歯をきれいに! ―研磨材の粒度分布― 快適な生活を送るためには、毎日の歯磨きは欠かせません。歯が丈夫であれば食事を自由に楽しむことが できるのはもちろんのこと、白くきれいな歯は気持ちを明るくしてくれます。 さて、歯磨きの際に用いる歯磨き粉の中には研磨材が含まれています。この研磨材の大きさを決定するに当 たっては、もちろん第一に歯磨き効果を考慮するのでしょうが、それのみでなく歯磨きの際の口中感覚をも考 慮しているとのこと です。そして口中感覚の考慮からは、口中にざらつき感を生じさせる大粒研磨材は使用 しないようにしているそうです。 では、実際に歯磨き粉中の研磨材はどの位の大きさで、どのような粒度分布をしているのでしょうか? 異な る種類の歯磨き粉ではやはり粒度分布は異なるのでしょうか? 1. 測定装置 精密粒度分布測定装置 Multisizer 3 (測定方法:電気抵抗法†1) 2. 測定結果 市販の歯磨き粉、2 種類(C と W)について粒度分布を 測定してみました。結果を右に示します。 どちらの歯磨き粉の研磨材も、ピークはおおよそ 20µm弱ですが、その分布は非常に異なっていること が分かります。歯磨き粉Wの方が分布が広く、40µm 以上の研磨材もかなり含まれていることが分かります。 このように、歯磨き粉に含まれる研磨材の粒度分布を 変えることにより、歯に与える効果を微妙に違えている のでしょう。 Multisizer 3 を用いればこうした分布を簡単に得ること ができ、商品の研究・開発に役立てることができます。 Multisizer 3 は、電気抵抗法の規準 ISO13319 に準拠しており、GMP 対応のバリデーションチェックが用意さ れています。また、FDA などで定めているデータ保護規定・規準の要求事項に対応したシステムを採用してい ますので、測定からバリデーション・データ保管まで安心してお使いいただくことができます。 †1 コールター法とも呼ばれる。粒子を電解液に分散させ、そこに細孔を持つアパチャーを入れ、そのアパチャーの内外に電極を設置する。 電極間に一定電流を流すと、細孔の大きさに見合った抵抗値が発生する。このとき粒子が細孔を通過すると、細孔は粒子の大きさ分だけ小 さくなり、したがって抵抗値が上がる。この抵抗値の変化量は粒子の大きさに比例する。よって、抵抗値の変化量(実際には電圧パルス) を検出することにより、粒子の大きさと個数を測定することができる。 PCF2-0610
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