見どころガイド - 三菱一号館美術館

世界に一つだけの服
PARISオートクチュール ―世界に一つだけの服
見どころガイド
19 世紀後半のパリで誕生したオートクチュールは、顧客の注文に合わせてデザイナー主導で作られる
高級仕立服です。
本展は、ガリエラ宮パリ市立モード美術館館長オリヴィエ・サイヤール氏の監修で、
2013 年にパリ市庁舎で開催された展覧会を、当館に合わせて再構成したもので、オートクチュールの
始まりから現代に至る歴史を、
ドレスをはじめとする約 130 点を通して展覧します。
オートクチュールのドレスは、
1950 年代頃まで、
富裕層の女性たちによって、
時間帯や社交界の催しに
応じて着用されていました。
現在目にする機会としては、コレクションのファッションショーとレッド
カーペットでの著名人による着用がよく知られています。
ここでは、
出品作品から、
2点を取り上げて紹介します。
下記の作品を含め、
それぞれのドレスがどのような
場でどのように着こなされたか、
ぜひ想像を巡らせて、
本展鑑賞をお楽しみください。
クリスチャン・ラクロワ イヴニング・アンサンブル
《クー・ド・ルーリ》1991 年秋冬
クリスチャン・ディオール イヴニング・ドレス
《パルミール》1952 年秋冬
ウールにシュニール糸、
金ラメのニット、
絹ジャガード、
絹オーガンザ
絹サテン、
パール・ビーズとスパンコール、
ラインストーン、
レーヨン糸、
ラメ糸の刺繍
手編みされた黄色と黒の現代的な半袖ニットと、約7
メートルもの布地を用いたロングスカートのアンサン
ブルです。
スカートの大振りのモチーフは、オートク
チュールの創始者である、
シャルル=フレデリック・
ウォルトへのオマージュ
で、
また、
19世紀に流行
した腰部が 膨らんだ
バッスルスタイルが取り
入れられています。
ニッ
トとスカートに異なる
時代の趣向が織り交ぜ
られています。
本作は、英国エリザベス女王の義理の伯母にあたる
ウィンザー公爵夫人が注文したとされています。
この
ドレスを含め、本展で多く展示されている
「イヴニング・
ドレス」は、晩餐会、
パーティー、観劇等で着用され、
女性の夜間の正装です。
丈は通常、
くるぶしより下の長さ
とされており、
本作も当初のデザインは床に届くほど
長い丈でしたが、注文主の身体に調和させるために
短く変更されました。
豪華な刺繍が特徴的で、上部には作品名の《パルミー
ル》
とも連動するシュロ
(palm)
の葉の模様があしらわ
れています。
大戦後の 1947年にディオールが発表した、
曲線を多様し、
丸みを帯びたシルエットで女性性を打ち
出したこうしたドレスは、
当時の
『ハーパース・バザー』
誌編集長、
カーメル・スノーによって
「ニュー・ルック」
と呼ばれ、
大流行しました。
ウォルト イヴニング・ケープ
1898-1900 年頃
絹ベルベット、
縄編みの絹リボンの
アップリケ、
絹モスリン、
機械レース
裏面も含め掲載の作品は全てガリエラ宮パリ市立モード美術館蔵
裏面にはジュニア版を掲載しています。あわせてお楽しみください。
発行 三菱一号館美術館
編集 三菱一号館美術館 教育普及
©2016 三菱一号館美術館