フランス絵画と印象派 ~木村泰司

フランス絵画と印象派 ~木村泰司
「美術は見るものではなく、 読むもの」
西洋美術史界のエンターテイナー ・ 木村泰司さんに、 西洋美術鑑賞について、
特に印象派の鑑賞について伺いました。
日本人に馴染みのあるフランス印象派は、 実はフランス絵画の古典主義
に対する前衛的で革新的な美術運動だった。 だからこそ、 その対極にある
フランスの古典美術と、 その模範である古代ギリシアから、 脈々と続いた
西洋美術史を知った上で、 印象派の作品を鑑賞してほしい。 そこで初めて
美術史上における印象派の革新性が理解できるからだ。 ただ 「感性」 で
観るだけでは真髄は味わえない。 西洋美術は見るものでなく読むものなの
である。 伝統の上に革新はあるのだ。 そして、 印象派の世界をより理解す
るには、 19 世紀のフランスで印象派の画家達が描き出した世界の背景を
理解しないことには、 彼らが紡ぎだした美の世界に深く入り込めないので
ある。 そうすることによって、 印象派の 「謎」 がより深く理解できるのだ。
名画の言い分―数百年の時を
超えて、 今、 解き明かされる
「秘められたメッセージ」
木村泰司著 / 集英社 2400 円
時代背景や物語を知ることで、 その時代になぜその絵が描かれたのかがわかり、 その作品にどんなメッセージ
が託されているかを読み解いていくことができる・・・。 そうなれば、 西洋美術の世界を面白楽しく味わうことが
できそうです。
西洋美術史研究家・木村泰司の 「フランス絵画と印象派」 が5月からスタート
美術展などで人気の印象派の画家たちが、 産業革命後の大きな時代のうねりのなか、 革新的なものとして
生まれたことをご存知ですが ? そんな時代を象徴する近代 ~ 印象派の画家を取り上げ解説。 軽妙な語り口
の解説で人気の講師による、 フランス印象派画家たちの真実の姿をお楽しみください。
5 16 日
フランス絵画の古典 (ニコラ ・ プッサンとクロード ・ ロラン)
6 5 土
近代絵画の夜明け (クールベとマネ)
7 3 土
モネ
8 7 土
ルノワール
9 4 土
ドガとパリジャンたち
10 2 土
2人の女流画家 (ベルト ・ モリゾとメアリー ・ カサット)
13 :00~15:00
受講料 : レギュラー会員 各 3675 円 / ビジター 各 4200 円
今回登場する作家の代表作は・・・
散歩、傘をさす女性
クロード・モネ 1840-1926
アルカディアの
羊飼いたち
タルスに上陸する
クレオパトラのいる風景
ニコラ・ ブッサン
クロード・ロラン
1594-1665
1600-1682
画家のアトリエ
笛吹く少年
ギュスターヴ・クールベ
エドゥアール・マネ
1819-1877
1832-1883
ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏場
ピエール=オーギュスト・ルノワール 1841-1919
踊りの花形 (エトワール)
エドガー・ドガ 1834-1917
化粧をする後向きの若い娘
縫い物をする若い母親
ベルト・モリゾ
メアリー・カサット
1841-1895
1845-1926
西洋美術史家 木村泰司
Photo : 中川十内
1966 年生まれ。 米国カリフォルニア大学バークレー校で美術史学士号を修めた後、 ロン
ドンサザビーズの美術教養講座にて WORKS OF ART 修了。 ロンドンでは、 歴史的なアー
ト、 インテリア、 食器等本物に触れながら学ぶ。 東京 ・ 名古屋 ・ 大阪と講演活動を始めて
から、 彼の軽やかなテンポの講義に沢山の方々が魅了されている。