平成27年9月2号(9月15日発行)

発行日: 平成27年 9月15日
発行者:
金融商品取引業者 北陸財務局長(金商)第 3 号
日本証券業協会加入
制作責任者: 営業業務部 調査課
Dynamic Psychological Ratio 9
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第561号
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上図は騰落銘柄数をベースとした独自のもので、黒の幅が拡大→買い場、白の幅が拡大→売り場
下図は RCI(9 日ベース)で、 -80% ラインを上につき抜け→買い場
80%ラインを下につき抜け→売り場
大 所 高 所
海外事情に強いある要人から、中国株暴落について裏話を耳にした。政府筋を後
ろ楯にした欧米ヘッジファンドの強力な売り仕掛けに拠るものだというもので、それ
は ①肥え太ってきた中国など新興国の富を、一挙に取り戻す 1990 年初頭の日本株
暴落と全く同じ構図。欧米諸国が総がかりで中国失墜を狙う。 ②欧米がその力を保
持するには、複雑な金融技術を駆使する金融大国の地位を守るしかない。金融倫理の
浸透を狙うボルカールール厳格適用を世界金融混乱で牽制したい。 ③豊島逸夫氏の
指摘のように、例え 0.25%利上げであっても金利が付くとヘッジファンドはかなり
動きにくくなる。それを出来る限り先送りさせたい…以上 3 つの理由に拠る、という
ものだ。別の外資系証券会社筋からも、ここ 1 年の中国からの資金流出額はハンパな
ものではなく、これでは長期間、中国は立ち直れまい、との観測も入ってきている。
そのように中国が長期低迷することを前提にした場合、日本株はどうなるのか? 中国が退潮しても、悪いことばかりではない。現に足元の欧米の景気は、かなり良く
なってきている。当初はそのマイナス面ばかりに目が行ったのだが、いずれそのプラ
ス面にも目が向くだろう。そこからが勝負になる。その分水嶺を見定めることが大切
だ。
(BIS)
た だ 一 筋
中国経済に対する懸念をきっかけとした世界同時株安だが、ほぼ一ヶ月を経過し
ても落ち着きを取り戻せていない。日経平均株価では先々週が 1,344 円(7%)の下落、
先週が 472 円(3%)の上昇と依然として変動率の高い相場展開で先物中心の空中戦
を演じている。
アベノミクス相場が始まって以降、今回のような大幅調整(10%超の下落)は 3
度経験したが、2013 年 5 月のバーナンキ・ショック(米量的緩和の縮小を示唆)と
2014 年 1 月の米量的緩和の縮小開始の 2 度の急落場面では回復に半年程度を要した。
だが、3 度目の 2014 年 10 月の大幅調整(米量的緩和縮小)では、すぐに日銀の追加
緩和が実施され、わずか半月で急落前の水準まで回復している。
さて、このような状況下、今後の方向を決定づけると見られる今週のイベント(14
~ 15 日の日銀金融政策決定会合、16 ~ 17 日のFOMC)には、世界中の市場関係
者が注目している。
したがって、当面はリスクを取りにくい状況が見込まれるが、日本株の割安感は
根強く、好調な企業業績を背景に、ここからの押し目は注目できよう。
個別では、業績上振れ濃厚銘柄として大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)、中
村超硬 (6166)、フェローテック (6890) を狙いたい。
(三感王)
当 た り 屋 見 参
年初 1 月から 8 月の第一週までに外国人投資家は日本株(現物株・先物合計)を
3 兆円以上買い越してきました。しかし、8 月の第 2 週から第 4 週までの 3 週間で、3
兆円以上売り越し、たった 3 週間で年初からの買い越し分を全部吐き出した形となり
ました。いかにすごい売りだったかという事がわかります。
この中でも、直近の 8 月の第 4 週は 1 兆 8000 億円以上の売り越しで、8 月の月間
トータルでは外国人投資家は 2 兆 5000 億円以上の売り越しをしています。これは、リー
マンショック以降では最大です。その分、下げが大きくなったわけで、今後も予断が
許されない状況が続くのかと思っております。今週も様々なイベントがありますので、
一つずつ注意しながら見ていく必要があると思っております。
そんな環境の中、内需銘柄に焦点を当てたいと思います。先月、中央リニア新幹
線の南アルプストンネル(山梨側)の工事を大成建設 (1801)、錢高組 (1811)、佐藤
工業が受注したとニュースが流れました。長野県側からは、鹿島 (1812)、安藤ハザ
マ (1719)、西松建設 (1820)、大豊建設 (1822)、飛島建設 (1805) などが注目されそ
うです。
(No.8)
老 練 の 視 座
今週は日米双方の中央銀行の金融政策発表が注目される相場展開となろう。14 ~
15 日に開かれる日銀の金政策決定会合、16 ~ 17 日に米連邦準備理事会(FRB)が
開く米連邦公開市場委員会(FOMC)は、世界経済を牽引してきた中国経済の減速
懸念がもたらした世界の株安が止まらない中、最大の注目になる。
特に、東京証券取引所では、システム取引による超高速取引によって一日での上
下の値幅が大きく、投資家の中では売買に参加することを不安に思う人が多くなって
いる。このような心理状況の相場環境の中、8月上旬に発表された 2015 年4~6月
期の連結決算で営業利益がそろって大幅増益となった大手ゼネコン・建設は需要環境
が良好だ。中長期的にも、オリンピック、リニア、防災、耐震、大型土木など材料も
豊富で、安定した業績が見込まれ、今後評価される動きになるのではないかと思われ
る。
銘柄としては、清水建設 (1803)、大林組 (1802) に注目。
(見附島)
き ら き ら 星
ウォール街には「5 月に売り逃げろ」という格言があるようだ。現に N Y ダウの
2015 年高値は 5 月 19 日の 18,351 ドルだから「売り逃げ」が大正解だったことになる。
実はこの格言には続きがあり、「5 月に売り逃げ、9 月に再び戻ってくることを忘れる
な」と言うのだ。
そもそも 9 月は日本株にとっても鬼門のような月。過去 10 年間の日経平均株価は
6 勝 4 敗だが、戦後の取引所再開以来では 29 勝 37 敗で勝率は 43.9%。この勝率は 1
年の中で最悪である。とはいえ、モノは考えよう。最悪の月だからこそ、投資家にとっ
ては買い戻しのチャンスであり、新規買いの好機となる。大いなる逆張りの好タイミ
ングなのだ。いずれにしても、ここから秋相場。市場環境を見回すと、海外要因には
依然として不透明さが残り、頼りにすべき企業業績の動向がハッキリ見えてくるのは
もう少し先。ならば、ここはやはり材料株やテーマ株の出番が多くなるとみておいた
方が良いだろう。
企業のマイナンバー対策がいよいよ本格化する。システム最適化など I T コンサル
ティングの ITbook(3742) に注目。
(HARUSUKE)
ア ナ ロ グ の 俯 瞰
お盆明けから日本株へ超大型台風が吹き荒れた。それも一度ではなく、2度3度
と吹き返しが下落幅を大きくした。中国景気悪化懸念に端を発した世界を巻き込む暴
落だった。それプラス米国利上げ観測。自然災害というにはあまりにも不自然な短時
間での上下のブレ。大きな力、大きな資金力によりまさに人為的台風が日本を直撃し
た格好だ。こうなると市場心理は不安、そして迷い、さらには疑心へと負の悪循環と
なる。そこを狙う投資家は沢山いる。日本の市場のような巨大で、自由が利き、そし
て大人しく、気が優しい民族性の市場においては不安心理を煽っての仕掛けウリはど
んな国の市場より容易だ。但し、逆の心理(強気)もありだ。
相場転換のきっかけを日本時間 18 日未明のFOMC政策金利発表に賭けるのも一
つの手か。戻り売り相場とは言え、戻り幅は大きい可能性もある。溢れる市場資金を
是として長期的視点でピンチをチャンスと捉えながら、個別銘柄を紹介したい。
派遣法改正から4度目テクノプロ・ホールディングス (6028)、自動運転分野参入
でパイオニア (6773)、郵政関連で電算システム (3630)。
(最近また相場格言にハマリだしたクレイジーゲーマー)
アナリストによる北陸企業便り
(近藤浩之)
<サカイオーベックス>
2016 年 3 月期第 1 四半期は増収、大幅増益。染色加工、繊維販売の両事業ともに
婦人衣料用途が堅調だった。円安を背景に、北米への輸出向けが伸びた上に、工場稼
動の効率化を進めたことも奏功した。経常利益ベースでは、持分法による投資利益の
増加が大きかった。中国にある持分法適用関連会社(東麗酒伊織染(南通)有限公司)
はファストファッションブランドへの供給が好調、欧米向けの輸出も伸びている。
通期を見通すと、懸念材料には①世界景気減速による消費の落ち込み、②染料、
薬品の一段の値上がりが予想されることなどがあるが、好材料には①原油安を映した
燃料費低減、②持分法による投資利益の伸びの持続などがある。今期業績は営業利益
で 17 億円(会社計画比 +9.7%)程、経常利益で 27 億円(同 +22.7%)程を予想する。
注力ポイントは「繊維販売」と「炭素繊維」。繊維販売は、ODM(相手先ブラン
ドによる設計・生産)を強化する。婦人服やスポーツウェアを企画し、アパレルメー
カー、百貨店に売り込んでおり、徐々に成果が出てきた模様だ。炭素繊維は展示会へ
の出展などで拡販を進める。
バリュエーションの観点から投資魅力がある。上述した利益予想に基づくと、E P S
は 28 円程度が見込まれ、予想 P E R は 6 倍台と、過去の推移や同業他社との比較から
みて割安感がある。期待されるのは「増配」だ。業績好調を受けて増配となれば好材
料となろう。
罫 線 中 僧
週足
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
日足
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
出所:ブルームバーグ
3436 SUMCO
東証 1 部の騰落レシオが 65%となり、テクニカル的には
反発局面が継続してもおかしくない場面だが、9/9 の日経平
均 1,343 円高も、往って来いとなり陰の極が感じられない
日々が続く。アメリカの金融政策の動向がはっきりせず、ま
た日本郵政グループの初回売り出しで約 1.4 兆円もの資金を
吸収してしまう環境では、継続的な反発局面は日数的にはも
う少し先になりそうだ。今後の鍋底型の反転局面を期待した
いところだ。
今回は、いち早く日柄調整が終了しているSUMUCO
を取り上げてみたい。電子部品の基板材料となるシリコン
ウェハで世界シェア 2 位。アベノミクス相場のもと、2014
年 3 月安値 675 円から今年 3 月高値 2,458 円までの上昇を演
じたが、その後は一貫した調整となり 1,100 円台での推移と
なっている。短期移動平均線のゴールデンクロスを形成して
おり、押し目買いで対処。 (しんのすけ)
*情報シャトル特急便は、投資家の参考となる情報提供を目的としておりますが、
投資にあたってはご自身の判断でなされるようお願いします。
株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.1799%(税込)(1.1799% に相当
する金額が 2,565 円未満の場合は 2,565 円(税込))の委託手数料をご負担いただ
きます。株式は、株価の変動により損失が生じるおそれがあります。
非上場債券を当社が相手方となりお買い付けいただく場合は、購入対価のみお
支払いいただきます。債券は、金利水準の変動などにより価格が上下し、損失を生
じるおそれがあります。
投資信託にご投資いただくお客さまには、銘柄ごとに設定された販売手数料お
よび信託報酬等の諸経費等をご負担いただきます。投資信託は、主に国内外の株式
や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、
当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資 1 単位当りの価
値が変動します。したがって、お客さまのご投資された金額を下回ることもありま
す。
外国株式・外国債券等は、為替相場の変動などにより損失が生じるおそれがあ
ります。
商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、その商品等の上場有価証券
等書面、契約締結前交付書面やお客様向け資料をよくお読みください。