よんでんグループ アニュアルレポート 2015 四国電力の概要 CONTENTS 特集 トップメッセージ 事業活動 CSR 活動 48 財務情報・会社情報 外部意見 お客さまのご意見 第三者意見 「よんでんグループアニュアルレポート2015」∼ CSR 箇所を読んで∼ 四国電力では、お客さまとの懇談会や発電所の見学会などの機 会に地域の皆さまと意見交換を行ったり、Web を通じた双方向のコ ミュニケーションに努めるなど、様々な機会を通じてお客さまのご意 見に耳を傾け、事業運営に役立てるよう努めています。 このうち、お客さま懇談会では、社長をはじめとする経営層が、地 方自治体や経済・産業団体、婦人・消費者団体、教育関係者、マス コミ、大口お客さまなどに、当社事業を巡る最近のトピックスについ て説明し、いただいたご質問・ご意見に対して丁寧に説明にするな ど、有意義な意見交換の場となっています。ここでは、皆さまからの ご意見の一部を紹介します。 原子力発電に関して 四国における電力の安定供給という社会的責任 を担っているよんでんグループは、その基本的ミッ ションに関する企業活動の情報開示を適切に行っ て信頼構築を進めるとともに、公共性を有する企業 として地域に貢献する活動が期待されており、両者 が反映された CSR が望まれます。CSR 活動のセク お客さまとの懇談会(徳島支店) 電力システム改革に関して 「化石燃料に頼る状況が続くと日 「アメリカではハリケーンによる 本の国力が衰えていくのではな 停電の復旧に長期間を要したと いかと危惧している。脱原発を行 聞き、本当に自由化が良いことな うには長い時間と多額の費用が のか疑問に感じている。電力シス 必要で現実的ではない。原子力 テム改革にあたっては、安定供給 を活用しながら他のエネルギーと が守られることが何よりも大切だ バランスよく組み合わせて安定 と思う。」 供給に取り組めるよう、国が早く 方針を示すべきと考えている。」 「小売全面自由化により電力会社 を選択できるようになるが、知識 「これまで原子力についてあまり を身に着けないと正しい選択がで 考えることはなかったが、震災以 きない。四国電力においても、情 降はやはり怖いと感じる。今回の 報提供をしっかりお願いしたい。」 事故を受けて実施した安全対策 は、将来の事故を防ぐ大変有意義 なものであると思う。これからも 安全確保にしっかり取り組んで欲 しい。」 地域共生に関して 「四国電力は、地域経済の顔役と しての役割が非常に大きい。夏祭 りや秋祭り、スポーツ大会等に参 加 す る 姿 に 親し み を 覚 え る。 また、訪問対話活動や伊方方式 による情報発信は震災以前から 実施しており、他電力にはあまり 見られない。このような企 業コ ミュニケーションは率直に評価さ れるべきと考える。」 「出前エネルギー授業は、次世代 層が電気やエネルギーに関心を 抱くきっかけとなるすばらしい取 り組みであるので、是非続けて欲 しい。」 「従業員の活力の維持・向上」に関して、ダイバー シティの推進、女性活躍推進に向けた取り組み、子 育て支援制度、労働安全衛生の徹底、人材育成の 積極的な推進など、様々な取組みがなされている点 が印象的です。手前味 ながら、VOICE 欄におい て、香川大学大学院地域マネジメント研究科で学ぶ ションでは「CSR 活動の 7 つの柱」に基づき取組み 社員の紹介をしていただいています。これまでも 活動が紹介されていますが、特に「環境保全活動」 よんでんグループからは地域活性化に貢献したいと が 5 ページと最も多く紙面が割かれており、次いで いう熱意ある多くの方々に地域マネジメント研究科 「従業員活動の維持・向上」が 3 ページ、 「地域共生 で学んでいただいており、そうした優秀な社員の 活動の推進」が 2 ページとなっています。 方々の成長をさらにお手伝いできたら幸いです。 「環境保全活動の推進」では、事業活動に伴う環 今年は、国をあげて地方創生に関する政策的取 境への影響をインプットとアウトプットで表し、燃料、 組みが行われており、 「地域共生活動の推進」が注 発電方式、送電、大気への排出、排水、産業廃棄物 目されています。歴史文化遺産に気軽に触れ親しむ と再資源化率などに関する詳細な内訳が図示され 「歴史文化道事業」、地元の食材を使った給食を考 ていますが、持続可能性の観点から、経年データを える料理コンクールなど、地域の個性ある資源を活 示すと、その取り組み姿勢が一層伝わるのではない かす取組みは、さらに大きな広がりを持つようにして でしょうか。CO2 排出量以外についても、東日本大 いただけたらと思います。 震災前後の変化と、その後の動向が分かるとよいの こうした紙面を割いたポイントが具体的であるの ではないでしょうか。生物多様性に配慮した事業活 に比べると、コーポレート・ガバナンスのリスク管理 動として、海面埋め立てによる天然藻場の一部が消 への取組みなどは、規程や管理体制などの紹介にと 滅することにかわる代替藻場の造成の取組みは興 どまっています。震災で自然災害への対応が注目さ 味深いものがありますが、その効果を継続的に確認 れる中、安心・安全が実感できるように、もう少しリ していくことが望まれます。また、廃棄物のリサイク スクに関する取り組みを可視化できるとより伝わり ルについて、90% を超える高い有効利用率のもの やすいのではないでしょうか。 が多い点は高く評価できます。 1965年生まれ。1995年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得の上満期退学。 香川大学経済学部常勤講師、助教授などを経て現職。2011 ∼ 2012年米国 UCLA フルブラ イト客員研究員。産業クラスターや映画産業における国際プロジェクトに関する経済地理学 的研究、クリエイティビティベースの地域活性化に関する研究を進めている。 香川大学 大学院 地域マネジメント研究(香川大学ビジネススクール) 教授・研究科長 原 真志氏
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