成26年7月頃、株式会社ティーズ・コポレーション(以下、事業者という。
)
の営業員甲は消費者A宅を訪問した際、真の訪問目的が寝具の売買契約の締結で
あったにもかかわらず、応対したAに「以前、○○という会社から布団を購入さ
れていませんか。うちの会社は騙された人のところを回っている日本メンテナン
ス寝具といって、騙されて買った布団を下取りしている。
」
「○○社から購入した
布団を見せてください」などと告げ、真の訪問目的や正規の会社名などを告げな
かった。
Aは、甲を布団がある部屋まで案内したところ、「見ていてください」と言っ
てから、ハサミで布団を切り裂き、布団の中から板状の発泡スチロールを取り出
し、「こんなものを入れた布団がありますか、この布団を5万円で下取りし、う
ちの1組20万円以上する布団を15万円で出します。」と告げてから、携帯電
話で営業員乙に連絡した。
直ぐに袋に入った布団を持った乙が訪れたが、Aが「そんな高い布団は買うこ
とはできない」など購入を断ったところ、甲と乙は「現金でなくてもいいですよ、
カードで分割や後払いでも構わない」「枕やカバーをサービスするし、お使いの
布団のクリーニングをサービスします」などと長時間に亘って勧誘を続けていた
が、最終的に「カードのリボ払いなら毎月の支払いはたいしたことがない」など
というセールストークに根負けし、家族の分を含め3組の布団の売買契約を締結
した。
甲と乙が帰った後、Aは帰宅した夫に相談したところ、契約書の社名が営業員
の説明した日本メンテナンス寝具ではなかったことや、7 月であったにもかかわ
らず契約日が 6 月と記載されていたことなどから不審に思い、翌日に消費生活セ
ンターへ相談してクーリング・オフの手続きを行った。
事例2
平成27年11月頃、消費者Bが畑仕事に出ようしたところ、玄関先に事業者
の営業員甲が立っており、Bに「以前布団を買われたでしょう。何年か経ってい
ますので無料で交換してあげますよ」と告げた。
Bは畑仕事に行く途中でもあり、「出しにくい所にしまっていますので結構で
すよ」と断ったところ、甲は「自分たちで出すのでいいですよ」とBの承諾を得
ることなくB方に上がり込み、携帯電話で呼び寄せた営業員乙と共に、B方の奥
まった場所にある押入れから、布団袋入りの3組の布団を屋外まで運び出した。
その後、甲と乙は、袋入りの布団をB方まで運び込んだ後、居間で契約書の作
成を始めたことからBが、「無料で交換すると言ったじゃないですか」と言った
ところ、乙は「掛布団は無料だが、敷布団は有料ですよ」と説明した。
Bは納得できず、「ただじゃないなら要らない」と断ったものの、病気療養で
入院していた長男が帰ってきた時のために、新しい布団が必要という思いから、
1 組の掛布団と敷布団の売買契約を締結したが、契約日から10日ほど経ったこ
ろ、事業者が引き取っていった3組の布団のうち 1 組をお客さん用として返して
もらうよう電話連絡したところ、「既に処分していますが、下取りした布団から
きれいな物を 1 組送ります」と言われ、後日、郵送されてきた。
月末に商品代金の支払いのため、地元の郵便局を尋ねた際、局員から消費生活
センターへの相談を勧められたため、地元の消費生活センターに相談してクーリ
ング・オフの手続きを行った。
事例3
平成25年10月頃、事業者の営業員甲が消費者C方を訪問し、
「○○という
会社の布団を使っているお客さんのところを回って、布団の交換を行っています」
「綿の布団は重たく冷たいので、軽くて暖かい羽毛布団と交換してあげます」な
ど説明したことから、Cは無料の布団交換と思って交換を了承したが、遅れて訪
問してきた営業員乙から「交換すると言ったけど、無料ではない」などと言われ、
15万円の商品名「ドリーム」1組を販売業者の名称「日本メンテナンス寝具」
とする契約書を作成して購入した。
平成27年2月頃、C方を営業員乙が訪問し、「2年前に日本メンテナンスか
ら羽毛布団を買われていませんか、あの会社の布団は羽毛が飛び出したりすると
いう苦情がおおいので、私のところが布団の交換をして回っています」などと告
げた。
Cは、前回の無料で布団を交換してもらえるという説明を信じて失敗したこと
思い出し、
「部屋が散らかっているし、布団に問題はない」と伝えたところ、営
業員乙が「私たちが確認してあげますよ」と言ってから、Cの承諾を得ることな
くCの寝室まで上り込み「やっぱり羽毛が出ていますね、肌布団と掛布団は交換
した方がいいですよ」と告げた。
Cが「交換は、ただですよね」と尋ねたところ、甲と乙は「布団の生地代はい
ただきますよ」と言ってから契約書類の作成を始めたため、「ただじゃなければ
いりません」と断ったが、甲と乙は「こんな布団に寝ていたら体に悪い」などと、
1 時間近く勧誘を続けられたことから、根負けしたCは、肌布団と掛布団を20
万円位で購入した。
営業員が帰った後、年金の中から布団代金を捻出することが困難と考えたCは、
契約書類に記載されていたクーリング・オフの説明を読み、事業者に電話でクー
リング・オフの意思を伝えた。
2~3日後、甲がC方を訪問してきてクーリング・オフの理由について尋ねた
ため、Cは払いが困難と説明したところ、
「布団を使用しているので解約できま
せん」などと申し述べた上で商品代金の減額を提案してきたが「それでも支払え
ない」とCが告げたところ、「掛布団を解約して肌布団だけ5万円にします」と
クーリング・オフに応じることなく、新たに肌布団のみの売買契約を締結した。
事例4
平成25年10月頃、営業員甲が消費者D方を訪問し「前に○○という会社か
ら布団を買われましたね。○○社の商品は色々と苦情が多く寄せられているため、
寝具の協会が補助金を出して交換している。無料で布団を交換します。」と説明
した。
Dは無料で交換できるならと思い、甲に2組の交換を依頼したところ、甲から
連絡を受けた乙が布団を搬入した上、契約書を取出しながら、「生地のシルク分
だけは料金をいただきます」と言ったので、Dが料金を確認したところ「2組で
すので30万円です」と言われた。
Dは、高額な料金に驚いたものの、
「高額なだけ質の良い布団なんだ」と思い、
甲乙から勧められるままに売買契約を締結した。
Dは、購入した布団を使用したところ、布団の中の羽毛に偏りがあり膨らみが
ないために保温性がなく、敷布団も潰れた感じがして寝心地が悪かったことから、
「この布団は新品なのだろうか」と不信感を持った。
Dは、事業者に電話連絡したところ女性従業員から「担当者に連絡して対応し
ます」という回答を得たが、その後、事業者から連絡がなかったことから「初め
てあった営業員の言葉を簡単に信じた自分が一番悪い、料金の30万円は、今後
の勉強代として諦めよう」と思い、その後、事業者との交渉は行っていない。
Dが購入した布団は、事業者が平成25年8月以降に仕入れ事実がない商品で
あり、平成25年10月頃の勧誘時に、甲と乙からは「商品が中古品である」と
の説明はなく、Dも「中古品という説明を受けていれば購入してはいなかった」
と申し述べている。