公募制推薦入試/化学(後期) 出題のねらい

公募制推薦入試/化学(後期)
出題のねらい
【1】 A 電子の総数、酸化数、滴定曲線と中和の量的関係
に関する小問で、基本的な内容を問いました。
B 化学反応と熱をテーマにした総合問題を出題しまし
た。反応熱の種類を確実に把握し、熱化学方程式の
【1】
【解 答】(37 点)
A
B
問1
④
問2
⑥
問3
①
(各 4 点×3)
問1
ア ② イ ⑥ ウ ③ エ ⑦
(各 3 点×4)
問2 (1)③
(4 点)
(2)8.4×102J
つくり方を完璧にマスターしておいてください。
(4 点)
(3)NaOH(固)+ aq
= NaOHaq + 42kJ
【2】
(5 点)
A 緩衝液の pH、気体の状態方程式、理想気体と実
在気体に関する小問で、基本的な内容を問いました。 【解 説】
B コロイドをテーマにした問題で、水酸化鉄(Ⅲ)コロ
イド溶液の実験について取り上げました。コロイドの種
A 小問集合
問1 CO は総電子数 14 個、他の分子は 10 個である。
類、性質を確認し、コロイド溶液の特徴をしっかりおさ
えておいてほしいと思います。
【3】
A 炎色反応、硫化水素と沈殿反応、金属の判定に
問2 HNO(+
5)、NO(+
4)、NH(-
3)
3
2
3
問3 H 2SO 4 は 2 価、NaOH は 1 価 なの で NaOH 水
溶液は硫酸の 2 倍の 20mL が必要。
関する小問で、基本的な内容を問いました。
B ハロゲンをテーマに、ハロゲンの特徴、化合物、塩
素の実験室的製法などについて出題しました。ハロゲ
B 化学反応と熱
問1 (反応物のエネルギー)<(生成物のエネルギー)
ンの化 合 物であるハロゲン化 水 素の酸 化 力の強さや
であれば、吸 熱 反 応である。ヘンリーの法 則は気
性質について、しっかりと理解してほしいと思います。
体の溶解度に関する法則である。
【4】
A 不斉炭素原子、ベンゼンの反応、芳香族の分離に
関する小問で、基本的な内容を問いました。
B 油脂の構造と性質、セッケンなどについて出題しまし
た。まず、油脂、セッケンの定義を確認して理解した
上で、演習を通して油脂の加水分解に関する計算問
題の類題等に挑戦し、確実に計算できるようにしておき
ましょう。
問2 (1) NaOH は潮解性があるため、素早くはかり
取らないと空気中の水分を吸って溶けてくる。
  (2) 1.0 × 100 × 2.0 × 4.2=840J
  (3) 840 × 10-3 ×
40
=42kJ
0.80
公募制推薦入試/化学(後期)
【2】
【3】
【解 答】(37 点)
【解 答】(39 点)
A
B
問1
④
問3
①
問1
ア③
問2
③
A
(各 4 点×3)
イ④
ウ⑥
エ⑤
問2
B
問1
⑤
問3
⑥
問1
ア③
(各 3 点×4)
④
(3 点)
問3 (1)FeCl3 +3H2O → Fe(OH)
3 +3HCl
A 小問集合
[CH 3COOH]
問1 [H +] = Ka ×
[CH3 COO−]
CH 3COONa はすべて電離するため、CH 3COOH
の電離はごくわずかである。よって、
(各 4 点×3)
イ①
ウ⑥
(各 3 点×4)
③
(4 点)
問3 (1)MnO2 +4HCl
→ MnCl2 +2H2O+Cl2
(5 点)
【解 説】
②
エ⑧
問2
(5 点)
(2)③
問2
(2)a 水 b 濃硫酸
(5 点)
(各 3 点×2)
【解 説】
A 小問集合
問1 バリウムは黄緑色の炎色反応を示す。
問2 ア両者とも沈殿する。イ Ag+は Ag 2S として沈殿
するが、Zn 2+は沈殿しない。ウ両者とも沈殿しない。
[CH 3COOH] ≒ [CH 3COO− ] と近似できるので、
[H +] = 2.0 × 10-5mol/L
pH = -log(2.0 × 10-5)
= 4.7
wRT w
RT
問2 M =
= ・
PV V P 1.2 × 8.3 × 10 3 × 300
=
5
1.0×10 ×1.0 問3 Ag は金 属の中で電 気 伝 導 性 最 大。日常 最もよ
く使われている乾電池はアルカリマンガン乾電池で、
MnO 2 はその正極活物質として用いられている。
B ハロゲン
問1 ハロゲンは 17 族の元 素で、 価 電 子は 7 個、 単
体の酸化力は分子量が小さいほど大きい。
= 29.8 ≒ 30…C 2H 6
問2 一般に似たような構造をもつ分子では分子量が大
問3 (イ)理想気体の分子は、分子自身の体積は 0
きいほうが沸 点は高いが、HF は分 子 間で水 素 結
であるが質量はある。
合をつくるので分子量が小さいにもかかわらず沸点
(ウ)実在気体は、温度が高いほど分子間力の
が高い。
影響を受けにくいため理想気体に近づく。
問3 (1)MnO 2 は触媒ではなく酸化剤としてはたらく。
B コロイド
問1 疎水コロイドに少量の電解質を加えると沈殿する。
これを凝析という。親水コロイドに多量の電解質を加
えると沈殿する。これは塩析という。
問2 コロイド粒子は 10-9 ~ 10-7m の大きさをもち、ろ
紙は通過できるが、セロハンのような半透膜は通過
できない。
問3 (2)半透膜に入れ流水に浸けておくと、小さなイ
オンは半透膜を通って出ていくが、コロイド粒子は大
きいため半透膜を通らないで残る。
  (2)a 初 めに濃 塩 酸 から発 生した HCl を水に
吸収させる。
  b 濃 硫 酸は吸 湿 性があるため、気 体中の
水分を吸収して乾燥させるはたらきをする。
公募制推薦入試/化学(後期)
【4】
【解 答】(37 点)
A
B
問1
④
(4 点)
問2
③
問3
問1
ア⑨
イ②
②
(各 4 点×2)
ウ⑥
エ⑤
(各 3 点×4)
問2
⑥
(4 点)
問3
2.7g
(5 点)
問4
界面活性剤
(4 点)
【解 説】
A 小問集合
問1 乳酸 CH 3CH(OH)COOH 分子中の一つの炭素
には 4 つの異なる原 子や原 子 団 が 結 合している。
これを不斉炭素原子といい、これがあるため乳酸に
は光学異性体が存在する。
問2 Fe と Cl 2 から生じる FeCl 3 が 触 媒となって置 換
反応がおき、クロロベンゼンが生成する。一方、高
温高圧下で Ni を触媒にすると付加反応が起きてシ
クロヘキサンが生成する。
問3 アニリンは酸と反応して塩をつくり、安息香酸は塩
基と反応して塩をつくり、共に水に溶ける。
B 油脂・セッケン
問1 油脂とは高級脂肪酸のグリセリンエステルである
ので、水酸化ナトリウム水溶液でけん化すると、脂
肪酸のナトリウム塩(セッケン)とグリセリンに分解す
る。
問2 セッケンの水溶液は弱塩基性を示す。
問3 油脂 1mol を加水分解するために必要な水酸化
ナトリウムは 3mol である。油脂 20g の物質量は
20
mol であるから、必要な水酸化ナトリウムは
888
20
× 3mol である。NaOH = 40 より、
888
20
× 3 × 40 ≒ 2.7〔g〕
888