発行日: 平成28年 8月 2日 発行者: 金融商品取引業者 北陸財務局長(金商)第 3 号 日本証券業協会加入 制作責任者: 営業業務部 調査課 Dynamic Psychological Ratio 9 80 70 60 50 40 30 20 22 21 20 第579号 19 18 17 16 15 14 13 12 11 10 100 80 60 40 20 0 -20 -40 -60 -80 -100 8 9 10 11 12 15/1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 16/1 2 3 4 5 6 7 8 上図は騰落銘柄数をベースとした独自のもので、黒の幅が拡大→買い場、白の幅が拡大→売り場 下図は RCI(9 日ベース)で、 -80% ラインを上につき抜け→買い場 80%ラインを下につき抜け→売り場 大 所 高 所 英国EU離脱後の世界経済の行方を考える場合、英国がどうなるかという事より、 EUがどう変わるかという事の方がよほど大切なように思われる。それはドイツがど う変わるかという事でもある。離脱を叫んだ人達の不満の殆どが、EUの盟主である 頑ななドイツに対する不満であり、それは必ずしも英国のみならずEU加盟国すべて に共通する不満でもあったからだ。 ドイツが何に対して「頑な」かといえば、放漫財政に対する頑なな否定であり、 インフレに対する頑なな否定である。それが至極正論であるだけに、どの国も表立っ ては反対できない。しかし皆、腹の中では「それは裕福だから言える事で、私達のよ うに火の車じゃあ、柔軟に対応しないと国民の支持が得られないんだよ」と思ってい る。問題の本質はそこにある。 だからこれ以上EU離脱国が出るかどうかは、どれだけドイツがその「頑なさ」 を緩めるか、に掛かっていると言えよう。しかし、中国不況下などによる欧州経済の 不調は続きそうだ。「財政赤字でも財政支出増」「更なる大幅金融緩和」へと歩み寄ら ざるを得ないのではないか。 一向に物価上昇が起きない中、もし世界的なハイパーインフレが起きるなら、ど んな道筋を辿るのか、と考え続けてきた。英国のEU離脱が、回り回ってその端緒に なるのかもしれぬ。 (BIS) た だ 一 筋 先週末、日銀は追加緩和に踏み切った。発表前は追加緩和が出なければ日経平均 株価は 1,000 円から 1,500 円程度急落するのではとの不安心理が漂っていただけに、 胸をなでおろしたのではなかろうか。ETF購入額を年 3 兆 3000 億円から 6 兆円に 増やすという追加緩和は 2 つの捉え方ができよう。 まず、株式市場ではアベノミクスが始まった 2012 年末からの外国人の買い越し額 が累計で約 12 兆円強だったことから、この半分を日銀が毎年買うことへのインパク トは大きく、これまでのような売り仕掛けはできなくなり、下値は強固になり買い安 心感が出てくるとの見方だ。 一方、為替市場から見れば、日銀がETF購入以外の追加緩和を見送ったことに よる失望感から円高が続き、株式の上値を重くするとの見方がある。 このような状況下にあって、8 月の日経平均は 16,500 円を中心に膠着感が強まる ことが予想される。同時に、リオデジャネイロ五輪や高校野球などに関心が高まって、 市場参加者も少なくなることから、わずかな材料でも市場が乱高下する可能性がある ことも想定しておきたい。 当面の物色対象だが、内需関連株に絞込み、テーマに沿った銘柄の押し目買いに 注力したい。個別では業績好調な低位建設株の不動テトラ (1813)、ゲーム関連とし てソニー (6758)・任天堂 (7974)、カジノ関連として日本金銭機械 (6418) を挙げたい。 (三感王) 当 た り 屋 見 参 日銀は先週末の金融政策決定会合で追加の金融緩和を決定した。ただ、市場では 期待外れとの見方が強まり、日経平均株価は一時、300 円以上値下がりした。 日銀の緩和策はETF(上場投資信託)の買い入れ額を、年間 3 兆 3000 億円から 6 兆円に倍増するというものだ。その後の談話で、英国のEU離脱問題など、世界経 済の不透明感が高まる中、 「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」をさらに推し進め、 政府の経済対策との相乗効果で、景気刺激を狙うとしている。 その中で注目しているのが、アウトソーシング (2427)。工場製造ラインへの人材 派遣・請負を主力としている会社だ。人手不足で労働市場が逼迫している現状では同 社に追い風が吹く。7 月 29 日に発表した 2016 年 12 月期第 2 四半期の売上高は、第 2 四半期として 7 期連続で過去最高を更新し、営業利益、経常利益も過去最高だった。 通期の営業利益も前期の過去最高(31 億円)を大幅に塗り替える 54 億円の見通しだ。 また中期経営計画では、2020 年の売上高は今期の約 3 倍となる 3870 億円を計画して いる。 (№ 15) 老 練 の 視 座 英国のメイ首相に、小池百合子都知事。また、米大統領候補となったクリントン氏。 最近、女性トップの話題が続いている。と、いうことで女性創業者の会社であるディー・ エヌ・エー (DeNA、2432) を取り上げたい。 DeNA というと、モバオクやモバゲーといった IT 事業や、ゲーム事業に強みを持つ 会社というイメージが強い。しかし、最近は、A I(人工知能)を使った自動運転分野 で NTT ドコモやヤマト HD と事業を提携している。ゲームの世界では、ポケモン GO で 話題沸騰の任天堂と提携している点でも注目されるが、業界の枠を超えて、様々な企 業と手を組むその姿勢はおもしろい。 現在、代表取締役を退任し、D e N A 会長となっている南場智子氏だが、彼女の仕事 の流儀は、「苦しいときこそ前のめりに」だそうだ。おそらく、現社長もその流儀を 受け継いでいるのだろう。現状に満足せず、新たな分野で事業拡大を狙っていること を感じさせられる。今後の動向に期待したい。 また、冒頭にあげた彼女らも現在、スタートラインから苦しい所に立たされている。 今後、どのように世間の期待に応えていくのだろうか。注目していきたい。 (桜香) き ら き ら 星 今3月期第1四半期(4 ~6月)の決算発表が本格化し、各社の株価が大きく動い ている。円高の逆風で減益を余儀なくされるケースが増える中、市場予想ほどは落ち 込まずに意地を見せた銘柄が人気に沸き、逆に、収益の安定性が評価されていた企業 の失点には容赦ない売りが浴びせられている。銘柄選別が難しい現状だ。 話はかわるが、今、密かに海外で日本食ブームが巻き起こっている。農林水産省 の予測では 2009 年に 82 兆円だった中国とインドを含むアジアの食市場規模は 20 年 には 229 兆円まで拡大する。日本では和食や菓子がインバウンドの人気を集める一方 で、輸出額はまだ小さく、政府は巨大市場を取り込むべく日本食の海外普及に力を入 れているようだ。食材とともに注目を集めるのが食品機械だ。メーカー各社はグロー バル展開を強化している。「日本料理ブーム」に乗って海外進出を積極化する外食産 業の動きも追い風にして、関連銘柄を探る動きが広がりそうだ。 レオン自動機 (6272)、ホシザキ電機 (6465)、ニチモウ (8091)。 (HARUSUKE) ア ナ ロ グ の 俯 瞰 20 年前に発売したゲームがリバイバル。先月 6 日米国から配信、そして 22 日に 日本で配信されたポケモンGOは日米中に社会現象を巻き起こすほどのメガヒットと なった。これにはいろいろな特徴が融合されている。①ユーザーが主人公とはならず にゲットしたポケットモンスターが主人公となること、②そのゲットしたポケモンを 育成し、さらにレベルアップが可能なこと、③手塩にかけて育てたポケモンを他の人 が育てたポケモンとバトルすることが可能なこと、④普通のゲームにあるようなエン ディング、ゴールがないこと である。①②は興味本位や話題性に便乗した人でも楽 しめる。だが、③は玄人の遊び方である。そして何よりも微妙なのは④である。全て のポケモンゲットでポケモン図鑑完成、ゴール?のようだが、現実は困難極まりない。 流行は短命となるかもしれないが、任天堂の株価は再浮上の可能性がある。異業 種便乗、応用、進化を期待する相場と考えられるからだ。 最後にこのゲームのもう一つの特徴、AR(拡張現実)技術に大いに期待したい。 AR・VRを多くの人が知った今、そちらに焦点を向けたい。 AR関連でスターティア (3393)、ジグソー (3914)、パチンコマルハン筆頭株主、 カジノ関連でイチケン (1847)。 (お使いの端末はこのバージョンに対応していません に泣くクレイジーゲーマー) アナリストによる北陸企業便り (織田真由美) <不二越> 工具、ベアリング、産業用ロボット大手で、油圧機器や工作機械も展開。全売上 高の約 5 割が自動車産業向けで、海外売上高が 5 割近くで為替の影響を受けやすい。 2016 年 11 月期第 2 四半期連結決算は減収減益。円高の影響が大きく、中長期的な 成長に向けてのロボット事業強化で人員の拡充や設備投資を行い費用増加、営業利益 は期初見通しの 85 億円を 20 億円超下ぶれ、経常利益も 36 億円超下ぶれた。通期業 績予想も下方修正され、期初に 4 期連続の営業増益を見込んでいた今期業績は一転し て減益見通しとなった。 注力するのはロボット事業だ。自動車向け中心の事業展開を、「ロボットを核にし た総合機械メーカー」への転換を図る。これまではロボット単体を自動車産業向けに 販売していたが、ターゲットを食品向けや電機や電子部品向けなどの幅広い産業機械 分野に広げ、システムを内製化し「ロボットを含めたシステム」に移行して事業拡大 を図る。足元でも、全体が伸び悩む中でロボット事業の受注は堅調に推移している。 株価は第 2 四半期決算発表後に年初来安値をつけたが、その後の上昇によって割 安感が薄れた。業績についてもロボット事業への注力には期待がもたれる一方で、工 作機械事業の低迷や為替の影響が懸念され、投資判断をNEUTRALとする。 罫 線 中 僧 9107 川崎汽船 週足 日足 出所:ブルームバーグ アベノミクス再始動が期待されるなか、企業の減益決算 発表が相次いでいる。特に世界景気との連動性が高く、景気 敏感株の代表である海運業は業績予想を大幅下方修正する会 社が多い。川崎汽船も四半期ベースで 3 期連続の赤字となっ た。工業製品や部品を運ぶコンテナ船、資源を運ぶばら積船 共に運賃市況は悪化の一途で、更に円高の逆風も重なり、今 後は減配・業界再編などが予想される。 景気後退期が更に長期化すれば、世界景気の先行指標で ある海運株は 2 番底を探る局面となろう。しかし、川崎汽船 の株価は今年 2/12 の安値 168 円から反発した後、75 日移動 平均線を下値の抵抗ラインに上下を繰り返し、業績下方修正 後も大幅下落とはならず、250 円台で推移している。 値動きが乏しく、小陽線・陰線が 10 日前後の日柄のなか で連続するなか、景気の先行指標という意味で注目したい。 (しんのすけ) *情報シャトル特急便は、投資家の参考となる情報提供を目的としておりますが、 投資にあたってはご自身の判断でなされるようお願いします。 株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.1799%(税込)(1.1799% に相当 する金額が 2,565 円未満の場合は 2,565 円(税込))の委託手数料をご負担いただ きます。株式は、株価の変動により損失が生じるおそれがあります。 非上場債券を当社が相手方となりお買い付けいただく場合は、購入対価のみお 支払いいただきます。債券は、金利水準の変動などにより価格が上下し、損失を生 じるおそれがあります。 投資信託にご投資いただくお客さまには、銘柄ごとに設定された販売手数料お よび信託報酬等の諸経費等をご負担いただきます。投資信託は、主に国内外の株式 や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、 当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資 1 単位当りの価 値が変動します。したがって、お客さまのご投資された金額を下回ることもありま す。 外国株式・外国債券等は、為替相場の変動などにより損失が生じるおそれがあ ります。 商品ごとに手数料等及びリスクは異なりますので、その商品等の上場有価証券 等書面、契約締結前交付書面やお客様向け資料をよくお読みください。
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