レーシックの功罪 所属:医療系ゼミ 2 年 4 組 12 番 大山峻太郎 第1章 はじめに 第1節 テーマ設定の理由 最近では、多くの人が近視に悩みメガネやコンタクトレンズを着用している。デザインや 機能性を「ウリ」にしたメガネ・コンタクトレンズが発売される中、レーシック手術という ものが話題によく上がる。有名芸能人やサッカー、野球界などの多くも手術を受けたことで 有名になり始めた。そんなレーシックを調べているうちに様々な情報が集まり、詳しくまと めてみようと思ったから。 第2節 研究のねらい メガネやコンタクトレンズなどの煩わしさから解放され、かつ視力を正常に戻すことがで きるというレーシックについて、変遷、現在の実態、効果、注意などの側面から調査し、現 在のレーシックについて認知するとともに、問題点の解決に言及する。 第3節 研究の内容と方法 第1項 研究の内容 レーシックに関する文献を調査し、レーシックについての長短に焦点を当てながら、そ の原因と解決策を考察する。 第2項 研究の方法 大きく分類して、 「レーシックの変遷」、 「長短をもったレーシック」の2つに分けて調査・ 研究をする。また、調査において参考にする資料は、インターネット上の情報や書籍より 抜粋したものを扱う。 第2章 研究の展開 第1節 レーシックとは 第1項 レーシックの歴史 レーシック(LASIK = Laser Assisted Intrastromal Keratectomy)は角膜屈折矯正手術 の一種であり、その歴史はわずか 10 年程度であるが、屈折矯正手術の歴史は 1800 年代ま でさかのぼる。そして本格的な近視矯正手術が開始したのは、1870 年頃からとされている。 ・1939 年 ~1~ 順天堂大学の佐藤勉教授の執刀により、角膜を切開する近視矯正手術「放射状角膜切開 術(Radial Keratotomy=RK)」が日本において初めて実施される。近視矯正に成功し、「佐 藤式 RK」として世界から高い評価を受けるも、時間の経過と共に角膜に混濁が発生。以後、 「佐藤式 RK」は行われなくなる。 ・1972 年 ロシアのフィヨドロフ医師によって、「佐藤式 RK」の失敗が角膜内皮細胞の損傷である と突き止められる。同医師の研究・実験により、角膜の表面のみに放射状の切れ込みを入 れる安全性の高い「RK」が完成する。歴史的快挙として世界中に知られ、全世界で、延べ 300 万人にのぼる人が「RK」を受けている。 ・1980 年代 アメリカで開発されたエキシマレーザーが臨床応用されるようになる。この角膜の表面 にエキシマレーザーを照射する手術は「角膜表層切開術(Photorefractive Keratectomy= PRK)」と呼ばれ、「RK」に取って代わる近視矯正手術の主流となる。 ・1990 年代 ギリシャの I.G.パリカリス博士が、マイクロケラトームを用いてフラップを作成し、エ キシマレーザーを照射する「レーシック(Laser in Situ Keratomileusis=LASIK)」を世 界で初めて実施する。FDA(アメリカ食品医薬品局)がレーシックを認可。「PRK」と比較 して、術後の回復が早く、視力の矯正力も高い。 ・2000 年代 日本の厚生労働省がエキシマレーザーによる屈折矯正手術を認可し、ついに国内でレー シック治療が受けられるようになった。 第2項 現在のレーシックはどうなっているか アメリカはレーシックを受ける人が世界で一番多く、年間 100 万人以上がレーシックを 受けている。クリスマスプレゼントにされる程で、長期的に考えればコンタクトレンズや メガネよりもレーシックの方が費用的にも得だと考える人が多いと言われている。また、 コンタクトレンズやメガネを用いなくても裸眼で生活ができるメリットは多く、このよう な考え方からレーシックを受けるアメリカ人も多いと言われてる。日本でもレーシックは 爆発的に広がっている。現在では年間 10 万人以上がレーシック手術を受けているが、アメ リカに比べるとまだまだ浸透していない。アメリカの人口は日本の約 2.5 倍だが、レーシ ックを年間に受けている人の数は日本の約 10 倍になる、アメリカでは日本よりも 4 倍もレ ーシック手術を受ける人の割合が多い計算になる。この差は上に挙げたレーシックに対す る考え方の差であろう。アメリカも日本もレーシック手術の費用に大して差は無く、両国 ~2~ とも国民 1 人当たりの GDP は同じくらいなので、レーシック手術を受けた場合の経済的負 担も同じくらいと言える。 第2節 レーシックの効果 第1項 レーシックの効果 まず、レーシック手術による視力の回復力は個人差があるが、一般的に眼鏡やコンタクト レンズといった視力矯正器具を装着したときと同じくらいまで視力が回復すると言われてい る。レーシックによって十分な視力回復効果が得られると手術前に裸眼視力が 0.1 以下だっ た患者が術後に 1.0 以上にまで視力が回復したという報告も多数ある。視力の回復がどれほ ど見込めるかは、手術を受ける前の事前検査である程度の目安がわかる。 第2項 効果の持続性 レーシックによって回復した視力は 1~3 ヵ月で安定するが、回復した視力の持続性にも個 人差がある。一概には言えないが、施術によって形成した角膜が自然治癒によって元に戻っ てしまい、それが原因で視力が徐々に低下していく場合がある。また、レーシック手術後に 回復した視力は、それまでに視力を落としたのと同じように、個人の生活スタイルや目への 負担、目のケア等によって徐々に視力低下が起こる場合もある。 第3項 老眼への効果 レーシックカムラという老眼治療で近くも遠くもしっかりと見えるようになる。 第3節 「難民」 レーシック施術後、眼、体に問題、症状が起こっているのに、適切な治療を受けられないで そのままにせざるを得ない人たちを「レーシック難民」と呼ぶ。不正乱視、脳圧上昇、充血、 眼精疲労、ドライアイ、夜間視力低下、明所でのまぶしさ、など様々症状がある。「自分の 目に合わないメガネが張り付いて取れない」と表現する人もいる。この「難民」の方たちの 中には、未然に防げたことだとして、厚生労働省に対し、特定の眼科のカルテ管理徹底、イ ンフォームドコンセントの徹底とその不履行後の失敗による免許取り消し、正しく誤解のな い情報の公開など多数を求める要望書を提出した。 第3章 まとめ 今回の研究で、たくさんの人に支持、肯定されているレーシックも、多くの人から眉をひそめ られる整形と同じく、一度施術すると後戻りが出来ない危険なものであると感じた。また、レー シック難民の方の主張を見ていると、レーシック施術関係者が身近にいる自分にとって、物事の 善悪は見る角度次第だと痛感した。今回の学習を通して様々なことを様々な角度で多角的に考察 できるようになりたい。 ~3~ ※※※ 参考文献 ※※※ http://www.lasikcomplications.com/index.htm http://www.kikuchi-college.ac.jp/KCOEL/LASIK/index.html http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF http://lasik-qa.seesaa.net/article/33889470.html http://lasik-information.jp/trivia/history.html http://www.lasikrefugees-offmeeting.org/sonota.html ~4~
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