製薬の品質管理と粒度分布 ―GMP、FDA 等規格に対応― 私たちが飲んでいる薬のほとんどは粉からできています。薬の原料である粉の粒度分布†1 は、薬の品質にお いて最も重要です。最近、製薬メーカーでは品質管理の中に粒度分布を盛り込んでいます。 では、実際に製造される薬の粉の粒度分布は どのようになっているのでしょうか。レーザ回折 散乱法粒度分布装置で測定した一例を紹介し ます。 1. 測定装置 ベックマン・コールター社製 LS 13 320 ・ 測定範囲:0.04~2,000μm ・ 測定方法:散乱・回折法および PIDS 法†2) 2. 測定方法 Auto-Prep による全自動測定。 ① 適量サンプルをチューブ加え、Auto-Prep にセットします。 ② コンピュータにて、サンプルの分散剤量、超音波分散時間等設定します。 ③ 測定が開始し、28 検体サンプルを連続に全自動で測定します。 3. 測定結果 右記結果を見ていただくと分かるように同じ物でも LOT によって分布に差があるのが分かります。明ら かに LOT1 に比べて LOT2 の方が凝集しています。 そしてこの凝集が製品の安定性に大きく関与してき ます。 LS 13 320 に用いて粒度分布を測定すれば、いち早 く不良 LOT を発見し、常に製品の品質を把握するこ とができます。 ベックマン・コールター社製 LS 13 320 は、ISO13320 に準拠し、また、GMP、FDA 等の厳密な規則にも対応 した粒度分布測定装置です。 †1 乳脂肪のエマルジョン、タンパク質など色々な粒子の混合の粒度分布 偏光散乱強度差計測法。垂直および水平偏光を入射光とする方法。小粒径粒子による散乱は入射光の偏光の影響を受けやすく、この方法 により小粒径領域まで精度良く測定することができます。 †2 PCF4-0610
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