赤淵川・ゴルジュ

富士山麓
赤淵川・ゴルジュ
い。いくら静岡で暖かい地とはいえ 6 月に
泳ぐとなるとさすがに冷たそう。覚悟を決
めて泳ぎだす。淵から這い上がり先に進
メンバー:三井、森屋
む。
遡行日:2015年6月14日
一旦ゴルジュが切れるがすぐまたゴルジュ
地形図:
帯となる。小滝の先に 5m 程の滝。近づい
てみると瀑水横のクラックにカムが残置さ
富士市の東部、沼津市との市境に赤淵川
れている。T会が登った時に残置したもの
という川がある。
だろうか。
雨が降らなければチョロチョロと水の流れ
そのカムにスリングをかけてのし上がり、
ている何という事もない川なのだが先日、
もう一本のカムを噛ませて落ち口の上に
ある沢をNetで検索していた時全く偶然
上がる。
にこの川の中流部にゴルジュがあり遡行し
残置されたカムを回収しようとしたがびく
ている記録を見た。
ともしないので諦める。(そんなに簡単に
「えー、まさかあの川にゴルジュ?」と俄か
回 収 で きる な ら残置 する ハズはな いし
には信じられない。が、Y会のその遡行記
ね。)
録には確かに淵を泳いでいる写真などが
ゴルジュは溶岩流でできたもので黒いつ
数点載っている。何とも信じ難いが「これ
るつるの岩でできていて少し怪しげな雰
は行って確認して見なければ…。」
囲気も感じられるのがいい。ただ、両岸は
という事で早速計画したがこの計画に森
余り高くはないので威圧感はなく気分的
屋君が乗ってくれた。
には楽だ。
次々と泳ぐ淵が現れるが森屋君が先に泳
桑崎(かざき)の集落から舗装された狭い
ぎ、ツルツルの落ち込みの所を長い手足を
林道に入る。林道は赤渕川に沿っていて直
使ってうまく這い上がり、僕は森屋君のお
にY会の記録で入渓点になっているとお
助けロープで引き上げられる、という図式
ぼしき所に出る。ここまで自宅から 30 分も
でクリアしていく。
かかっていない程の近さで、本当に「こん
遡行は楽しいのだが今の時期濡れるのは
なところに…。」の思いは消えない。
やはりキツイ。震えが止まらない。
路肩に車をとめ、支度を済ませると灌木の
目の前に大釜のある 8m の滝。直登は無理
生えた斜面を下って沢に降り立つ。
で左岸からの巻き。薄っすらとした踏み跡
沢は薄暗く浅いゴルジュになっていてそ
があった。
れらしい雰囲気はある。すぐ淵になってい
小滝を連続して落としているゴルジュを通
て腰くらいの水深で進むとその先が更に
過していくと再び大釜を従えた 8mの滝。
深い淵で、ここは泳がないと通過できな
先ほどとよく似た滝で、ここも左岸からの
巻きとなるがここは少々悪い巻きで、滝を
越えたところで 20m の懸垂で沢床に降り
る。
沢は淵のあるゴルジュがまだ続いていて
それらを次々と越えて行くと三たび大釜
の 8mの滝。ところがこの滝は枯滝になっ
ている。
右岸から巻くとやはりその先は涸れ沢。苔
むした岩がゴロゴロとしている。どうも沢
はここまでの雰囲気。その先の枝沢を左
に取ると林道の橋がありそこから林道に
あがった。
林道をトコトコと歩いて行くと 30 分もかか
らず車に戻り終了。
中々楽しい沢だった。森屋君も「面白かっ
たですね。」と。
まさか家から 30 分足らずの所にこんな沢
があるとは…。正に灯台基暗し。
ゴルジュ突破のトレを兼ねて、暑い時期に
水遊び感覚でまた来てみようか、と思い
ながら早めの帰途につく。