甲状腺悪性リンパ腫と類似超音波所見を呈した橋本病

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甲状腺悪性リンパ腫と類似超音波所見を呈した橋本病
◎楜澤 由美 1)、堀内 礼子 1)、山岸 はるか 1)、宮澤 富士江 1)、小林 浩子 1)
医療法人丸山会 丸子中央病院 1)
【はじめに】
甲状腺原発の悪性リンパ腫は甲状腺悪性腫瘍の 1~5%を
血液検査:甲状腺自己抗体は陽性を示した。
細胞診:リンパ球、濾胞上皮細胞に悪性所見は認めない。
占め高齢女性に多くみられる。また慢性甲状腺炎(橋本
病)を発生母地とするものが多く橋本病患者は健常者に比べ
【考察】
て悪性リンパ腫の発生頻度が極めて高いとされる。今回、
甲状腺は両症例とも腫大し、エコーレベルは低く、頸部
当院にて甲状腺悪性リンパ腫と診断された超音波像と類似
には腫大リンパ節を認めていた。当院にて診断された甲状
所見を呈していたが橋本病であった症例を経験したので報
腺悪性リンパ腫と同様の超音波像であったことから超音波
告する。
診断を絞ってしまった。
【甲状腺悪性リンパ腫】 82 才 女性
最終診断は橋本病であったことから、初検時の超音波診断
超音波像:超音波像は左葉優位に腫大しエコーレベルは極
においては、悪性リンパ腫・橋本病・未分化癌等を踏まえ
めて低で不均質、頸部に腫大リンパ節を認めた。
多方向から評価し鑑別診断を行ない提示することが重要で
細胞診所見:異型リンパ球を多数認めた。
あると思われた。
病理組織所見:Diffuse large Bcell lymphoma、GCtype
【橋本病】 77 才 女性
超音波像:甲状腺は右葉優位に腫大を認め、エコーレベル
は極めて低で不均質、境界は明瞭粗雑で切れ込み像を示す
部位もみられた。頸部には最大 20㎜大を含む腫大リンパ節
が散見された。
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