新技術説明会 バイオ燃料 n 光触媒を用いたリグノセルロース 糖化前処理技術 宮崎大学 工学部 物質環境化学科 (宮崎大学大学院 農学工学総合研究科) 田 畑 研 二 2009. 8. 5 宮崎の豊富なバイオマス資源の活用を目指す 宮崎大学キャンパス セルロース系バイオマスの酵素分解 キシラン セルロース リグニン (ヘミセルロース) キシラナーゼ キシロビオース セルラーゼ セロオリゴ糖 キシロオリゴ糖 ーキシロシダーゼ ーグルコシダーゼ グルコース キシロース 発酵 酸処理法採用の前処理施設の課題 第二次加水分解 建築廃材を 第一次加水分解 0.5~1.0wt% 希硫酸 数mm以下に 粉砕 0.5~1.0wt% 希硫酸 230~250℃ 150~180℃ 30~50 kg/cm2 約10 kg/cm2 ヘミセルロースの加水分解 課題 (1) セルロース グルコース セルロースの加水分解 過分解生成物の反応を制御できない。 (2) リグニンの一部が可溶化 (3) 酸回収、耐酸性の反応器等コストがかかる。 バイオエタノール製造プロセス アルカリ前処理方式 糖 前処理2 前処理1 木質系バイオマス (アルカリ処理)(糖化酵素処理) グルコース ソフトバイオマス {リグニン可溶化} アルコール 濃度99.5 % アルコール 濃度20 % 濃縮塔 もろみ塔 キシロース 残渣 キシロース エタノール 濃度100% 無水化処理施設 アルコール 濃度5 % キシロース発酵槽(KO-11使用) アルカリ前処理の期待される効果 ①セルロースとヘミセルロースを被覆しているリグ ニンやケイ酸はアルカリ可溶で、処理により、被覆 物が除去でき、分解酵素と構造性炭水化物の接触 界面が拡大され、消化率(分解率)の向上が期待さ れる。 ②ヘミセルロースとリグニンとの間の化学結合がア ルカリ処理により切断され、ヘミセルロースの消化 率が向上する。 ③アルカリ処理によりセルロース繊維束の膨潤が 起こり、分解酵素の繊維への侵入が容易となり、消 化率の向上が期待される。 アルカリ処理による農産残渣のセルラーゼ消化率の向上 NaOH濃度 g/NaOH/kg 稲わら 小麦わら もみ殻 乾物消化率 (%) (溶媒処理+セルラーゼ処理) 0 30 100 31.2 48.9 65.7 0 30 100 26.8 38.5 53.1 0 30 100 4.4 10.0 17.6 バイオエタノール通信 2009, No 2 より抜粋 クズ茎部 アルカリ(NaOH)前処理濃度の影響 クズ茎部 GOD-POD グルコース量変化( g/ l) 8 7 6 NaOH 0% NaOH 0.1% 5 NaOH 0.5% 4 NaOH 1% 3 2 1 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 時間 (h) 分解酵素処理時間 (分解酵素: アクレモニウム) 還元性光触媒 H2/H2O O2/H2O Relation between the band structure of a semiconductor and the photodegradation of water 閉鎖循環型光反応 装置 1.アルカリ処理 ・バイオマス 10 g (300 m >sample>212 m) ・1 wt% NaOH 100 ml スターラー付き オイルバス ( 100 ℃、1 h) 乾燥 洗浄(脱塩) 2.光処理 ・アルカリ処理 バイオマス 1.0 g ・Silicon 0.4 g ・dH2O 75 ml ハロゲンランプ ( 10 A 、2 h ) 中和 3.糖化処理 ・光処理バイオマス液 75 ml ・Accremonium cellulase 0.1 g ・0.2 M 酢酸Naバッファー(pH 5) 25 ml 恒温槽 ( 45 ℃ 、0 ~ 72 h ) 糖化度の測定 GOD POD法 Somogyi Nelson法 クズ茎部 GOD-POD グルコース量変化(mg/ml) 5 4.5 4 3.5 3 1%NaOH 2.5 1%NaOH Si 2h 2 1.5 1 0.5 0 0 20 40 60 80 クズ茎部 還元糖量変化( mg/ml) 7 6 5 1 % NaOH 4 1%NaOH Si 2h 3 2 1 0 0 20 40 60 分解酵素処理時間 80 クズ茎部(光照射時間24 h) GOD-POD グルコース量 (mg/ml) 4.5 4 3.5 3 2.5 1% NaOH 1% NaOH PCAT24h 2 1.5 1 0.5 0 0 10 20 30 40 50 分解酵素処理時間 (h) 60 70 80 ネピアグラス ネピアグラス (GOD・POD法)グルコース量 分解酵素処理時間 (h} ネピアグラス (ソモギ・ネルソン法)還元糖量 分解酵素処理時間 (h) 実用化に向けた最大の課題 実用化の可能性を明らかにするため、 現行システムとの比較を可能にするベ ンチプラントが必要。 企業への期待 ベンチプラント設計への参画を期待 本技術に関する知的財産権 発明の名称 :光触媒を使ったバイオマス由 来の燃料および/または燃料前駆体の製造 方法 出願番号 出願人 発明者 :特願2008-29817 :宮崎大学 :田畑研二 お問い合わせ先 技術移転機関 (株) みやざきTLO 特許流通アドバイザー 嶋貫 祐次 (しまぬき ゆうじ) TEL 0985-58-7942 FAX 0985-58-7945 e-mail [email protected]
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