第三相主試験を実施中のバイオテク企業がアルマックのサプライチェーン 管理チームの専門知識を利用して、限られた社内資源を補完。アルマック の監督により、被験者募集が予想より 3 倍早く進んだ時にも治験薬を継続 的に供給。 第 三 相 5年間 以上 最適化コスト 節約 米国 倍 3 10,600 登録 被験者 全体で 背景 米国を拠点とする中小バイオテク企業は、5 年間の第三相無作為 割付二重盲検プラセボ対照試験を計画していました。この治験 は米国全土の複数の施設で実施され、10,600 名の被験者が参加 していました。この治験はお客様にとって主要試験であり、当初 は、治験の供給管理について理解を深め、どのくらいの治験薬 が必要になるかを決定する目的で、アルマックの専門知識を活用 しようと相談を持ちかけました。お客様はサプライチェーン管理 (SCM)チームと協議後、社内の資源や専門性が不足していると 感じ、中心となるサプライチェーン管理サービスの提供をアルマッ クに委託しました。アルマックの SCM チームは、 この試験期間中、 費用効果の高い最適な梱包、配布、治験薬管理の戦略策定を支 援しました。 直面した課題 $ 被験者 加速 生産コスト 低下 治験供給品 減 少 23% 治験のデザイン、期間、高リスク被験者集団は、被験者の反応 に高い不確実性が伴うことを示唆していました。治験依頼者様に は、治験薬に関してある程度の治験経験があり、中途離脱を予 想してはいたものの、異なる被験者集団は未知数と言えました。 デザイン上の考慮事項 治験実施計画書の見直し後、SCM チームはこの治験に必要な大 量の供給を遂行する上で鍵となるのは、容器デザインの統一であ ることに気付きました。しかし、導入段階、無作為割付段階、 維持段階を通して来院期間が異なることから、キット戦略の策定 にはいくつかの課題が生じました。慎重に検討した後、SCM チー ムは次のような供給戦略を提案しました。 1) 14 日間の投与(7 日間は実薬、7 日間はプラセボ)から成る 導入段階で、被験者用供給品は 7 個のボトル包装でした。登 録のペースに不確定要素があり治験実施施設の数が多いこと この治験を監督した SCM は、次のような数多くの課題に直面し ました。治験依頼者様は当初、初期登録段階は 18 か月間で終 了すると見積もっていましたが、積極的な被験者募集によって被 験者の登録はこの予想を大幅に上回り、当初の予定より 3 倍早く 進みました。そのため、バルク薬製造、また一次/二次キット生 産の需要が大幅に増加しました。また、参加している治験実施 施設の数が多い(~ 300)ことから、この増加は出荷頻度と供 給量の上昇を意味していました。 から、7 個の導入期間用ボトルの 100% 過量仕込みが準備さ れました。これにより十分な供給が保証された一方で、ボト ル数が少ないため供給全体のコストは些少でした。 2) 無作為割 付段 階と維 持段 階での来 院 期 間には 8 週間~ 26 週間のばらつきがあったが、SCM チームは 140 個入りの 共通容器デザインを選定し、IRT を使用して来院時間を基に 適 切 な数のボトルを割り当てる可能 性を指 摘しました。 さらに、治験実施施設や被験者の服薬遵守状況を支援する ため、最長の来院期間に必要となるキットの供給を促す目的 アルマックのアプローチ で、140 個入りボトルが 3 個入ったキットを梱包・ラベル貼付 しました。共通のバルク薬品供給(140 個入りボトル)の使 用によって、一次/二次生産計画が簡素化され、生産コスト が削減しました。 SCM による監督 - 実際の出来事と予測される出来事の モニターによる比較 予想されたように、登録は幸先の良いスタートを切りました。 SCM は登録状況を綿密に監督し、需要予測と比較した実際の 供給使用状況を追跡しました。最初の数か月間が過ぎた後、登 治験の供給予測 当初の登録予想は 18 か月間でしたが、治験開始が近づくにつれ て、治験依頼者は募集状況からその推定値に懸念を抱くようにな りました。 アルマック独自の 治 験 供 給 予 測ソリューション、 SupplyWise™ を利用して、サプライチェーン・マネージャーは被 験者登録、治験実施施設立上げ、被験者の中途離脱率、治験 実施施設への補給レベル、過量仕込み要因などの変数を変える ことで、複数の予測シナリオを作成しました。SupplyWise™ で 利用できる報告機能により、各シナリオの需要予測を並べて評価 できました。6 週間~ 18 か月間という様々な被験者登録完了期 間で複数シナリオを作成することで、需要に対する影響を堅調に 評価でき、報告書の評価後、治験依頼者は 8 か月間の予測をベー スライン・シナリオに設定し、このモデルに基づく計画が開始し ました。 録と供給使用状況が 8 か月の予測シナリオよりも早いペースで進 んでおり、6 か月の予測シナリオにより近いことが判明しました。 幸運にも、実際の募集速度に応じて供給戦略をこのシナリオに合 わせることは難しくありませんでした。このシナリオは以前に評 価されており、治験依頼者様はこのような緊急事態に備えて治験 薬メーカーと既に計画を立てていたためです。 治験依頼者様が有効な予測を 6 か月に基づく需要シナリオに更 新することを決定した後、SCM は引き続き実際の供給使用状況 を予測と比較し、毎月実際の登録データに基づいて予測値を更 新しました。治験の予測を供給計画全体に組み込むことで、アル マックの SCM と治験依頼者様のチームは、需要予測が予想に沿 うようにして、バルク生産スケジュールでも 3 か月分の手持ち在 庫を下回らないようにするというお客様の希望を満たすことが可 能になりました。 被験者来院の予測 – シナリオ比較 SCM は、アルマックの治験予測ソリューション、SupplyWise™ を活用して、 各シナリオの需要予測を並べて評価することができました。 4000 3500 予測される登録来院 1) 18 か月間で被験者 6500 名 3000 3) 9 か月間で被験者 4000 名 2500 実際の登録来院 7 か月間で被験者 10,500 名 2000 実際の補給のための来院 予測される補給のための来院 1500 1000 500 0 1か 月 目 4 か 月 目 7 か 月 目 10 か 月 目 13 か 月 目 16 か 月 目 19 か 月 目 22 か 月 目 25 か 月 目 28 か 月 目 31 か 月 目 34 か 月 目 37 か 月 目 40 か 月 目 43 か 月 目 46 か 月 目 49 か 月 目 52 か 月 目 55 か 月 目 58 か 月 目 61 か 月 目 64 か 月 目 67 か 月 目 70 か 月 目 被 験 者 の 来 院 2) 中間分析 登録スケジュール予定 予測維持のためのもう一つの秘訣は、中途離脱率を治験依頼者が 当初予測した範囲内に収めることでした。予想よりも低い中途離 脱率は、維持段階での需要に大きな下流影響を及ぼしていた可能 性があります。 中途離脱率の当初予測にばらつきがあったときには、 結果 • アルマックが導入段階、無作為割付段階、維持段階での使 用を勧めたキットデザインは、治験における複数の供給予 測の作成・評価と共に、治験依頼者様が希望する予測シナ リオの計画を実現させる要因となり、治験の各段階で充分 な供給を確保して需要予測を満たします。 • 実際の被験者登録と供給需要をモニターし、8 か月の予測 シナリオに基づいて当初予測と比較することで、6 か月の予 測シナリオがより適切であることを確認できたため、その戦 SCM による綿密な監督によって予測をしかるべく修正して、必要 な供給を 23%減らすことができました。 治験実施施設の数が多いことと、登録速度が早かったことから、 治験依頼者様は出荷頻度、そして特に在庫切れの可能性に対して 敏感でした。この懸念に対処するため、アルマックの SCM は、4 つの異なるスクリーニングレベルと導入登録レベルを満たすように 設計された 4 種類の供給戦略を策定しました。治験実施施設で のスクリーニングレベルおよび導入登録レベルを毎週モニターし、 治験実施施設の活動が所定のレベルに達した時に、治験実施施 設はより高い供給戦略へと調整されました。同様に、治験実施施 設の活動のスクリーニングレベルや導入レベルが低下した場合は、 略を修正して 6 か月の登録予測に合わせるという治験依頼 者の素早い意思決定を促しました。同時に、被験者保持率 の長期的なモニターと、違いに応じた予測調整によって、 • 戦略も格下げして手持ち在庫数量を減少させました。IRT システム のこうした調整により、出荷頻度を減らす一方で十分な供給レベル を確保できました。 生産する必要のあった長期メンテナンスキットの 23% 削減 という結果につながりました。 スクリーニングレベルと登録レベルに基づく治験実施施設の 在庫戦略の作成と、治験実施施設の活動の週 1 回のモニ ターは、被験者レベルに応じて治験実施施設に適切な供給 戦略を指定する手段を提供しました。この戦略は、供給不 足による出荷頻度の減少や、治験実施施設での在庫切れを 回避する上でも効果が高いことが判明しました。 連絡先 英国 Almac Group 米国 シンガポール Almac Group Almac House 20 Seagoe Industrial Estate Craigavon BT63 5QD United Kingdom 25 Fretz Road Souderton, PA 18964 United States of America Almac Pharmaceutical Services Pte. Ltd. 9 Changi South Street 3 #01-01 Freight Links Building Singapore 486361 [email protected] +44 28 3833 2200 [email protected] +1 215 660 8500 [email protected] +65 63090720 (グローバル本社) (米国本社)
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