秋山みつる眼科

2015.09.01 発行 : Vol.58
だんだんと過ごしやすい気候になってまいりました。
特 集
浅前房(せんぜんぼう)
浅前房とは?緑内障との関係は?
目の構造と仕組み
虹彩(こうさい)という、いわゆる茶目よりも前側を前房(ぜんぼう)
と言います。前房は房水(ぼうすい)という組織で満たされています。
この房水は、水晶体(すいしょうたい)と角膜(かくまく)の栄養補給・
老廃物の運搬・眼圧(がんあつ)の恒常化の役割を担っており、
前房にあるスペース(隅角(ぐうかく))を通り排出されます。
近視の場合眼球が長く、前房も深いことが多く、遠視の場合は前房が
浅いことが多いです。
この前房が浅いことを浅前房(せんぜんぼう)と言います。
浅前房だとどうなりやすいのか?
浅前房の場合、隅角も狭くなり、閉塞する場合があります。
隅角が閉塞すると、眼の中に水分が過剰に貯まり、眼圧が上昇します。
これを急性緑内障発作(きゅうせいりょくないしょうほっさ)
と言います。
眼痛・充血・かすみ・頭痛・吐き気などの激しい症状が現れます。
視野が欠け、放置すれば失明に至ることもあります。
治療法
浅前房であるかどうかは、眼科医の診察で分かります。
発作の予防策として、虹彩に穴を開けるレーザー虹彩切開術があります。
レーザーは外来で行うことができます。
また、ある程度の白内障があれば、早めに白内障手術を行うことも有効です。
浅前房は、遠視の方、白内障の始まり、60 歳以上の女性に多いと言われています。
気になることがあれば、眼科専門医へご相談ください。
秋山みつる眼科
横浜市鶴見区矢向 5-9-23-2F
℡ 045-570-3260
(編集担当:泉)