国産コーヒー栽培と課題 - 沖縄コーヒー生産組合

国産コーヒー栽培と課題
コーヒー栽培者
石関
沖縄珈琲生産組合でコーヒー
栽培に関する研究をしており
ます 石関 と申します。
国産コーヒー栽培について紹
介させて頂きます。
【世界の珈琲生産地と日本】
【もっと良い品種ないかな?】
【コーヒー栽培者の栽培法】
はじめに 世界のコーヒー生産
地は北緯 25 度 南緯 25 度のコ
沖縄においてコーヒーの品種
2015 年現在
ーヒーベルトと呼ばれる地域
による選抜がされていないの
栽培者の栽培法は概ね 80%が
で生産されています。
で、現在のブラジル産アラビカ種
露 地 栽 培 15 % が 森 林 栽 培
これは、コーヒーの生育環境が
よりも適したものがあるので
5%がハウス栽培といったとこ
概ね平均気温 20℃、年間降雨量
はないか ということで新しい
ろです。
2000mm が適しており暑い地域
品種の栽培にチャレンジして
では高地栽培されております。
おります。
沖縄は北緯 26 度なので最北限
台風対策のための低樹高の矮
になりますが古くから沖縄と
性種やサビ病対策のロブスタ 種
小笠原ではコーヒー栽培され
また様々なアラビカ亜種を試
それぞれにメリットとデメリ
ていました。近年は屋久島でも
験栽培中です。
ットはありますが、安定生産を
沖縄のコーヒー
コーヒー栽培に成功し日本で
するのであれば、ハウス栽培が
の北限が上がっております。ま
一番適しており次に森林栽培
た本土では耐寒性がある品種
が良いと思います。但し森林栽
を導入し無加温ハウスで実験
培でも地形的に強風の影響が
している方もおります。
軽微なところでは安定生産が
可能であります。
【国産コーヒー栽培の課題】
露 地 栽 培
沖縄や小笠原では昔からコー
ヒー栽培されているのに産業
として発展しないのは毎年来
る大型台風があるからです。コ
ーヒーは風に大変弱く防風対
策をしても必ず被害が出てし
まいます。安定生産にはこの台
風対策が必要になってきます。
右写真(上)ではコーヒーの樹
高が 2mに対しハイビスカスを
コーヒーの木
防風柵(ハイビスカス)
幅 80cm
高さ
250cm
2.5mの高さにして木を守って
います(耐風速 30m/s)
森 林 栽 培
右写真(中央)は森の中でコー
ヒーを育てています。周りの
木々が防風林になり完璧な台
風対策になります。
しかし、コーヒーは陰樹ではあ
りますが、森の中なので光量不
足になる点と既存植物とのア
レロパシーの問題があり、栽培
者は今後観察しながら解決し
ていきたいとの事でした。
コーヒーの木
右写真(下)はハウス栽培です。
沖縄でのハウス栽培は冬場に
加温する必要はなく通常は防
風ネットを張り台風時にビニ
ールを下げるW方式です。ハウ
ス栽培は照度のコントロール
できる点が良く 5 万ルクス前後
の調整がベストだと思います。
欠点は夏場の温度上昇と風通
しですがコーヒーの生育適温
は 25℃ なのでハウス内温度を
下げる工夫が必要になります。
ハウス 栽 培