高まる都市住民の〝農〟への関心 地域と連携し

滝川 康治
〝農と食〟
北の大地から
連載第 139 回
耕作放棄地の再生に向けて
耕作放棄地の開墾から出発
〝農的な暮らし〟
志す人たち
畜産物の加工を体験したり、町内会の役員が語る
地域の歴史に耳を傾けた。利用可能な耕作放棄地
は 約 1 万 坪( 3 ヘ ク タ ー ル 余 り )。「 農 」を め ぐ る 体
験教室や畜産加工、野菜や穀物・果樹などの栽培、
親子の教育体験…など「自給の森」の活用に向け夢
は膨らむ。始まったばかりの講座を取材し、この
企画を担う人たちの声とともに紹介する。
暮 ら し 〟を テ ー マ に し た 講 座 を 続 け
年 間 に わ た り〝農 的 な
づくりなどを学ぶ講座「自給の森」が
墾しながら、農業や畜産物の加工品
「自給の森」講座の企画を担うために
一方、畜産物の加工なども試みる。
らは、そこで菜園や庭づくりをする
取り、土の状態などを観察。今春か
まずは2アール(約
「わたしは自給的なことに憧れがあ
しました」
のための技術を身につけたくて受講
「 将 来 は 自 給 的 な 生 活 を し た い。 そ
を取材してみた。
史 」を テ ー マ に し た、 7 回 目 の 講 座
て き た 地 元 の N P O 法 人「 あ お い と
「小別沢教育ガーデン事務局」を立ち
る。ソーラーパネルの仕事をしてい
始 ま っ た。
り 」( 永 田 勝 之 代 表 理 事 )と 小 別 沢 町
年度の
人。
上げた。スタッフは
つなげて関われるんじゃないか」
人余りで、子育て中の女
性の姿が目立つ。
と、自給的な暮らしに対する関心
2月7日、「畑をつくる」「地域の歴
る の で、『 自 給 の 森 』と 自 分 の 仕 事 を
内会
(伊部義幸会長)が連携した、地
坪)の草を刈り
◀会場の小別沢会館では座学中心のプログラムを
実施している
受講者は
もう 年近くも作物を栽培してい
な い 土 地 の 一 部 を 提 供 し て も ら い、
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札幌市の中心部から直線距離で7
キロほど、大倉山に近い西区の小別
世帯ほ
▲耕作放棄地のうち約2アールの開墾からスター
ト。枝や落ち葉を取り出す
(提供/小別沢教育ガーデン事務局)
域の再生をめざす試みである。
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沢地区は、190万都市の奥座敷の
ようなところだ。山あいに
どが暮らす農業地帯だが、後継者不
足や高齢化などで離農が進む。
昨年秋、小別沢の耕作放棄地を開
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地 域 住 民 と N P O 法 人、 都 市 部 の 住 民 が 協 力 し、
札 幌 市 内 の 耕 作 放 棄 地 を 開 墾 し な が ら〝農 的 な 暮
ら し 〟を 実 現 し て い く「 自 給 の 森 」講 座 が、 昨 年 秋
代の女
人余りの受講者は、開墾作業の
から西区の小別沢地区で始まっている。
性を中心にした
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かたわら土壌の観察や堆肥の基礎知識などを学び、
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高まる都市住民の〝農〟への関心
地域と連携し模索する自給の道
──札幌・小別沢地区の「自給の森」講座の試みから──
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ルポライター
開墾した土地に穴を掘り、土の状態を観察したり、土壌分析用のサンプルを採取した「自給の森」講座の受講者。
真剣に講師の説明に耳を傾ける(昨年 11 月 15 日撮影)
が動機で参加した人が多い。
チラシを見て札幌市東区から参加
した女性は、「土のことをシリーズで
学 べ て 良 か っ た。 牛 や 豚 の こ と も
と力を込め、期待を寄せる。
「どんな楽しいことを皆さんとやれ
るのか、ワクワクします」
と話すのは、小別沢で野菜農家を
やっている、 代の谷口めぐみさん。
「 ゆ く ゆ く は( こ の 地 で )起 業 し て 体
る。夢は膨らむ。
クタール余り(約1万坪)の広さがあ
小面積の開墾から始めたが、「自給
の 森 」に 供 さ れ る 耕 作 放 棄 地 は 3 ヘ
農に向けて研修中の女性もいる。
道南の蘭越町から参加した、新規就
講 座 が 始 ま る と 聞 い て や っ て き た。
べものを探してきた女性は、ここで
長沼町などの農家を訪ねて安全な食
アトピー性皮膚炎の子どものために、
環境を守っていく方向に展開できれ
「( さ ま ざ ま な 試 み が )小 別 沢 の 自 然
んなエールを送った。
白 い 展 開 に な り そ う だ 」と 話 し、 こ
どんどん可能性が生まれてきて、面
耕作放棄地を提供している地権者
の川股弘昇さんは、「小別沢の将来を
があるといいですね」と続けた。
やっていける仲間ができるシステム
い。一人では難しいけれど、一緒に
「 将 来 は『 自 給 の 森 』で 動 物 を 飼 い た
知 る こ と が 出 来 ま し た 」と 振 り 返 る。
験教室をやり、自給を広げていきた
ば、住民としてもうれしい。今が再
考えたのが、この集まりのきっかけ。
い。そうしたなかから新たな雇用が
生のチャンス。地域にうまく溶け込
み、小別沢を良くしてほしい」
講 座 を 切 り 盛 り す る「 小 別 沢 教 育
ガ ー デ ン 」事 務 局 長 の 永 田 勝 之 さ ん
市の助成事業も活用して
NPOと地域住民が連携
つ な が る こ と が 出 来 た。( 今 後 は )山
(1952年、浦河町生まれ)は、今
いい。本気で考えています」
を描いているので、森のアトリエも
まくいかなかった山林原野2・5ヘ
だ。購入した土地は、戦後開拓がう
「 い ろ ん な 出 会 い が あ っ て、 こ こ と
の中での子育てや、子どもたちを集
から
年ほど前に小別沢に移り住ん
めて物づくりをしたい。わたしは絵
には、5歳の娘がいる。
と、男性の受講者が声を弾ませる。
原発事故の影響から逃れるために、
福島県から札幌へ避難してきた女性
生まれて活気づくといい」
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「安全な食べ物を自分たちの手で作
農場の活動に加わった。
間、茨城県内にある
「たまごの会」
の
東京の大学で建築を学んだ永田さ
んは、北海道にUターンするまでの
を立ててきた。
り、建築設計事務所を設立して生計
クタール
(約8千坪)
ほど。廃屋を借
そのころの経験が小別沢でも生き
る。自給用の野菜を作り、家族で羊
暮らし〟の実践を重ねた。
家畜の飼育係もやりながら、〝農的な
農 場 の 建 築 ス タ ッ フ と し て 奔 走 し、
計 事 務 所 に 勤 め て い た 永 田 さ ん は、
直運動の草分けでもある。東京の設
首都圏の会員に配送した。日本の産
たり、卵や牛乳、季節の野菜などを
志が住み込みで農場の管理運営にあ
1970年代に誕生した同会は、有
ろ う 」と い う 社 会 運 動 の 一 環 と し て
も活用し、仲間たちと新しい講座に
こう考えてきた永
田さんは、市の事業
あるんじゃないか」
イ ル )的 な 生 き 方 も
生業を持つ生活スタ
農業のかたわら別の
る。 半 農 半 X( 注 =
を見いだす必要があ
新しい農業のやり方
せる手法だけでなく、
人たちを新規就農さ
れる。都市部の若い
「単なる家庭菜園のノウハウではな
取り組むことにした。
のは好きなほうだ。そこで2003
く、もう一歩踏み込んで自然の恵み
入りも多く、にぎやかなことをやる
年、 N P O 法 人「 あ お い と り 」を 設
自然や農の専門家の話にふれ、毎日
を い ろ い ろ と 生 活 に 取 り 入 れ た い。
年やった。
立 し、「 農 的 く ら し の レ ッ ス ン 」と 銘
打った講座を
の暮らしをとらえ直してみたい。実
スブックなどで受講者を募ると、
人もの応募があっ
年度は8回の講座を開催した。
すが、後継者のいない人が多い。都
「小別沢の住民のうち7戸は農家で
の助成先を募集していた。
POによる地域ネットワーク事業」
ど 札 幌 市 の 市 民 ま ち づ く り 局 が「 N
次に何をやっていくか──。ちょう
した」
NPOが協力しこの講座を準備しま
抱く方々のために、小別沢の住民と
れば入っていける…。そんな想いを
あって、少し手伝ってくれる人がい
中では無理でも近くに使える土地が
さ・豊かさをだいじにしたい。街の
わ た し は、 2 回 目 の 講 座( 月
日 )に 初 め て 取 材 に 訪 れ て い る。 会
体験になったようだ。
墾着手だったが、参加者には新鮮な
落ち葉を搬出。わずか
晩秋の 月初め、提供された耕作
放棄地の草を刈って山積みし、枝や
坪ほどの開
市化を期待した時代もあったけれど、
み、土地を切り売りする状況も見ら
今は宙ぶらりんな状態。高齢化が進
土壌や堆肥について学び
畜産物の加工体験も試みる
関心の高さを物語っている。
た。自給や「農的な暮らし」に対する
人の定員に対し
講座を企画・運営するNPO法人「あおいとり」代
表の永田勝之さん
分ほどのところに「自給の森」予定地
用 だ け で な く、 土 の 上 に い る 楽 し
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講 座 の 申 し 込 み 書 に は、 こ ん な
メッセージが記されている。フェイ
作物の播種から栽培、収穫、加工
までを体験する企画に一区切りつけ、
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場の小別沢会館から雪道を歩いて
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や豚を飼った。町が近いので人の出
自分たちで開墾した土地の広がりを体感(提供/小別沢教育ガーデン事務局)
“農と食”
がある。受講者が開墾した土地に穴
な感想を書き込んでいる。
を採取。それを会館に持ち帰り、土
腐植の状態などを観察し、サンプル
目 か ら 鱗 だ っ た の は『 家 畜 を 飼 う と
畜産を取り巻く現状について座学。
ウ フ ァ ー ム の 久 保 さ ん の 暮 ら し や、
した日本の食文化など、
世界大戦敗戦がもたら
慣であること、第2次
の文化が歴史が浅い習
そして、獣医の大場
さんの座学も。乳利用
の (ペーハー=水素イオン指数)
を
いうことは、場所さえあれば、ペッ
おいしいだけじゃない、
「 …… 作 業 と 同 時 進 行 で、 ゼ ン キ ュ
測定し、酸性・アルカリ性のどちら
トを飼うことよりも簡単。だって次
を3つ掘り、土の断面や色、表面の
に傾いているか調べた。
奥深い話が聞けました。
という久保さんのひとこと。
(売るとか、食べるとか)があるから』
開墾後、バッコヤナギとエンジュ
が1本ずつ残った。伐採するかどう
今回の講座では、土の仕組みをは
じめ、堆肥の定義や原料の確保の方
やぎやの温子さんか
らは、これまで飼って
かな、とおっしゃっていて、これか
法、小別沢で栽培可能な野菜の種類
か議論した結果、いろん
ら始めようとワクワクするだけじゃ
などについて助言した。
来た家畜とその副産物
なく、その先にあるもの、にハッと
「 始 ま っ た ば か り で す が、 農 的 な 暮
な可能性を探るためにも
しました。
会 え る の が 楽 し く、 教 え て 反 応 が
について。温子さんは
家畜を飼うことも、チーズをつく
るのも、超特別なこと、と今日まで
返ってくるとうれしい。こうしたこ
体力的にももうそろそろ山羊は卒業
思 っ て い ま し た が『 あ れ、 で き る か
とに目覚める人がいるのは、とても
らしや自給を考えている人たちと出
も 』と、 思 い 込 み が 吹 き 飛 ぶ 1 日 で
いいことですよ」(下島さん)
と手応えを感じている。
地域の歴史に学ぶ講座で
町内会役員の体験談も聴く
札幌市西区役所のホームページに
よると、小別沢はかつてアイヌの人
同町に新規参入して有機栽培に取り
組んできたが、今は小面積で自給型
たちの狩猟の場だったとされ、明治
ン 」時 代 か ら ア ド バ イ ザ ー 役 を 担 う。
まれ)。前身の「農的くらしのレッス
畑関連の専任講師は蘭越町在住の
下 島 亘 さ ん( 1962 年、 宮 城 県 生
した」
ヤナギだけを伐ることが
決まる。丁寧に話し合い
を進める姿から、受講し
た人たちの思いが伝わっ
てきた。第3回の講座で
は、そのヤナギを鋸で伐
り、木が倒れるときの実
感も体験している。
「家畜編」
。
第4〜6回は
獣医師や酪農家の女性ら
が講師役になり、現代の
畜 産 事 情 を 学 び な が ら、
豚の枝肉を解体してベー
コンやハムに加工したり、
モッツァレラチーズづく
畑部門の専任講師・下島亘さんは蘭越町内で自給農業
を営んでいる
の農業を営む。
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加者の一人が
「自給の森」
のフェイスブックにこん
検査キットを使い採取した土壌サンプルの pH を測定(11 月 15 日)
pH
りなどに取り組んだ。参
北の大地から
時代の屯田兵村設置後は兵村の訓練
地と位置づけられていたという。日
清戦争で屯田兵が出征すると、青森
や福井から炭焼きをする人たちが
バッコヤナギを手鋸で伐採。もう1本のエンジュは残して活用する(提供/小別沢教育ガーデン事務局)
年代半ばのことで、
入ってきた。農耕に従事するように
なったのは明治
たびたび発生した山火事の焼け跡を
開墾して農地に変えていった。
うような百姓になってし
きっかけをつくった。トンネルが完
初の小別沢トンネルが建設される
幌神社(現北海道神宮)に提出し、最
地域のリーダー格だった祖父は昭
和初期、トンネル掘削の嘆願書を札
を連れて盤渓地区に入植している。
井出身の農家。父母は3人の子ども
9 年、 小 別 沢 生 ま れ )の 先 祖 は、 福
よそから新規就農して
…。 土 地 を 生 か す に は、
るのが一番いいのですが
いて、地域の伝統を守れ
と思う。本当は後継者が
高齢者。いつまで農地を
者が少なく、多くは後期
「小別沢には農業の後継
まった」
成するまでは、馬で1時間ほどかけ
やっていくようにするこ
第7回講座で小別沢の歴史を語っ
た 町 内 会 長 の 伊 部 義 幸 さ ん( 193
て農産物を円山地区まで運搬するな
とで、長続きしていくん
と率直な思いを語り続
けた。
じゃないか」
維持していけるか微妙だ
ど小別沢の人たちは苦労したようだ。
小 学 6 年 生 の と き に 父 親 が 他 界。
中学卒業後の伊部少年は山奥の造材
現場で働いた。地域の農業は、種子
しをめざす人たちが、長くこの地で
用のジャガイモやカボチャ、札幌大
「 皆 さ ん( 受 講 者 )が 関 心 を 持 ち、 小
生活してきた住民と協力しあい、ど
講演後、伊部さんに「自
給 の 森 」に 対 す る 見 方 を
別沢を評価して動いており、もっと
んなプロジェクトを進めていけるの
球
(漬物用)が主流だったが、やがて
地元の人も関心を持つようになると
か──それが、これからの大きな課
聞いてみると、
松菜が使われている、という。
いい。わたしが市民農園を始めたの
題なのだろう。
葉物野菜に代わる。5年ほど前から
伊部さんは現在、180区画を有
する市民農園を営む一方、行政に対
も、人とのつながりを創ろうとした
は、市内の学校給食に小別沢産の小
する提言も続けてきた。
か ら で す。 今 後 は、 地 域 の 人 と( 受
んは、この企画を通して多くの人が
「自給の森」の核になっている永田さ
多彩な企画で2年目の講座
生産法人の設立も選択肢に
「 補 助 事 業 で( 小 石 を 取 り 出 す )除 礫
という答えが返った。農的な暮ら
いきたい」
かで、小別沢を維持し、発展させて
講 者 が )一 緒 に な っ て 考 え て い く な
年以上が経過し、ハウス
し た こ と で 畑 が 使 い や す く な っ た。
それから
家畜を飼わなくなり、堆肥や土を買
が 導 入 さ れ て 所 得 も 増 え た。 で も、
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解体した豚肉をベーコンなどに加工体験(提供/小別沢教育ガーデン事務局)
“農と食”
らませる。
就労トレーニングや幼稚園などの動
て い け る 場 所 に で き な い だ ろ う か。
わせて加工品を製造・販売し、食べ
も 開 く 予 定 だ( 詳 細 は 末 尾 の
キャビンのある庭づくり講座
として、親子のためのツリー
別講座を開く。さらに特別版
ための工作や畜産物の加工保
ひとつのモデルは、1960年こ
ろの浦河町内にあった自宅周辺の光
きにつなげてもいいでしょう。法人
小別沢教育ガーデン事務局H
も模索中です。麦など穀物類も手が
景。3世代住宅に面して中庭が配置
を創り、地域の人たちと協力しなが
Pを参照)。
耕作放棄地を活用できる
〝庭〟
のよう
され、畜舎や薪小屋があり、畑を耕
ら、こうした取り組みをやっていけ
存、野生生物の学習などの特
す …。 牛 や 馬、 羊、 豚、 鶏 を 飼 い、
れば…」
け、果樹栽培や動物の飼育と組み合
果樹も栽培した。父親が農家を継が
地域のNPOと町内会、都
市住民が連携してプロジェク
な場所にしていきたい、と構想を膨
ず牛乳店を始めたこともあり、この
したことを現代的にやっていくのが
「 一 瞬 の ユ ー ト ピ ア で し た が、 こ う
の作業や作物の観察、周囲の自然観
4月から
回開講し、畑
年度の計画が決まり、受講者を
募集済み(4月5日に終了)。今期は
「 小 別 沢 は 都 心 に 近 く、 美 し
経済局農政部長の三部英二さ
の農業事情を熟知する札幌市
トを進める試みに対し、市内
と今後の方向を探っている。
〝農的な暮らし〟
ではないか。多くの
察、自家採種、地域の古老の話、養
い農業景観もある魅力に富ん
「自給の森」の試みは始まったばかり
年も続かなかったらしい。
技術や技能が必要ですが、新しいシ
蜂体験、鶏の解体、パン焼きなど多
だ地域だと思います。そこに暮らす
形態は
チュエーション
(状況)
をどう創るの
彩なプログラムが組まれている。
で、今後、構想の実現には紆余曲折
月まで計
か──この講座の課題になるでしょ
人たちが外部からの視点を入れて地
るのではないか。農業や森林につい
えると、新たな農業の展開が生まれ
みが発展するよう期待したい。
的 な 暮 ら し 」を 創 造 し て い く 取 り 組
連携し、都市住民とともに新しい「農
■小別沢教育ガーデン事務局
どの可能性も高い地域であり、農を
て体験したり、フットパスを造るな
んは、こう評価する。
う」(永田さん)
もあるだろう。NPOと地域住民が
小別沢の歴史を語る町内会長の伊部義幸さん
域を盛り上げる取り組みをしてもら
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別日程で数回、自給の幅を広げる
ドイツのクラインガルデ
ン
(農地の賃借制度を活用し
た 市 民 農 園 )や ロ シ ア の ダ ー
チャ
(都市住民向けの菜園付
き 別 荘 )な ど の 事 例 も 受 講 者
志す人たちを受け入れていくと面白
札幌市西区小別沢
NPO法人「あ
い展開ができるでしょう。行政とし
ても農地の基盤整備などを行なって
おいとり」内
011・664・5323
℡ 011・664・5148
から応援していきたい」
トが取り組む情報発信の一部を側面
きましたが、今後はこのプロジェク
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に紹介し、小別沢版の新たな
〝庭づくり〟
をめざす。
「 将 来 的 に は、 農 業 生 産 法 人
できる体制をつくり、社会的
な責任を引き受けていくこと
http://garden-society.com/
℻
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を設立して
『自給の森』
が活動
北の大地から
座学と体験学習を組み合わせ熱心に講座を続ける
※筆者のHP
「滝川康治の見聞録」takikawa.essay.jp/ に本シリーズの過去記事を収録しています。ご参照ください。