知っておきたい会計・税務の知識（第２０回）譲渡制限株式のトラブル公認会計士・税理士井村登［譲渡制限株式とは］社長前三回で、自己株式を勉強しましたが、よく非上場の会社では発行株式を譲渡制限株式にしていますが、これって何ですか。会計士株式は何ら制限等のついていない普通株式が一般的ですが、何らかの制限等が付いている株式を種類株式といいます。その中の一つに「譲渡に制限」がついている種類株式のことを譲渡制限株式といいます。社長いったいどんな制限ですか。会計士株主が保有株式を譲渡するには、発行会社の株主総会又は取締役会の承認がいるという制限です。［譲渡制限株式発行の目的］社長会社はなぜ、そのようなことをするのですか。会計士上場会社は不特定多数の株主をメンバーにしますが、非上場会社では、一般的に特定の株主に限定した会社運営を考えていますので、会社にとって不都合な株主が参入してくるのを阻止するためです。［可視化］社長会社がどのような種類株式を発行しているか重要なことですが、何を見れば判るのですか。会計士はい、取引の安全に配慮するため会社の登記事項証明書(登記簿謄本)を見れば記載されています。 [譲渡制限株式のトラブルと解決] 社長では、会社がその譲渡を承認しなければどうなるのですか。 1 会計士解決例をフローチャートで示すと次のとおりです。譲渡の承認請求株主総会又は取締役会の承認 YES NO 会社又は指定買取人が買い受けるが、売買価格でトラブル発生 NO YES 当事者 YES 間協議の成否 NO 売買価格決定の裁判所への申立付調 (民事調停へのあっせん ) 取引相場のない株式の譲渡価格決定手法(注 1) ✓原則は売買実例を、でも余りない ✓純資産価額(第 18 回参) ✓配当還元価額(第 18 回参) ＋売買にいたる個別要因 ✓類似業種比準価額(第 18 回参) ✓原告、被告の上申書、公認会計士の鑑定書他専門調停委員の調停価格案裁判所判決 (上記(注 1)と当事者間への呈示調停委員会協議同意不同意ほぼ同様手法) 売社長買立譲渡制限を付けると当然メリットもありますが、売買価格についてのトラブルに会社が対応しなければなりませんね。会計士成そのとおりです。 2