プロトケラチウム レティキュラータム(渦鞭毛藻) (Protoceratium reticulatum) 回転しながら、 比較的まっすぐ泳ぐ 殻を押しつぶすと、殻の網目模様が観察し易い 上殻 (小さい) 横溝の位置 (中央より上) 遊泳方向 下殻 (大きい) 腹面 横溝の段差 (幅と同程度) 縦溝 (幅広い) 腹面 殻表面の網目模様 大 きさ 長さ30∼53μm、幅28∼43μm 形 態 色は茶褐色。細胞は楕円形∼卵形で、横溝は細胞の中央よりも上方にあり、上殻 (じょ うかく :横溝より上の部分) がやや小さく、下殻 (かがく :横溝より下の部分) がやや大きい。 横溝の段差は幅と同程度である。横溝、縦溝とも幅が広い。殻は厚く、表面に特徴的な 網目模様をもつ。 ゴニオラックス目の他種とは、横溝の位置や殻表面の網目模様などで 区別できる。 動 き 回転しながら比較的まっすぐに泳ぐ。転がるような動きはほとんどしない。 漁業への影響:イェッソトキシン (YTX) と呼ばれる貝毒を産生し、 二枚貝を毒化させる。YTXは、 もともと下痢性 貝毒に分類されていたが、最近になって下痢を引き起こさないことが判明し、下痢性貝毒とは区別して脂溶性 貝毒と呼ぶ動きがみられている。 漁業被害:県内で養殖された二枚貝でもYTXの蓄積は確認されているが、 食中毒を引き起こした事例はない。 発生海域:伊勢湾∼熊野灘沿岸 発生時期:6∼7月頃 41
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