海馬と記憶、脳とからだ 第1章 はじめに 第2章 研究の展開

海馬と記憶、脳とからだ
所属:
医療・化学
ゼミ
1年 5 組 26 番
多胡
行揮
第1章 はじめに
第1節
テーマ設定の理由
「病は気から」という言葉がある。あながち間違えではない気がする。実際に自分に
そのような経験があったからだ。けれどこれは決して証明されたことではない。脳はま
だまだ未知の世界なのである。だからこそ私は興味をひかれたのである。
脳について調べ始めたある日、図書館で「脳は疲れない」というタイトルの本を見つ
けた。なんとも私の興味をひくタイトルであり、私はその本に登場する「海馬」につい
て調べることを決めたのだ。
第2節
研究のねらい
自分の興味のある脳について深く調べること。また、脳に秘められている未知の世界
を知り自分なりの仮説を立てることで、ヒトという生物について理解すること。
第3節
第1項
研究内容と方法
研究の内容
脳の意外性や不思議性、脳に対する刺激について。また、海馬と記憶 について。
第2項
研究の方法
主に文献を使用。その他 Web サイトなど(引用は3章に記載)。
第2章
第1節
研究の展開
意外な脳
海馬について述べる前にまずは皆さんの知らないような脳についての 意外な知識につ
いて述べたいと思う。
第1項
脳は休まない
脳は死ぬまで休まない。脳は人間が意識しなくても働き続けるのだ。もちろん脳の
働きが止まってしまったら器官も体も動かないからだ。だが不思議なことに、人間は
普段、脳全体のたったの2%しか使っていないのだ。実は、脳は、あえて無駄な細胞
をたくさん作っている。これらはすべて、大量に入ってくる情報に対応するためにあ
る。人間が浴びる太陽の光でさえ脳には情報として伝わる。だから、脳細胞が無駄を
作るのは当たり前のことなのである。
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第2項
歳を重ねた脳
よく、
「歳をとると脳は衰える」というが、あれは全くの嘘である。脳のつながりは
べき乗である。つまり、2 だったものは 4 に、4 だったものは 16 になる。もし、もと
が 100 なら 10000 になる。歳を重ねた脳は繋がりがとても広くなり、よく働くように
なるのである。よく、
「もの忘れが激しい」などというのは、脳が上手く情報の取捨選
択をしている証拠なのである。
脳は決して疲れないのである。使えば使うほど賢くなるのだ。
第2節
刺激と脳
人間は常に外界からの刺激を受けて生活している。
実は そ の刺 激が 生 活の 源と 言 って も過 言 では ない。
猿を真っ暗な部屋に入れて、餌や飲み物などをチュ
ーブによって与えることで、まったく刺激のない生
活を お くら せる 、 とい う実 験 があ った 。 その 結果、
外に 行 く欲 すら な くな り、 す ぐに 死ん で しま った。
もと も と脳 とい う もの は刺 激 を欲 する 性 質を 持つ。
いつ ま でも 1つ の もの に執 着 する こと は でい ない。
図 1 を見てもらいたい。下から見ているか上から見
ているか、常に変わると思う。このように、人間は
常に新しい刺激を要求するのだ。
図1
(海馬
ネ ッカー・キューブ
脳は疲れない
より)
では、この刺激は常に脳で正しく受け取られているのか、という
とそうではない。具体的にここでは目からの刺激と脳について述べ
る。図 2 を見てもらいたい。左がでっぱっているように、右がへこ
んでいるように見えるだろう。逆さまから見ても同じであろう。人
間は普段日光がある生活、つまり上から光が当たる生活をしている。
だから、影が下にできるのは当たり前のことなのである、と脳が思
い込んでいるのである。それゆえ、下から光が当たって いると思っ
て見ると、逆に見えたりもする。脳は常に記憶に適応させてしまう
都合の良い器官なのである。
図2
(海馬
第3節
脳は疲れない
より)
海馬とは
海馬は簡単に言えば情報を取捨選択する器官である。人間が得た情報は1度すべて海
馬に送り込まれる。ほとんどの情報は捨てられてしまうが、海馬が必要とした情報は記
憶として残される。
海馬は、可塑性、つまり粘土のように1度付けた形は元に戻らない、という性質を持
つ。実はこの可塑性こそが記憶の正体なのである。情報が増えるたびに柔軟に形を変え
て記憶を増やしていくのである。
記憶を司る大事な器官だけに脳の中心に位置しているが、さらにすごいことがある。
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脳全体の細胞が約 1000 億個あるのに対して、人の小指ほどしかない海馬の細胞が約 1000
万個もある。しかも、そのそれぞれの細胞が2、3万の細胞と常に連絡を取っている。
海馬は人間にとっていかに大事な器官であるかがわかるだろう。
第4節
海馬の世界
第1項
変化し続ける海馬
脳の神経細胞は生まれたときが一番多くだんだんと減っていく。これは皆さんも聞
いたことがあると思う。実際、1秒に1個くらいのものすごいペースで減っている。
しかし、海馬の神経細胞は増えるのである。もちろん海馬の神経細胞も減ることは減
るのだが、うまく海馬を使えばその総数は増え、多くの情報を取り扱える発達した海
馬となる。ここである実験がある。図3の A と B のねずみの海馬の大きさを調べる実
験だ。結果は、もちろん A のねずみの海馬のほうが大きい。しかし、面白いのはここ
からで、B のねずみを A の場所に移すと、たった2,3日でもともと A にいたねずみ
と同じくらいの海馬になる。海馬は周りの状況に敏感に対応し、変化を続けているの
である。
図3
刺激の大きい場所(A)と刺激の少ない場所(B)
(海馬
第2項
脳は疲れない
より)
海馬が有る意味とは
この節では病気で海馬を取らざるを得なくなった人の手術後の過程を 題材にしなが
ら論をすすめる。
この海馬のなくなってしまった人、残念なことに新しい記憶を作ることができない。
では、この記憶を失った人はどうするか、というと、メモを取るしかないのだ。人は
記憶を頼りに生活をしている。だから、海馬は安堵感を与える、というとても重要な
役割を果たしている。しかし、ここで不思議なことは、感情の記憶、言い換えれば人
間の生死に関係する記憶は海馬ではなく扁桃体という別の場所が司っているというこ
とだ。例えば、以前蜂に刺されて痛い思いをした、という 経験があったとすると、海
馬を取ってしまった後でも覚えているのである。感情の記憶を別にすることで人間の
生命は保たれているのである。
第3項
7つの記憶
皆さんの脳には何十万もの、何百万もの記憶がある。皆さんは今までそれらをどの
ように記憶してきたのだろうか。そんなことは意識したことがないかもしれない。け
れど、人間は1度にどれほどのことを覚えられるのか、という疑問はあるのではない
だろうか。実はたったの七個である。やかんに火をつけ、歯を磨き、テレビを見なが
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ら料理もして、これらを完璧にこなす人はそういないであろう。しかし、この7個を
うまくグループ分けすることはできる。ある一つのかたまりが以前見たものと同じで
ある、とか、うまい語呂合わせができる、とか。そんな時はそれをひとつのグループ
として記憶するのである。
古い記憶が新しい記憶を生み出す。しかも、古い記憶が多ければ多いほど新しい記
憶が効率よく作り出される。これこそまさに記憶なのである。
第2章 感想
まとめ
ここまで進んだ医療や科学でも、いまだ明かされていない脳。ここ にはとてもたくさん
の可能性が秘められているのだと思う。人間は脳の2%しか使われていないというのであ
るから、あとの98%が使えるようになったら、と考えると、本当に広い世界だと思う。
とても難しい研究かもしれないがこれほどに興味をひくものはないだろう。
人間の脳を取り出してもとを調べれば、いや人間でなくて も、ほとんど違いのない細胞
や神経、シナプス構造からできているのである。そのつながりや関係性が違うだけでこれ
ほどまでに多様な世界(地球)ができているのだ。
このような見方をすれば、なんとなく私たち 1 人 1 人に備わっている脳がとてつもなく
すばらしいものに思えるだろう。だから、私はこれからも脳についてより一層深く調べる
だろう。
第3章 参考文献
海馬-脳は疲れない(池谷裕二 糸井重里)
進化しすぎた脳(池谷裕二)
Wikipedia
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