ビジネスニュースレター 2015 年 10 月号 日 頃 は「ビジネスニュースレター」をご愛 読 いただき、誠 にありがとうございます。 今月号は、【中国において「B2C 越境 EC」の人気が高まる!~中国国内のユーザーがネットを通じて海外の商品を 直接購入~】 と 【改正労働者派遣法がスタートします!】 をテーマにとりあげています。 中国において「B2C 越境 EC」の人気が高まる! ~中国国内のユーザーがネットを通じて海外の商品を直接購入~ もうすぐ 2015 年 11 月 11 日がやってきます。中国では、「11.11」を独 身の日(双 11)と呼んでいます。なんとその名付け親は民間企業であり中 国電子商取引大手のアリババグループです。アリババグループは 2009 年、 「天猫」(当時の「淘宝商城」)という EC サイト名を消費者に浸透させるため に覚えやすい 4 つの 1 が並ぶこの日を祭日として選定しました。 11 月 11 日は、中国の国慶節とクリスマスの中間にあり、特別なイベント 以下は中国最大手の越境EC「Tmall GLOBAL(天猫国際)」に出 店する場合の流れ及び主な費用について説明します。 1.出店の流れ 天猫国際への出店の流れは下記の(図 1)を参照下さい。 (図 1)天猫国際への出店手順 が無い時期ですし、気温も下がり冬物を購入する絶好のタイミングでもある ので、今やこの日はアリババグループのみならず、ネット通販各社や小売 店までもが大規模なセールスイベントを開催するようになりました。 昨年、テレビ東京の「ガイアの夜明け」でも日本企業の「11.11」に対する 取り組みが紹介されましたが、この日アリババグループの取引額はなんと1 兆円を超えています。現在も中国のネット通販市場は拡大を続けており、 日本でも中国の EC ビジネスに注目が集まっています。 こうした中、最近では中国国内のユーザーがネットを通じて海外の商品 を直接購入するといういわゆる「B2C 越境 EC」の人気が高まっています。 アリババグループからも「Tmall GLOBAL(天猫国際)」という「B2C 越境 EC 」 向けのフラットフォームが提供されています。 「B2C 越境 EC」の場合多くは、国際配達及び国際メール便で中国国内 に配送されるので、購入した商品も日常用品が多く、消費者の個人利用と 審査をクリアしなければ出店できない状況です。 2.主な費用 いう取り扱いで通常通関とされないメリットもあります。 出店における「越境 EC」と「通常の EC」の違いについて下記の表 1 を参 天猫国際へ出店の費用について以下の(表 2)を参照下さい。 (表 2)天猫国際へ出店の費用 照して下さい。 (表 1)「越境 EC」と「通常の EC」の相違点 項目 中国国内に出店する場合 越境 EC に出店する場合 出店 法人 銀行 口座 中国法人 (中国国内の営業許可証が必要) 海外法人 中国国内口座 海外口座 販売 中国国内販売 配達 ※現時点において「完全招待制」を採用しており、非常に厳しい 中国国内倉庫⇒消費者 海外から中国への直接販売 海外倉庫⇒消費者 又は海外倉庫⇒保税区⇒消費者 上記の(表 1)から見ると、中国国外の企業にとって主なメリットは以下 の二つです。 ①中国で法人を設立する必要がありません。 ②中国で販売ライセンスが取得困難なものを販売可能です。 また、デメリットとして以下の二つが挙げられます。 ①政策、天気などが物流時間に影響する可能性があります。 ②配達中の品質管理、品物の紛失が出て来る可能性があります。 保証金 25,000 米ドル 技術サービス費用 (商品によって異なる) 基本料金 : 5,000~10,000 米ドル 変更料金 : 売上の 1.5%~6% (1%の ALIPAY 手数料を含む) 日本の経済産業省が発表した「電子商取引に関する市場調査」 によると、2014 年中国国内における日本からの EC 経由商品購入 額は 6064 億円(アメリカからの商品購入額は 6290 億円)となっ ており、2018 年には 1.3 兆円(アメリカは 1.4 兆円)になる見込み です。更に、Accenture 社が発表した「グローバル越境 B2CEC 市 場レポート」にも、2014 年中国越境 B2CEC 市場の全体規模は 210 億ドル、2020 年に 2450 億ドルと見込んでいます。 最近では「爆買」と称される中国人の消費意欲に対してインバウ ンドビジネスが盛んになっていますが、一方で「B2C 越境 EC」への 参入を検討する日本企業も増加しています。 上海事務所 楊 改正労働者派遣法がスタートします! 企業の寿命は 30 年と言われています。激動する時代に柔軟に対応していく必要性がある中で、中小企業の場合 30 年を超えて事業を継続させるためには、その事業の中心となってきた経営者の交代も必要となります。経営者が交代 するということは、まずは次世代の経営者を適切に選択することが重要です。 2 度にわたって廃案となっていた労働者派遣法が 3 度目の正直で成立しました。施行日は平成 27 年 9 月 30 日からです。今回は平成 27 年 10 月 1 日から施行される『労働契約申し込みみなし制度』も含めて、概要を紹 介致します。 この度、改正労働者派遣法が成立しました。施行日は平成 27 年 9 月 30 日からです。派遣労働者の保護を目的に 改正が行われたものですが、派遣を受け入れる際になにが変わるのでしょうか? 1)派遣労働者と派遣先社員の均衡待遇の推進(配慮義務) 派遣労働者に対しても派遣先社員と同等の教育訓練を受けさせることや福利厚生施設の利用機会を与える ことなどの配慮義務が定められました。配慮義務とは、目的の実現に向け具体的に取り組むことが求めら れるものであり、努力義務よりも強い責務が課されるものとされています。 2)期間制限のルール変更 現在の期間制限(=いわゆる 26 業務以外の業務に対する労働者派遣について、派遣期間の上限を原則1 年、最長 3 年)が見直されました。施行日以後に締結又は更新される労働者派遣契約では、すべての業務 に対して、派遣期間に次の 2 種類の制限が適用されます。 ①派遣先事業所単位の期間制限 同一の派遣先の事業所において、労働者派遣の受入れを行うことができる期間は、原則、3 年が限度とな ります。なお、過半数労働組合等から意見を聴取することにより 3 年を上限に延長可能です。 ②派遣労働者個人単位の期間制限 同一の派遣労働者を、派遣先の事業所における同一の組織単位(課などを想定、詳細は今後)において受 け入れることができる期間は、原則、3 年が限度となります。 3)意見聴取の手続き 上記2)①の場合、派遣先は、その事業所の過半数労働組合等に対して意見を聴く必要があります。 4)派遣労働者のキャリアアップ支援 派遣先社員の募集の際に、派遣労働者に対して募集情報を周知することなどが義務づけられました。 上記のほか、平成 27 年 10 月 1 日から施行される『労働契約申し込みみなし制度』があります。これは、違法派 遣であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合、派遣先事業主は、派遣労働者に対して、当該派遣労 働者に係る労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなす制度のことです。 違法派遣に該当するものとして、以下の 4 つを指すとされています。 ① 労働者派遣の禁止業務に従事させた場合 ※禁止業務→港湾運送業務・建設業務等 ② 無許可・無届の派遣元事業主から労働者派遣を受け入れた場合 ③ 遣可能期間を超えて労働者派遣を受け入れた場合 ④ いわゆる偽装請負の場合(請負等の名目で、派遣契約を締結せずに労働者派遣を受け入れた場合) 正しく活用すればとても有効な労働者派遣。今回の改正内容を正しく理解し、企業経営において失敗のないよう にしたいものです。 弊社ビジネスニュースレターでは、毎号、ビジネスシーンで欠くことのできない 法制度や海外進出などの最新動向、及び対応手法などを発信しております。 本書がビジネスの最新情報入手のための一助になれば幸いです。 ◆◆ ニュースレター編集委員会 ◆◆ 大谷/松本(佑)/羽淵/矯/杉山/岡本/大塚 この内容についてのお問い合わせはこちらへ Address:[email protected]
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