私の政策提言 ~ 高校生の力で群馬を元気に! ~ 群馬県立高崎女子高等学校2年 深津 里佳 目次 1, はじめに 2, 群馬県が抱える人口問題 3, 高校生の地域参加について 4, 群馬県高校生会議の活動と地域活性化に向けて 5, まとめ 1.はじめに 私は群馬県高校生会議という学生団体に所属し、現在その副代表を務めている。群馬県 高校生会議では、ふるさと群馬を、群馬に暮らす高校生を、活性化することをビジョンに、 「主体的な高校生」 「視野の広い高校生」 「発信力のある高校生」を生み出し、つなげるこ とをミッションに、学校ではできない体験や経験を高校生が自らの手でつくりあげるとい った活動をしている。この団体に加入した頃は、団体のことや活動内容のことについて学 ぶこと、そして多くの仕事をこなすことに精いっぱいで、運営に携わっているのにも関わ らず、主体的に活動のことを考えられていなかったように思う。しかし、加入から約1年 が経ち、自ら活動内容や仕事内容を考える余裕がもててきた。そこで、本団体での取り組 みを通して私が考えた、ふるさと群馬を、群馬に暮らす高校生を、活性化するための政策 を提案しようと思う。 2.群馬県が抱える人口問題 群馬県では有名な上毛かるた。このかるたには、 「力合わせる 200 万」という札がある。 おそらく上毛かるたをやったことのある群馬県民なら誰もが知っている札であろう。その 札の句にある数字は群馬県の人口を表している。これまで 160 万から 180 万へ、180 万か ら 200 万へと変化してきた。しかし、その 200 万が変わってしまう日がそう遠くないとい う話を以前私は聞いた。今まで通り増えるのではない。減ってしまうのだ。 現在(2015 年 8 月 1 日)の群馬県の人口は 1,971,036 人である。すでに 200 万人を割 り込んでいる。また、平成 26 年群馬県移動人口調査結果による自然動態(出生と死亡) 及び社会動態(転入と転出)からみた人口増加率は-0.37%で、2005 年から 10 年連続で減 少している。群馬県の将来推計人口は 2018 年には 1,932,668 人とされており、その後も さらに減り続けることが予想される。このように人口が減る原因は主に 2 つあると考えら れる。1 つ目に、合計特殊出生率(その年次の 15 歳~49 歳の女性の年齢別出生率を合計 したもので、1 人の女性が仮にその年次の年齢別出生率で一生の間に子供を産むと仮定し たときの子供の数)の低下。2 つ目に流出人口の増加だ。 出生率の低下という点では、群馬県の合計特殊出生率は近年、全国平均をわずかながら 上回っていたが平成 24 年全国平均を下回った。現在も一貫して減少傾向にある。 流出人口の増加という点では、2015 年 3 月の社会動態に着目すると、転入人口は 11,604 人、転出人口は 13,901 人と、転出人口が転入人口を上回っていることがわかる。3 月とい う時期から、勤務先の移動や大学進学などにより、群馬から出ていく人が多いことが読み 取れる。群馬の高校に通っていた人が、県外の大学に進学するため、群馬を離れるという ケースが流出人口増加の 1 つの大きな原因なのではないかと私は考える。 以上の結果より、このままでは群馬はどんどん活気を失っていってしまうのではないか と考えられる。どうにかして、私たちの暮らす、このふるさと群馬を活性化しなければな らない。 3. 高校生の地域参加 ふるさと群馬を活性化するために、立ち上がるべきは高校生であると私は考える。これ にはもちろん、これからの群馬県を支えるのは今の群馬の高校生であるからという理由も ある。更には、昨今「グローバル化」が社会で叫ばれる中、学校における国際教育は一層 充実度を増しているように思えるが、そういった中で我々高校生が自らの生活の場である ここ「群馬」を考えたり、関わったりする機会が少なくなっているように感じるからだ。 大学進学等で「ふるさと」を離れて行く前に、高校生が自ら地域を考え関わってほしいと 私は考える。高校生が地域活性化のためにできること、それは積極的に地域活動へ参加す ることだと思う。私の住む地区を例に考えるとしよう。地区で行われる行事や会議への参 加者のほとんどはお年寄りである。そこに高校生のような若者が参加してみてはどうだろ うか。雰囲気がガラっと変わるのではないかと思う。では実際に地域活動に参加している 若者はどのくらいいるのだろうか。前橋市の市民アンケートによると、地域活動に参加し ているという人は、18 歳~29 歳では 0.8%、30 歳~39 歳では 11.4%、40 歳~49 歳では 20.3%という結果が出ている。しかし、「機会があれば参加したい」という項目では、18 歳~29 歳では 34.2%、30 歳~39 歳では 26.7%、40 歳~49 歳では 29.0%という結果とな っている。この結果から、若者の地域活動への興味関心は比較的高いものの、実際に参加 することができていないという現状がうかがえる。 身近な例を考えてみると、確かに若者が地域へ参加しやすい環境は整っていないかもし れない。それに、私たち群馬の学生は、群馬がこれから高齢化社会を迎えることや、自分 の地域のことについて学校で学んできているため、地域への関心はあるほうだと思う。と なると、高校生が群馬の活性化に協力するために必要なものは、地域活動に参加する機会 だけなのかもしれない。以上のことから、若者への地域参加の機会の創出が地域活性化へ の大きなステップとなることが考えられる。 4. 群馬県高校生会議の活動と地域活性化に向けて ここではまず、群馬県高校生会議という団体について説明したいと思う。 群馬の高校生は、学校という枠を超え、さまざまな高校生と交流したり、自らの意見を 発信したりする機会が、様々な団体によるディスカッションイベントなどが多く開催され ている都市部の高校生に比べ限られている。 「ならば、我々でその機会を創り出そう」と、 群馬県高校生会議は上記の目標を達成するためのイベント「群馬県高校生会議」の運営団 体として、2013 年に県内有志高校生 4 人によって設立された団体である。2015 年、群馬 県高校生会議は発足 3 年目を迎えるが、これまでに 4 回の「群馬県高校生会議」を開催し てきた。本イベントでは、各回テーマを決め、様々な分野の講師の方をお招きし、講演、 ディスカッション等を行っている。例えば今年 3 月に行われた、 「第 4 回群馬県高校生会 議」では、テーマを「高校生ふるさと開発会議~あなたの一歩でぐんまを変える~」とし、 「農業」 「教育」 「観光」 「国際化」の分野から自分たちの暮らす群馬を見つめなおした。ま た今年は、団体理念に「高校生の力による地域(=群馬)活性化」を新たに掲げることと なった。加えて、今後は「群馬県高校生会議」だけではなく、様々な分野において、県内 高校生が自ら創り上げようとするイベントを支援する活動も行い、学校の枠を超えてより 県内高校生が関わりあえる場を提供していく予定である。その例として、今年 9 月に「ハ イスクールバンドフェス in MAEBASHI」が計画されている。このイベントは、 「群馬に は高校生の活躍できる音楽イベントが少ない」 「自分たちで開催するには費用がかかりすぎ る」と悩むバンドを組む高校生と、 「まちなかに若者が少ない、活気がない」と悩む大人た ちの声を結びつけて考えられたイベントである。このように群馬県高校生会議では、冒頭 で述べたビジョン、ミッションを達成すべく、高校生が自らの手で様々な活動を行ってい る。 私は、そんな群馬県高校生会議で 1 年間活動してきた。そこで考えたことをもとに、高 校生の力で地域活性化をするための具体策を提案したい。 (1)各高校と群馬県高校生会議のより密接な関係づくり これまで群馬県高校生会議では、イベントの際に県内の各高校にイベントチラシ、ポス ター等の配布を行ってきた。しかし、学校の判断で生徒までそのチラシが渡らないことも 多くあった。その原因として、群馬県高校生会議が一体どんな団体なのか学校側がよく分 かっていないことや、そのイベントの学校教育への必要性が十分に理解できない、などが 挙げられる。前述した通り、若者の地域活動への興味関心は比較的高いが、機会がないた め活動に参加できていない、という現状が群馬にはある。群馬県高校生会議では、そうい った機会を創出するためにもイベント等を企画しているが、その広報がうまくいかなけれ ば、高校生は地域参加のための機会があるのにも関わらずそれらを知ることができない。 したがって、県内の各高校に群馬県高校生会議のことをもっと知ってもらえるよう働きか けることが大切である。その策として、団体ホームページの充実や、運営メンバーやイベ ント参加者による各学校側への活動報告などが有効だと考える。もちろん高校だけでなく、 県内全域により積極的な広報活動を行い、当団体の存在を知ってもらえたら、と思う。 (2)群馬県内広域でのイベント開催 群馬県高校生会議ではこれまで計 6 回のイベントを開催してきたが、それらの開催場所 は前橋・高崎のみであった。前橋・高崎は群馬県内では人口も多く、比較的活気のある地 域である。県内には地域活性化を求める市町村が他にもたくさんある。更に、これまでイ ベントへの参加者は前橋・高崎在住の高校生が多かった。前橋・高崎とは異なる場所での イベント開催をすることで、地方の高校生は地域参加をする機会を得ることができ、前橋・ 高崎の高校生は、自分の住む場所とは違った場所に住む高校生と交流することで、同じ群 馬に住む高校生の中でも新たな発見を得ることができたり、視野をひろげたりすることが できたりするかもしれない。また、群馬県の自分が知らなかった一面を知ることができる かもしれない。運営側としても、県内広域でのイベント開催により、各イベントにそれぞ れの地域の特色を生かすことができ、多様なイベントを企画することができると考える。 さまざまな地域でイベントを開催することにより、より多くの高校生に群馬の活性化に興 味関心をもち、協力してもらえたら良いと思う。 (3)県外高校生のイベント招待 よりよい地域活性化への活動に向けて、県外の高校生のイベントへの招待を提案したい。 これまで群馬県高校生会議では、県内の高校生向けにイベントを企画し、開催してきた。 しかし、こういったイベントで行われるディスカッションでは、全員が群馬在住のため、 群馬を客観的に見ることができていなかった。このようなことから、県外の高校生を群馬 県高校生会議のイベントに招待することで、県内の高校生は客観的に群馬を考えることが でき、また県外の高校生は群馬を訪れ、群馬を考えるイベントに参加することで、県外の 人に群馬県のことを知ってもらう機会にもなる。実現のために、まずは、群馬に地理的に 近い県に住む群馬県高校生会議に関心をしめしてくれる高校生や高校生団体を探すことか ら始めたいと思う。 5. まとめ ここまで高校生の力で群馬を活性化することについて述べてきた。群馬をこれから元気 にしていくのには、高校生の力が必要なのだ。群馬県に対しても、高校生に対しても、高 校生による地域活性化は利益をもたらすことができる。 「グローバル化」が叫ばれる中で、 県内の高校生にもう一度、自分の足元を見つめなおしてほしい。群馬県のことについて考 えてほしい。その手段として、群馬県高校生会議及びそのイベントを活用してもらえれば 幸いだ。 また、群馬県高校生会議を通しての私の政策をここまでで 3 つ提言してきた。どれも不 可能なことではない。少しずつでも実現に向けて、運営のメンバーたちと力を合わせて活 動していきたいと思う。 【参考文献】 ・群馬県統計情報提供システム、toukei.pref.gunma.jp/、(2015/08/26 閲覧) ・少子化の進行-群馬県、kodomo.pref.gunma.jp/public/shihyou/1.pdf、 (2015/08/26 閲覧) ・群馬県前橋市|市民アンケート、www.city.maebashi.gunma.jp、 (2015/08/26 閲覧)
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