厚生労働科学研究費補助金 (育成疾患克服等次世代育成基盤研究事業

厚生労働科学研究費補助金(育成疾患克服等次世代育成基盤研究事業)
分担研究報告書
わが国の自傷行為に関する疫学研究
研究分担者
研究協力者
中村好一
自治医科大学教授
北村邦夫
日本家族計画協会家族計画研究センター所長
阿江竜介
自治医科大学助教
坪井聡
自治医科大学助教
古城隆雄
自治医科大学助教
吉田穂波
ハーバード大学リサーチフェロー
研究要旨:背景と目的:自傷行為に関するわが国の疫学的データの分析報告はきわ
めて少ない。本研究ではわが国の全国的な疫学データである「第5回男女の生活と
意識に関する調査」の内容をもとに、わが国の自傷行為に関するデータを集計解析
し、自傷行為の経験と衝動(意図)に関連する要因を明らかにした。方法:層化二
段階無作為抽出法を用いて選出された2,693人に調査票を配布し、自傷行為に関して
質問した。単純集計を行った後に、自傷行為の経験/衝動(意図)があった群(自
傷行為群)となかった群(以下、非自傷行為群)の2群に別けて群間比較を行った。
結果:1,540名(回収率57.2%)の対象者が回答した。対象者全体のうち、自傷行為
群は326人(23.7%)であり、その70.4%が女性であった。年齢階級別にみると10−20
歳代、30歳代、40歳代において、自傷行為の経験/衝動(意図)があったと答えた
者の割合は、それぞれ27.1%、24.1%、19.3%であり、概ね若年ほど多く見られる傾
向があった。 群間比較について、平均年齢(自傷行為群:32.9歳、非自傷行為群
:34.5歳、p値:p<0.01)は自傷行為群で有意に若く、女性(70.4%、52.0%、 p<0.0
1)の割合が有意に高かった。自傷行為群では結婚願望のある者(42.9%、54.2%、p
=
0.01)、思春期に行動や考え方に関して主に親族から影響を受けたと答えた者(59
.6%、67.6%、p=0.05)、中学時代の生活が楽しかったと答えた者(57.2%、954%、 p
<0.01)、中学生時代の親とのコミュニケーションが良好だったと答えた者(83.1%
、91.6%、p<0.01)の割合が有意に低かった。一方、両親の離婚を経験した者(17.5
%、10.3%、P<0.01)、虐待を受けた経験があると答えた者(135%、2.5%、 P<0.01
)、異性との関わりを面倒と思うと答えた者(46.1%、39.4%、p=0.02)、人工妊娠
中絶の経験があると答えた者(22.1%、11.4%、p<0.01)の割合は有意に高かった。
両親に対する敬意・感謝の気持ちがあると答えた者の割合は、母親(79.9%、88.9%
、p<0.01)、父親(64.5%、79.2%、 p<0.01)ともに自傷行為群で有意に低かった。
結論:わが国の自傷行為に関するデータを集計解析し、自傷行為に関連する要因を
明らかにした。
一
303一
A.研究目的
料となり得る。
そこで、本研究ではわが国の全国的な疫
手首自傷症候群)1・2)に代表される自傷行為
学データである「第5回男女の生活と意識
に関する調査」の内容をもとに、わが国の
は、重要な課題として広く認識されている
自傷行為に関するデータを集計解析した。
。 しかし、 リストカットのように身体を
本稿ではその結果を報告するとともに、自
直接傷つける行為以外に、薬物やアルコー
傷行為の経験と衝動(意図)に関連する要
ルなどの過剰摂取も一般には自傷行為と見
なされている3)。また、自傷行為の概念お
因を明らかにした。さらに、諸外国におけ
よび定義は世界各国でかなり異なっている
3)。たとえば、米国では自殺に関する定義
察した。
を、自殺意図がある場合:Attempted suicid
B.研究方法
リストカット(Wrist−cutting sylldro me:
る自傷行為の実態との比較検討を交えて考
e(自殺未遂)と自殺意図がない場合:deli
1.研究対象者
berate self−harm(DSH)(意図的自傷行為)
とに区別している4)。一方、英国では、自
本調査は、層化二段階無作為抽出法を用
殺の意図の有無にかかわらず自殺行為に及
いた。先ず、全国都道府県の市区町村を単
んだ後に生き残った場合をDSHと定義して
位として7地区(北海道、東北、関東、中部
いる5・6)。わが国においては、自傷行為に関
、禁忌、中国・四国、九州)に分類した。
する明確な定義は存在していないが、自殺
さらに各地区における都市規模によって、
未遂と自傷行為とは区別される傾向があり
大都市、人口20万人以上の都市、人口10万
、一 般にリストカットはDSHに含まれると
考えられている7)。
人以上の都市、人口10万人未満の都市、郡
部(町村)という5つに層別化した。その上
傷行為に関する様々な知見が数多く蓄積さ
で、区・都市規模別各層における推計母集
団数の大きさにより、それぞれ3,000の標本
れていることが分かる。たとえば、成人の
数を比例配分し、各調査地点の標本数が13
自殺者の約半数は自殺意図がないDSHであ
∼ 23になるように調査地点数を決めた。次
ることがわかっている8)。さらに、両親の
に、抽出の第1段階目として、各層内で国勢
不仲や離婚、さらには幼少時に虐待を受け
調査区より割り当てられた地点数を無作為
た経験があるなどの家庭環境要因が、DSH
の罹患に有意な関連があると報告されてい
に抽出し、第2段階目として各地点を管轄す
る9’17)。その一方で、わが国ではリストカ
個人を抽出した。
ット患者を対象とした症例検討はいくつか
平成22年9.月1日現在満16歳から49歳の国
報告されているものの18’20)、自傷行為に関
民男女3,000人を対象として、転居、長期不
する疫学的データの分析報告はきわめて少
在、住居不明によって調査票を手渡すこと
ない。特に、全国的な疫学データを取り扱
ができなかったものを除く2,693人に調査票
った研究報告は見当たらない。そのため、
を配布した。平成22年9月11日∼9.月28日に
わが国における自傷行為の実態を正確に把
調査を実施した。
先行研究を調べてみると、諸外国では自
る自治体の役場で住民基本台帳から対象者
握する疫学研究は、きわめて重要性が高く
、その予防や支援策の検討に関する基礎資
一
304一
調査項目に関しては、自傷行為の経験に
群間比較についてZ二乗検定あるいはT検
定を行った。有意水準は5%とした。統計解
関する設問の他に、次のようなカテゴリー
析ソフトはDr. SPSS r【for Windowsを使
に分類して設問した。
用した。
ll.調査項目
基本情報: 年齢、性別、きょうだいの
有無、本人の離婚経験の有無、結婚願望の
(倫理面の配慮)
有無、子供の有無、挙児願望の有無、最終
学歴、嗜好(喫煙・飲酒)
本研究は、社団法人新情報センター倫理
学童期・思春期における情報: 生まれ
委員会の承認を得て行った。
育った地域での友人や知人との関わり、行
動や考え方に影響を受けた要因、中学生時
C.研究結果
代の生活状況、家庭環境(親とのコミュニ
ケーションの有無、両親が離婚した経験の
有無、虐待を受けた経験の有無)
層化二段階無作為抽出法によって選び出さ
性の意識と性行動における情報: セッ
収率57.2%)が回答した。
れた2,693人の対象者の中から、1,540名(回
クス(性交渉)への関心の有無、異性との
セックスの経験の有無および頻度
1.回答状況(N=1,540):表1
基本情報について、平均年齢(±標準偏
その他の項目: 人工妊娠中絶の経験(
差)は34.2(±9.3)歳であった。男性が43.
男性はパートナー、女性は自分自身)の有
6%、きょうだいのいる者が93.9%、離婚経
無、両親に対する敬意・感謝の有無
験のある者が9.5%、結婚願望のある者が51.
関わりに関する考え方と性行動、異性との
2%、子供のいる者が54.9%、挙児願望のあ
皿.統計分析
る者が39.9%、最終学歴が大学以上の者が2
自傷行為の経験に関する項目については
4.4%であった。嗜好については、喫煙習慣
、 「あなたは、これまでに自傷行為(自分
のある者が29.6%、1合以上の飲酒習慣のあ
で自分の体を傷つける、たとえばカミソリ
る者が32.9%であった。
で手首に傷をつけるなど)をしたことがあ
学童期・思春期における情報について、
りますか」の無回答者は分析対象から除外
生まれ育った地域の方々と関わりが良好だ
した。さらに、この設問に対する回答に従
ったと答えた者が96.1%、行動や考え方に関
って、次の2群に別けて群間比較を行った。
して主に親族からその影響を受けたと答え
自傷行為の経験/衝動(意図)があった
た者が65.7%であった。中学生時代の生活が
群(以下、自傷行為群): 自傷行為を「
何度もある」、 「一度だけある」あるいは
楽しかったと答えた者は76.0%であり、中学
「したことはないが、しようと思ったこと
であったと答えた者は89.6%であった。両親
生時代に親とのコミュニケーションが良好
はある」と答えた対象者の群
の離婚を経験した者は11.9%であり、虐待を
自傷行為の経験/衝動(意図)のなかっ
受けた経験のある者は5.1%であった。
た群(以下、非自傷行為群): 自傷行為
性の意識と性行動における情報について
を「したことはない、しようと思ったこと
、セックス(性交渉)に関心があると答え
もない」と答えた対象者の群
た者が64.3%、異性との関わりが面倒と思う
設問項目全ての記述統計を行った後に、
と答えた者が41.1%であった。異性とのセッ
一
305一
クス経験があると答えた者が85.2%、決まっ
学童期・思春期に関する要因として、自
た交際相手(配偶者を含む)以外にセック
傷行為群では行動や考え方に関して主に親
スする関係のある異性がいると答えた者が
族から影響を受けたと答えた者(59.6%、6
7.1%、1ヶ月以内に1回以上セックスした者
7.6%、p・=O.05)の割合が有意に低く、また
は52.5%であった。
中学時代の生活が楽しかったと答えた者(5
人工妊娠中絶の経験(男性はパートナー
7.2%、954%、p<O.Ol)、中学生時代の親と
、女性は自分自身)がある者は14.0%であっ
のコミュニケーションが良好だったと答え
た。また、両親に対する敬意・感謝につい
ては、母親に対する敬意・感謝がある者が8
た者(83.1%、91.6%、p<0.01)の割合も同
様に低い傾向を認めた。両親の離婚を経験
6.8%、父親に対する敬意・感謝があると答
した者(17.5%、10.3%、p<0.01)、虐待を
えた者が75.8%であった。
受けた経験があると答えた者(13.5%、2.5
%、p<0.01)の割合は有意に高い傾向を認め
H.自傷行為群の人口統計(nニ326):
た。
図1,2
性の意識と性行動に関する要因として、
対象者全体のうち、自傷行為群は326人(
自傷行為群では異性との関わりを面倒と思
23.7%)であった。まず、自傷行為群におけ
うと答えた者(46.1%、39.4%、p=0.02)の
る性別について詳細に分析したところ、自
割合が有意に高い傾向を認めた。
傷行為の経験/衝動(意図)があったと答
えた者の70.4%が女性であった。次に、年齢
その他の項目として、両親に対する敬意
感謝の気持ちがあると答えた者の割合は
階級別:10−20歳代(33.1%)30歳代(33.6%
、母親(79.9%、88.9%、p<0.01)、父親(6
)、40歳代(33.3%)において、自傷行為の
4.5%、79.2%、p<0.01)ともに自傷行為群で
経験/衝動(意図)があったと答えた者の
有意に低い傾向を認めた。なお、人工妊娠
割合は、それぞれ27.1%、24.1°/・、19.3%であ
中絶の経験があると答えた者(22.1%、11.4
り、概ね若年ほど多く見られる傾向があっ
%、p<0.01)についは、自傷行為群で有意に
・
た。
高い傾向を認めた。
皿.自傷行為の経験/衝動(意図)に関連
D.考察
ある要因(n=1,529):表2−1,2
群間比較については、自傷行為の経験に
対する回答が無かった1人を除外した1,529
今回の全国的な大規模調査より得られた
人(全回答者の99.3%)を分析の対象とした
行研究の知見を参考にしてわが国の自傷行
疫学的データの結果をもとに、諸外国の先
群:32.9歳、非自傷行為群:34.5歳、p値:
為を主に次の2項目:自傷行為群の人口統
計の特徴、家庭環境要因と社会環境要因に
ついて考察した。最後に本研究の限界と今
p<0.01)は自傷行為群で有意に若かった。
後の課題について言及した。
o
群間比較について、平均年齢(自傷行為
性差については女性(70.4%、52.0%、p<0.
01)の割合が有意に高い傾向を認めた。ま
た、自傷行為群では結婚願望のある者(42.
1.自傷行為群の人口統計の特徴
今回の調査結果より、わが国の自傷行為
9%、54.2%、p=0.01)の割合が有意に低い傾
は圧倒的に女性の割合が多く、また若年者
向を認めた。
、特に10∼20歳代の割合が多いことが明ら
一
306一
かとなった。
低い傾向があることもわかった。諸外国の
自傷行為に関する諸外国の大規模調査で
は、自傷行為は男性と比べて女性に多く、
多くの既往研究からも家庭環境要因は自傷
行為との関連が示唆されており、今回の研
若年の女性、特に10歳代の女性が近年増加
究において、わが国でも同様の傾向を示し
傾向であると報告されている5・6)。今回の調
た。
査結果は、これらとほぼ同様の傾向を示し
自傷行為の経験がある者は社会的交流関
たと考えられる。ただし、今回の調査結果
と諸外国の先行研究との比較評価について
係が少ないというスウェーデンでの症例検
討報告22)を除くと、自傷行為が社会環境に
は、次の2点に関して留意する必要がある。
影響されることを報告した研究はきわめて
まず、諸外国の先行研究は自傷行為を主
因として医療機関を受診した患者を対象と
少ない。特に、学童期における社会的曝露
の影響と自傷行為との関係を調べた研究は
したものが大半であり、今回のような無作
諸外国においても報告されていない。今回
為抽出による調査対象ではないことである
の研究において、過去の社会的曝露要因と
。自傷行為を主因として医療機関を受診し
して、生まれ育った地域社会との関わりの
た患者を対象とした研究の場合、年齢、性
程度を質問したが、これは自傷行為群と非
別を主とした患者に関する正確な情報は入
手できるが、自傷行為の有病率を把握する
自傷行為群との間に有意な差は認めなかっ
た。ただし、この質問項目が過去の社会的
ことは出来ない。一方、無作為抽出で対象
曝露を正確に反映していると言い切れない
を選定した場合には、ある程度の情報バイ
ため、より詳細な評価項目を聴取する必要
アスは存在するものの、自傷行為の有病率
があったと考えられる。
を把握することが出来る。この点について
しかしながら本研究においては、少なくと
、本研究は諸外国のデータと異なっている
も過去の社会的曝露要因よりも家庭環境要
と考えられる。
因の方が強く影響していることが示唆され
次に、わが国では自傷行為に関して経時
た。
的にフォローされている調査データが存在
しないため、その経時的な傾向を一概に論
皿.本研究の限界と今後の課題
じることができない点である。英国では、
自傷行為には、その背景に双極性躁うつ
自傷行為に関して1980年代から2000年代前
病を代表とする精神疾患が認められること
半に至るまでの連続的なデータ分析が示さ
れており5・21)、自傷行為の正確な実態を把
がある。双極性躁うつ病(いわゆる躁うつ
病)は、単極性うつ病(いわゆるうっ病)
握するためには、わが国においても経時的
とは全く異なる疾患であり、症状として薬
変化を捉えられる調査研究が必要であろう
物やアルコールなどに対する依存、不機嫌
な高揚感(キレる)、人格障害様のリスト
o
カットや摂食障害が認められる23・24)。実際
II.家庭環境要因と社会環境要因
自傷行為群の特徴として、両親の離婚や
に過去の調査では、自傷行為の原因として
は精神疾患が最も多いと報告されている25・
虐待を受けた経験がある者が多い傾向があ
26)。
ることが明らかとなった。さらには、中学
今回の調査票では、精神科疾患の罹患に
生時代に両親とのコミュニケーションが少
ついて十分に把握できていないため、これ
なく、また両親への敬意・感謝の気持ちが
が自傷行為群に関連する要因に対する交絡
一
307一
となっている可能性が考えられる。
Bale E, Bond A. Deliberate self−harm in
さらに、今回の調査では、質問紙票にお
Oxford,1990−2000:atime of change in pat
いて自傷行為を「自分で自分の体を傷つけ
ient characteristics. Psychol Med.2003;33:
る、たとえばカミソリで手首に傷をつける
987−95.
など」と表現し、主にリストカットを想定
しやすい質問項目となっている。しかし、
ond A, Codd S, Stewart A. Deliberate self−
厳密には、薬物の過剰摂取や過食や拒食な
harm in adolescents:astudy of characteristi
どの摂食行動などの異常も自傷行為に含ま
れる3)。従って、今回の調査票ではリスト
cs and trends in Oxf∼)rd, 1990−2000. J Chil
カット以外の自傷行為に関する評価が不十
7)平岩幹男.特集こんなときどうする「学
分である可能性がある。実際に、英国の大
校保健」皿.行動リストカットをしている.
規模調査5・6)では、自傷行為を分類化して調
小児科診療.2007;70:1885−1888.
査されており、今回の研究結果と比較して
より正確に自傷行為の実態を評価している
8)Hawton K, Fagg J, Sinikin S, Bale E, B
ond A. Trends in deliberate self−harm in O
。今後はこれらを踏まえてより正確な実態
xf∼)rd, 1985−1995. Irnplications fbr clinical s
評価を行い、海外の知見との比較を加えた
ervices and the prevention of suicide. Br J
上でしたうえで、自傷行為に対する効果的
Psychiatry.1997;171:556−60.
な支援策の検討に繋げる必要があると考え
9)Romans SE, Martin JL, Anderson JC, H
られる。
erbison GP, Mullen PE. Sexual abuse in ch
E.結論
ildhood and deliberate self−harm. Am J Psy
6)Hawton K, Hall S, Sirnkin S, Bale L, B
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chiatry. 1995; 152: 1336−42.
わが国の自傷行為に関するデータを集計
10)Santa Mina EE, Gallop RM. Childhood
解析し、自傷行為に関連する要因を明らか
sexual and physical abuse and adult self二h
にした。
arm and suicidal behaviour:Aliterature rev
iew. Can J Psychiatry.1998;43:793−800.
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5)Hawton K, Harriss L, Hall S, Simkin S,
as GL, Malone KM, Mann JJ. The relations
一
308一
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該当なし
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科外来におけるリストカットを報告した患
臨床背景の検討一.愛知医科大学医学会雑
G.研究発表
1.論文発表
誌.2007;35:1−6.
該当なし
者の実態調査一リストカットを引き起こす
19)山内麻利子,大平泰子,芦原睦.当科
を受診したリストカット症例の心身医学的
2.学会発表
検討.日本心療内科学会誌2008;12:165−
該当なし
70.
20)吉田貴子,佐藤文子,前田正幸,岩井智
H.知的財産権の出願・登録状況
美.リストカットと対人関係の関連性 リ
該当なし
ストカットを患者とともに乗り越えるため
に.日本精神科看護学会誌.2009;52:117−2
1.
21)Hawton K, Fagg J, Sirnkin S, Bale E,
一
309一