◆ 第4学年 実施報告書◆ 「河北潟と銭屋五兵衛―船橋聖一の『海の百万石』を中心に―」 【国語担当教員 高島 要】 持ち場と意義 現代GPの環境改善教育のベースをなす「郷土愛育成による」を具体化する一つの担 い手。第4学年「日本文学」では、「河北潟」に関わる文学資料をもとに教材を作成し、 文学の面から「郷土愛を育成する」学習を展開する。 日本文学の教材研究 ○小説 五木寛之『内灘夫人』・舟橋聖一『海の百万石』 ○随筆 杉森久英「河北潟」(川端康成編『湖』所収) ○写真 岩波写真文庫19『石川県-新風土記』・同93『金沢』・同239『北陸路』 『内灘夫人』 作者の五木寛之自身、青年期に金沢に在住して作家活動に入っていったのだから、彼は 金沢といわず内灘といわず、それは「第二のふるさと」なのである。小説『内灘夫人』 にも六〇年代当時の内灘砂丘から河北潟の情景が、小説の背景として描かれる。『内灘 夫人』にみる六〇年代の河北潟、ちょうど干拓の最中だった河北潟を読む。 『海の百万石』 江戸時代末期河北潟の干拓計画に挑戦した、豪商銭屋五兵衛をモ デルにした歴史小説である。文章からは壮大な歴史絵巻が読み取 れるが、あわせて講談社版の中川一政の表紙絵、河出版の岩田専 太郎の挿絵も見どころ。東映で映画化されて大ヒットしたことも 忘れがたい。 「河北潟」(『湖』) 七尾市出身の直木賞作家に杉森久英がいる。杉森が随筆「河北潟」を発表したのは、1961 年。だから、河北潟はまだ干拓されてはいない。その後ほどなく国家プロジェクトの大 干拓事業が始まり、河北潟は大半が農地と化した。杉森のこの随筆は、河北潟でまだ漁 業などが盛んに行われていた時代の最後を記すものとなった。河北潟の鮒釣りの様子を 生き生きと伝える好きエッセイ。収録する川端康成編『湖』も当時の日本を映す湖沼紀 行となっている。 学生に対するアンケート結果 高島要の河北潟フォーラム(11 月のシグナス)での発表と、リテラシーの授業(「海の百 万石」中心の授業)について、以下の質問に率直に答えてください。番号に○を付けてく ださい。 問 1、日本文学のリテラシー関係授業「河北潟の歴史・文学や干拓について」で興味のあっ たものは次のどれですか。 (この設問は複数回答してもよい。 ) 回答 1.杉森久英「河北潟」や五木寛之「内灘夫人」 などの現代の文学 2.舟橋聖一「海の百万石」の歴史小説や銭屋五 兵衛の物語 3.河北潟の干拓事業など現代の河北潟に関する 話題。 4.特に興味を感じなかった。 建築 電気 計 9 6 15 18 14 32 12 14 26 5 12 17 問2、日本文学の授業で「河北潟の歴史・文学や干拓について」の内容で授業をすること について。 回答 建築 電気 計 22 17 39 7 3 10 2 6 8 7 17 24 1.現在のシラバス内容に加えて、「河北潟 の歴史・文学や干拓について」などの内容を 加えるのは歓迎できる。今の一コマ程度でよ い。 2.現在のシラバス内容に加えて、「河北潟 の歴史・文学や干拓について」などに更に「地 域の文学」といった内容を加えて拡大した方 がよい。数コマあってよい。 3.現在のシラバスを変更して、 「河北潟の 歴史・文学や干拓について」など「地域の文 学」といった内容の授業を中心に行った方が よい。 4.現在のシラバスの内容を変更せずに行っ て、「河北潟の歴史・文学や干拓について」 などの内容は入れない方がよい。 問3、仮に日本文学で「河北潟の歴史・文学や干拓について」の内容の授業を 1 コマ行う として、それを評価の対象にすることについて。 回答 1.レポートなどで評価に加えた方がよい。 (評価比重は高い) 2.試験の問題に設問を加えて評価の中に 含めた方がよい。 (評価比重はやや高い) 3.感想文などにとどめて少しばかり評価 した方がよい。 (評価比重は微少) 4.評価に加えない方がよい。 (評価比重はゼロ) 建築 電気 計 0 2 2 9 5 14 16 20 36 13 16 29 問4、今後の「河北潟の歴史・文学や干拓について」の授業内容について。 回答 1.これまでの内容でおおむねよい。 2.更に文学・歴史に関する材料を広めたり深め たりすべきである。 3.更に干拓事業に関する材料を広めたり深めた りすべきである。 4.興味がないからやめた方がよい。(シラバス にある日本文学の授業でよい。 ) 建築 電気 計 21 23 44 8 7 15 2 0 2 7 13 20 問5、最後の質問です。あなたは高島の「フォーラム」での発表や「授業」で、河北潟に ついて新しい知見や興味を得ましたか。 回答 建築 電気 計 1.大変多くの知見や興味を得た。 3 7 10 2.まあまあ知見や興味を得た。 20 8 28 3.わずかだが知見や興味を得た。 12 19 31 4.知見や興味を得なかった。 3 9 12
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