ー 地域の作物作付の現状、 地域が抱える課題

西会津町水田フル活用ビジョン
1 地域の作物作付の現状、地域が抱える課題
本町では、一部の平坦地を除いて山間部に位置する農地が多く、効率的な農地利用に
不利な地理的条件下にあるものの、中山間地域等直接支払制度や多面的機能支払制度を
活用しながら、地域ぐるみで農地の保全に取り組んでいる。
また、本町の気候風土は稲作に適しており、良食味米が生産されることから、古くか
ら水稲が農業経営の中心であり、現在でも水田面積の約70%が水稲単作地帯となって
いる。
こうした一方で、農家の高齢化の進行とともに農家戸数が減少しており、不作付地の
拡大を防ぐためにも担い手の確保が求められている。
また、主食用米の消費減少と米価の下落傾向に対応するため、需要に応じた計画的な
生産を基本としつつ、転換作物の作付の定着化にも一層取り組んでいく必要がある。
2 作物ごとの取組方針
町内の約1千h a(不作付地を含む)の水田について、適地適作を基本に産地交付金
を有効に活用しながら、作物生産の維持。拡大を図ることとする。
(1)主食用米
前年の需給動向や集荷業者等の意向を勘案しつつ、従来から取り組んできた品質及び
食味向上のための栽培管理の徹底と、減農薬減化学肥料による特別栽培米等の生産拡大
に一層取り組み、消費者が求める売れる米づくりを徹底することによって町の主幹作物
としての地位を確保する。
(2)非主食用米
本町では湿田が多く、麦や大豆などへの畑作転換が困難なことから、現有の機械設備
が活用できる備蓄米や加工用米について需要の範囲内で生産枠を確保して作付の推進を
図る。
ア 飼料用米
飼料用米への取組みに関心を示す農家がいるものの、多収性専用種子の調達先や、
需要動向が掴みきれない等の理由により、取組みが行なわれていない現状にあるが、
一般米でも取組が可能であり、輸入トウモロコシの代替として配合飼料メーカー等の
需要が見込まれることから、産地交付金を活用した団地化等の低コスト生産の推進
を図りながら、関係機関“団体との連携により、全国流通を中心に地域の畜産業者の
実需に即応できる生産の取組を推進する。
イ WCS用稲
WCS用稲については、町内畜産農家からの実需があることから、今後も需要に
応じた生産枠を確保する。
ウ 加工用米
加工用米は、本町での取組みは浅いものの、現有の機械設備が活用でき、主食用米
の需給調整機能としても有効であることから、稲作経営の安定化を図るため、産地
交付金を活用した団地化等の低コスト生産の推進を図りながら、実需と結びついた
地域流通加工用米の取組を推進する。
エ 備蓄米
備蓄米は、加工用米同様、現有の機械設備が活用でき、主食用米の需給調整機能と
しても有効であることから、稲作経営の安定化を図るため、実需に応じた取組を推進
する。
(3)大豆
湿田が多く排水対策が困難な本町では、大豆の生産に適していないことから、産地化
は見込めないが、一部の農業者が取組んでおり、今後も自家消費及び直売のほか、味噌
等への加工など、地産地消と連携した取組みにより作付と所得の確保を図る。
(4)そば
土地利用型作物であるソバは本町の転作作物の中心作物であり、農地の保全にも重要
な役割を果たしていることから、今後も産地交付金を活用した団地化の推進により生産
性の向上を図るとともに、町内の飲食店や地域おこし事業による地産地消や、加工団体
による商品開発と連携した実需の開拓と収益性の向上を図りながら産地化を推進する。
(5)野菜等
①地域振興作物(キュウリ、アスパラ、トマト、ネギ、シイタケ、キクラゲ)
中山間地域を多く抱える本町では、規模拡大による経営の効率化に限度があること
から、キュウリ、アスパラ等の園芸作物や、シイタケ、キクラゲ等の栽培による経営
の複合化を進めているが、元来、自家消費を中心としてきた本町の畑地は未整備地が
多く、効率的な土地利用に適していないため、基盤整備された水田を有効に活用して
これらの生産振興を図る。
とりわけ、健康な土づくりに着目したミネラル栽培野菜は、本町の農業振興の柱で
あるとともに、町民の健康づくり施策と一体となった重要作物であることから、特に
振興を図る作物として産地交付金を活用して重点的に生産拡大を図る。
②その他作物(その他野菜、花き、雑穀等を含む)
直売所のほか、学校給食センターや福祉施設等が求める品目を季節に応じて安定的
に供給する必要があることから、地域振興作物以外の作物についても従来枠のなかで
産地交付金を活用して生産拡大を図る。
(6)不作付地の解消
これまでに累計約160h aの不作付地で改善計画が作成され、うち23h aが改善
されたものの、山間の条件不利地での作付再開は難しく、高齢化の進行により不作付地
の拡大が見込まれるため、作付の再開しやすい圃場を担い手に集積するとともに、産地
交付金を活用した景観形成、地力増進、作物作付への誘導を図り、不作付地の拡大防止
に努める。(H25年:137h a→H28年:131,8h a)
3 作物ごとの作付予定面積
作 物
平成25年度の作付面積
平成27年度の作付予定面積
(ha)
主食用米
(ha)
649.4
加工用米
大豆
そば
(74.0)
1.5
(80.0)
40.0
12.1
“きゅうり(ミネラル)
“ネギ(ミネラル)
3.81
1.0
1.0
0.6
“アスパラ(ミネラル)
0.6
0.5
42.0
15.2
3.7
“トマト(ミネラル)
・アスパラ
2.5
1.2
35.5
“きゅうり
5.0
2.3
1.2
その他地域振興作物
6.0
4.0
2.3
(66.8)
5.7
6.0
2.7
飼料作物
5.3
4.5
0
WCS用稲
644.0
5.0
21.6
飼料用米
(ha)
648.0
0
備蓄米
平成28年度の目標作付面積
4.0
1.1
0.6
0.6
0.6
0.8
1.0
1.4
18.0
1.5
1.0
1. 8
“シイタケ
0.2
0.2
0.2
“キクラゲ
0.1
0.1
0.1
“その他野菜(ミネラル)
“その他野菜
0.7
0.4
1.0
1.0
1.0
“花き
0.2
・雑穀
0.0
0.2
0.4
・山菜
1.5
1.5
1.5
“地力増進作物
・景観形成作物
合 計
0.0
1.2
724.8
※そばの上段()書きは、畑地の作付面積
0.5
1.5
0.0
2.2
726.2
0.5
0.5
3.0
730.0
4 平成28年度に向けた取組及び目標
取組
対象作物
番号
1
取組
※
そば
アスパラ
4
平成25年度
イ
きゅうり
平成27年度
(予定)
実施面積(ha)
ミネラル栽培基準 に従った作付
きゅうり (ミネラル栽培)
ミネラル栽培基準 に従った作付
トマト (ミネラル栽培)
ミネラル栽培基準 に従った作付
アスパラ (ミネラル栽培)
3
指標
(現状値)
団地化の推進
ネギ (ミネラル栽培)
2
分類
ミネラル栽培基準 に従った作付
産地振興作物 による産地化
産地振興作物 による産地化
ア
ア
平成28年度
(目標値)
6.5
16.0
1,0
ウ
実施面積(ha)
ウ
ウ
実施面積(ha)
実施面積(ha)
3,7
0.6
3.8
0.6
4.0
0.6
ウ
実施面積(ha)
0.6
0.6
0.8
作付面積(ha)
1.4
作付面積(ha)
0.5
1.0
18.0
1.5
1.0
1.1
1.8
1.0
シイタケ
産地振興作物 による産地化
ア
作付面積(ha)
0.2
0.2
0.2
キクラゲ
産地振興作物 による産地化
ア
作付面積(ha)
0.1
0.1
0.1
加工用米の生産性 向上の取組
ア
加工用米
飼料用米
飼料用米の生産性 向上の取組
ア
実施面積(ha)
0.0
実施面積(ha)
0.0
5.0
6.0
※「分類」欄については、要綱(別紙10)の2(5)のア、ィ、ウのいずれに該当するか記入して下さい。
(複数該当する場合には、ア、ィ、ウのうち主たる取組の記号をいずれか1つ記入して下さい。)
ア 農業“農村の所得増加につながる作物生産の取組
イ 生産性向上等、低コスト化に取り組む作物生産の取組
ウ 地域特産品など、ニーズの高い産品の産地化を図るための取組を行いながら付加価値の高い作物
を生産する取組
5 産地交付金の活用方法の明細
別紙のとおり
5.3
6.0
【対象作物一覧】
(単位:円)
使 途
対象作物
単価(10a当たり)
そば団地化加算 (40a以上の団地化)
(水田)そば
(畑地)そば
25,000
5,000
アスパラ、キュウリ、トマト、ネギ
ミネラル野菜振興助成
(A)
40,000
(B)
小豆、インゲン、ウド、カボチャ、キャベツ、ニラ、ホウレンソウ
その他の野菜・雑穀
アスパラ、キュウリ、キクラゲ、シイタケ
その他一般野菜振興助成
(A)
(B)
アサツキ、小豆、インゲン、サトイモ、ニラ、ニンニク、落花生
ミョウガ、エゴマ、ゼンマイ、タラノメ、フキ、ワラビ、ケイソウ
25,000
トルコギキョウ、その他の野菜・雑穀・花井・山菜・きのこ類
地力増進・景観形成作物助成
アヤメ、コスモス、菜の花、ヒマワリ
その他の地力増進・景観形成作物
加工用米・飼料用米助成
加工用米、飼料用米
4,000
5,000