平成27年8月2号(8月18日発行)

発行日: 平成27年 8月18日
発行者:
金融商品取引業者 北陸財務局長(金商)第 3 号
日本証券業協会加入
制作責任者: 営業業務部 調査課
Dynamic Psychological Ratio 9
80
70
60
50
40
30
20
22
21
20
第559号
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
-100
8
9 10 11 12 14/1 2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 15/1 2
3
4
5 6
7
8
上図は騰落銘柄数をベースとした独自のもので、黒の幅が拡大→買い場、白の幅が拡大→売り場
下図は RCI(9 日ベース)で、 -80% ラインを上につき抜け→買い場
80%ラインを下につき抜け→売り場
大 所 高 所
中国経済の混乱を契機に、2012 年にノーベル文学賞を得た中国の莫言の代表作「豊
乳肥臀」を再読している。清朝が崩壊し、その混乱の後に毛沢東の中国が成立、そし
て文化大革命を経過して現在の中国大躍進が始まる、その疾風怒濤の中で、庶民がど
のような生活を強いられたのか、それを卑猥露骨誇張した表現で戯画化しつつ物語っ
た大作だ。その奥底には、思った事を言えない非民主的政治への痛烈な批判がある。
元々、莫言というペンネームが暗にそれを示している…ズバッと言いたいけど、言う
なかれと自制しながら書かざるを得ない、という強いメッセージだ。
莫言は中国を離れられないので本心を韜晦せざるをえないのだが、「ワイルド・ス
ワン」を書いたユン・チアンとなると英国在住なので本心が書ける。毛沢東の一生を
描いた「マオ」は膨大綿密な傍証をもとに、いかに毛沢東が自己中心的で権力欲だけ
の人間であったかを徹底的に暴いている。スターリンのソ連と同様、共産主義と非民
主主義一党独裁が、最初は理想を追い求めたものであっても、徐々に自己の保身のた
めのものに変質していったことが良く分かる。
私有財産を認めない共産主義と、思ったことも言えない非民主主義とが共存する
中国が、このまま今度も伸びて行けるとは到底考えられない。中国の頓挫→大変化は
望むところだ。
(BIS)
た だ 一 筋
想定外であった中国の人民元切り下げの動きから、世界同時株安様相を呈してい
たが、ひとまず収束しつつある。米経済紙WSJの「慌てる必要はない」とのコメン
トにあるように、世界景気への影響は限定的との見方がでてきたからだ。また、中国
を震源地とするリスク回避の動きは先の中国株急落で免疫が出来ていたこともあるよ
うだ。
さて、このような大きく揺れた世界株式の中において日本株の強さ(日経平均株
価の 2 万 500 円中心の高値揉み合い)は注目される。中国株から日本株へのシフトも
想定でき、今後の展望を明るくするものだ。好調さを確認できた 4-6 月期の決算、円
安・ドル高トレンド、原油安、高水準の売買高等々、上値追いの条件も整いつつある。
ただ、注意を要するのは海外要因である。しかし、「米国の景気回復を背景とする
金利引き上げ」>「中国景気減速を震源とする世界景気への悪影響」の構図さえ崩れ
なければ楽観的見方が必要と捉えたい。
このような状況下、当面の物色対象は過熱感があるインバウンド関連や慎重な企
業マインドによる設備投資関連は避け、利益が出る体質となってきた建設株に資金が
集中するのではないか。また、今や圏外に放置された低位株にも陽の当たる日が遠く
ないのではないか。
ここは、好循環の物色展開を想定し、押し目狙いを基本に投資資金を増やしても
よい状況といえよう。
(三感王)
当 た り 屋 見 参
8 月 11 日の日経平均株価は 6 月 24 日の高値 20952.71 円に肉薄する 20946.93 円ま
で上昇した。しかし中国人民銀行による 3 日連続の元切り下げをきっかけとした世界
的な株式相場の下落により、上値を抑えられる展開になってしまった。
元を切り下げないといけないくらい中国経済が悪化していると株式市場は判断、
とくに鉄鋼株の下落は際立ち、14 日にはJFEが年初来安値を更新し、新日鉄住金
や神戸鋼も下落、東証 33 業種別株価指数の「鉄鋼」は7月 29 日以来、ほぼ 2 週間ぶ
りに年初来安値をつけた。鉄鋼株低迷の背景には、中国が景気に勢いを失いつつある
ことが挙げられる。製品供給過多となれば東南アジアで製品価格が下落し、日本メー
カーの収益に悪影響が出かねないとの思惑だ。更にWTIも約 6 年 5 カ月ぶりの安値
まで下落。資源を大量消費してきた中国への警戒感は至る所で表れている。
小売りなどの内需株は値を比較的保っているが、それに続く銘柄群がなかなか見
つからない。そこで中国の人件費が高騰し国内回帰が進んでいる現在、設備投資や機
械株に注目してみるのはどうだろう。世界最大規模の物流システムを提供しているダ
イフク (6383) を仕込みたい!
(ヴィクト利ア)
老 練 の 視 座
先週、中国当局が人民元の基準値を切り下げてから、日本株をはじめ世界の株式
市場が動揺し不安定な動きとなった。中国政府にとっては想定を超える景気減速で、
輸出を後押しする必要からなりふり構わずの行動となったようだ。日本株はSQの週
であった事もあり先物絡みの売買も加わっての人民元ショックだったようだ。
ただ日本企業は好決算が多く見受けられ、個人投資家の待機資金、年金積立金管
理運用独立行政法人(GPIF)、日銀の買い等が控えている。米国の利上げ時期や
中国の出方(先月の上海株価の下げに対する対応、通貨政策の転換等)など外的要因
によって振らされる可能性はあるものの、建設、不動産、小売、銀行、証券など内需
関連は好決算を受けた銘柄が多く引き続き物色されていくと思われる。また、少額投
資非課税制度(NISA)利用の個人投資家から日本株投信、株主優待、高配当株式
への関心は高いと思われ、今後のスケジュールを睨みつつテーマに沿った銘柄に注目
していきたい。
マイナンバー制度関連でNEC (6701)、NTTデータ (9613)。その他、三井住友
建設 (1821)、カイノス (4556) に注目している。
(風) き ら き ら 星
今年 7 月、長崎ハウステンボス内に『変なホテル』がオープンしました。フロント、
コンシェルジュ、クローク、ポーター、すべてロボットが対応します。部屋にも時間・
天気・気温を教えてくれるロボットがいます。ロボット従業員で「世界一生産性の高
いホテル」をめざしています。
販売開始からわずか 1 分で完売し、話題となった『ペッパー』。ソフトバンクが開
発したスマートロボットで感情を持ち会話もスムーズに行うコミュニケーションのた
めのロボットです。情報革命は人間を豊かにし人々を幸せにするといわれています。
近い将来ロボットと共に生活することになるのでしょう。8 月 29 日に 8 月分(1000 台)
を販売します。今月は何分で完売するのでしょうか?
ソフトバンクグループ (9984) は決算発表と自社株買い発表をきっかけに株価は大
きく上げました。2013 年 12 月 27 日 9320 円の高値を付けてから約 1 年半ボックスの
値動きとなっています。ボックスを上放れるのも近いのではないでしょうか?
(花火)
ア ナ ロ グ の 俯 瞰
最近の相場は、上でも下でも一方通行になりかかると、必ずと言っていいほどそ
れを逆作用させる材料が出てくる。それが相場というものかもしれないが、意図的に
さえ感じてしまう。揉み合い相場もまた然りだ。今回は中国発「人民元ショック」と
いう材料により、相場は一旦下に振れた。が、波のないところへの波風は強風とはな
らず、下げは一時的で終わった。ボックス相場は続く。
アベノミクス相場が始まってからのトレンドについて、『1 年上昇、5 ヶ月調整』
というサイクルが見られるとの解説があった。この解説通りにゆくなら、今は調整後
2 ヶ月経過。あと 3 ヶ月でまた上昇相場ということになる。案外的を得てるのかもし
れない。あとはボックス相場を抜け出すきっかけが何になるかだ。日本発か米国発か
はたまた中国発か?何が飛び出すにせよ、一つ言えることは日本株は予想以上に底堅
いということ、これはこの先何を暗示するか?溢れる市場の資金を背景に、溢れる期
待を抑えつつ、次なる相場への準備段階としたい。
3 回連続紹介テクノプロ・ホールディングス (6028)、これは 2 回連続日成ビルド
工業 (1916)、決算発表翌日に初上昇?懲りずにデジタルガレージ (4819)。
(体調横這い、株価も横這い、なのに期待は四倍クレイジーゲーマー)
アナリストによる北陸企業便り
<セーレン>
(近藤浩之)
2016 年 3 月期第 1 四半期は小幅な増収ながら 2 割強の営業・経常増益。会社計画
を上回る内容となり、この上振れ分を第 2 四半期や通期見通しに上乗せした。セグメ
ント利益の増加額が一番大きかったのはハイファッション(各種衣料製品、衣料用繊
維加工)。メディカル(化粧品、浄水器及びフィルター、医療用製品)
、エレクトロニ
クス(ビスコテックス・システム及びサプライ、工業用ワイピングクロス、電子機器)
は通期会社計画に対する進捗率が 3 割前後と高水準だ。車輌資材(自動車・鉄道等の
シート材、エアバッグ、加飾部品)は高付加価値商品が好調だった。外部環境にも良
い材料が多く、染料価格は上昇が続くが価格転嫁が可能な状況にあり、為替は想定レー
ト(1 米ドル= 115 円)より円安で推移している。対して、注意したいのは、車輌資
材において中国での生産が計画以上に落ち込んでいること、ハイファッションの受注
の先行き不透明感―である。
中期的な視点では、車輌資材が牽引するとみる。インド、インドネシア、メキシ
コは 2017 年~ 2018 年に黒字転換が見込まれ、海外自動車メーカーへの納入も増えて
いくだろう。
8 月 17 日の終値は 1,443 円で、2006 年 12 月以来の高値である。今期は過去最高
益が見込まれることや、中期的な収益拡大期待、収益性が同業他社よりも高いことな
どから上値余地があるとみている。
罫 線 中 僧
6701 NEC
週足
500
400
300
200
100
0
日足
500
450
400
350
300
250
200
出所:ブルームバーグ
中国景気減速・人民元安誘導など、不気味な中国リスク
が連続するなか、日経平均は 7 月前半ほど大きな波乱にはな
らず、むしろ底堅さを感じるようになってきた。中国リスク
で売られた銘柄群のなかには、日柄・値幅ともに調整十分と
なり、確かな技術力と好調な業績を背景に反発のタイミング
をうかがっている銘柄も多々あると思う。そんな中、今回は
いち早く 75 日移動平均線を上回って推移しているNECを
取り上げたい。
アベノミクス相場では 100 円台から出発し、今年 4 月に
高値 430 円をつけた後は全体波乱のなか 350 円程までの下落。
直近、日経インデックス 400 構成銘柄に追加されると決まり
一気に 400 円台を回復し、信用買残は 2 週連続大幅減で個人
の信用買いの整理も進んでいる。宇宙関連システム・顔認証
セキュリティなど多岐にわたる高い技術力を保有。押し目買
いで臨みたい。 (しんのすけ)
*情報シャトル特急便は、投資家の参考となる情報提供を目的としておりますが、
投資にあたってはご自身の判断でなされるようお願いします。
株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.1799%(税込)(1.1799% に相当
する金額が 2,565 円未満の場合は 2,565 円(税込))の委託手数料をご負担いただ
きます。株式は、株価の変動により損失が生じるおそれがあります。
非上場債券を当社が相手方となりお買い付けいただく場合は、購入対価のみお
支払いいただきます。債券は、金利水準の変動などにより価格が上下し、損失を生
じるおそれがあります。
投資信託にご投資いただくお客さまには、銘柄ごとに設定された販売手数料お
よび信託報酬等の諸経費等をご負担いただきます。投資信託は、主に国内外の株式
や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、
当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資 1 単位当りの価
値が変動します。したがって、お客さまのご投資された金額を下回ることもありま
す。
外国株式・外国債券等は、為替相場の変動などにより損失が生じるおそれがあ
ります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、その商品等の上場有価証券
等書面、契約締結前交付書面やお客様向け資料をよくお読みください。