PDF 623KB

CSRアクティビティ報告
トプコンは、国際・地域社会の一員として、人権・環境・労働・腐敗防止のグローバル基準を尊重し、持続可能な市場の構築に寄与します。
第三者意見
2010 年のISO26000 の公開を皮切りに、
EU の企業の非
財務情報に関する指令、
(以下 G4)
、
GRIガイドライン第 4 版
環境負荷低減に関する取り組み
中国のグループ会社 Topcon Optical(Dongguan)
「資
Technology Ltd.では、2014 年の会社方針である
源の節約」
「
、
(仕損品等の)
ムダの削減」
「
、汚水の削減」
、
「業務の効率化」
に基づき、会社を挙げて省エネルギー
(国際統合報告審議会)
の統合報告フレームワーク、
コー
IIRC
本報告書では
「社会のために果たす責任:グローバルでの
ポレートガバナンス・コードなど企業の情報開示のあり方を
社会貢献活動」
が特集として組まれていますが、その報告の
は 8.0 以上になる予定です。
左右する国内外の規範が目白押しに迫ってきています。こう
軸は昨年の特集
「CSV 活動をはじめとする社会貢献活動報
また、工場内にある冷暖房機の冷却塔
(クーリングタワー)
した状況下、
「グローバルトップを目指す」
企業ではこれらの
を交換することにより、省エネルギー化を図りました。この
動向を踏まえ、
CSR 報告書においても従来の継続的改善か
第1は、
特集の位置付けです。私は、
特集は当該年の報告書
ら飛躍的改善がなされることが期待されています。ところ
で最も訴求する項目を取り上げるべきであり、
そのため編集
これにより、エネルギー効率は 200%アップとなりCOP
活動により、中国東莞市の香港企業
(製造業)
約 10,000
活動に取り組んでいます。
きます。今後は全ての記載項目をG4 の示す2 軸からマテ
リアリティを選択し、
記載されることを期待します。
告」
と同様です。この点について 2 点申し上げます。
具体的な活動の一環
社 のうち 100 社 の み
が、
本報告書は昨年とほぼ同様の構成、
内容となっており、
当
方針においてもなぜ、
その項目を選択したのか記載すべきと
として、老 朽 化により
が香港政府
(香港生産
初、
多少の失望感を抱かざるを得ませんでした。
しかし、
恒例
考えています。そうした説明があると、
読者への訴求力は一
浪費エネルギーが多く
力促進局)
および東莞
の意見交換をする中で、
編集体制の強化、
CSRとIRの実務の
層増すのではないでしょうか。貴社の製品の多くは、
社会的
COP 約 1.5であった
市政府より表彰される
統合、
カンパニー別技術・製造組織の統合化、
グローバル化
課題の解決に貢献するものであり、
社会的価値と企業価値
冷 却 装 置を最 新 式 の
「広東・香港清潔生産
を踏まえた行動基準の改定、
「聞いてよ! 総務」
というボトム
冷却装置に2014 年 6
の共通価値を創造することからCSVや
「社会のために果た
パートナー賞」
を受賞
アップの仕組みの構築
(多数の実績あり)
など、
さまざまな取
月に切り替えました。
しました。
り組みが動き始めている報告とともに今後の報告書の作成
*
*:COP
(Coefficient Of Performance)
とは成績係数
(動作係数)
とも呼ばれる冷暖房器具のエネルギー消費効率をチェックするための係数のこと。
においてもチャレンジングな発言を伺い、
当初の失望感は大
きな期待感に変わることができました。
今 3 月期は
「過去最高の売上高及び過去最高の利益」
を達
成するとともに、最近注視されているROE は 14.8%を達
「ISO14001」審査状況
成しています。こうした業績達成の要因は、経済・社会環境
製 造 系 の 会 社を中心に、グループ 5 社
(日本 4 社、中国
続き認証の継続が認められました。カテゴリB
(軽微)
、改
す責任」
を特集とすること、
商品数が多彩なことから2 年連続
して同様の特集をすることは十分理解できます。CSV の提
唱者であるマイケル・ポーターは、
CSV の方向性として1. 社
会課題を解決する製品・サービスの提供、
2.バリューチェー
ンの競争力強化と社会への貢献の両立、
3. 事業展開地域で
の競争基盤強化と地域への貢献の両立、
などが示されてい
ます。再度、
「社会のために果たす責任」
の概念を吟味
CSVや
の変化もありますが、TOPCON WAY のグローバルな
し、
記載内容を検討していただきたいと考えます。
1 社)が認証を取得し、毎年認証機関による審査を受け、
善の余地
(不適合ではない)
でアドバイスいただいた事項
浸透と
「潜在的な要望に応えるTM-1」
による新たな価値創
適切に運用しております。
については適切に対応し、改善を実施しております。
造といったビジネスモデルによるところが大きいと考えま
「企業の社会・環境への影響に対
CSRに対する共通認識は
は無く、引き
14 年度の審査では、不適合カテゴリA(重大)
認証取得日
認証機関
す。そこで、
CSR 報告書を従来のマインド、マネジメント、ア
直近審査日
種 類
不適合 A 不適合 B 改善の余地 良い取り組み
トプコン/トプコンテクノハウス 1997. 9.29 JACO 2014/ 9/ 8∼ 9 サーベイランス
0
0
2
7
2000. 3.20
TUV
2014/ 7/24∼25 サーベイランス
(Dongguan)
Topcon Optical
2001. 5.17
Technology Ltd.(中国)
0
1
3
2
SGS
2015/ 4/15∼16 サーベイランス
0
1
2
―
オプトネクサス本社工場
JQA
2014/11/18∼19
0
0
11
2
トプコン山形
2001.12.21
変更審査
※トプコンテクノハウスは認証範囲の拡大という形で認証を取得。
クティビティ報告を柱にTOPCON WAYと関連付けて報
告されていますが、TOPCON WAYを前面に出し、
この
よって作り出した社会的価値の検証・評価も重要です。そう
した検証・評価報告も記載
できれば、報告書の説得力が
ロセスを記載することを提案します。
一層増すことは必至です。
本報告書は22 頁という極めてコンパクトにまとまっていま
す。各ガイドラインも簡潔な報告書へ誘導しており、
こうし
た方向性には本報告書は合致していますが、ガイドライン
は同時にマテリアリティ(重要性)
の選択を強調しています。
影響を反映している、
またはステークホルダーの評価や意
調査票
(英文)
する責任」
です。また、CSVや
「社会のために果たす責任」
に
7 つの柱に沿った報告とビジネスモデルによる価値創造プ
例えば、G4 では
「組織が経済、環境、社会に与える著しい
グループ会社環境負荷実態調査
第 2は、CSVはCSR の発展系ではなく、CSR の 1 側面です。
思決定に実質的な影響を与える側面を取り上げるべき」
と
2007 年よりグループ・グローバルで環境負荷の把握を
しています。本報告書においても、製品の特性やグローバ
おこない、負荷量増加などの改善事項のある会社へは指
ル展開から重要項目である
「グローバル輸出管理体制の維
導をおこなっています。2014 年の調査結果は P20をご
持、向上」
が紙幅の制約の中で詳述されており、高く評価で
特定非営利活動法人
循環型社会研究会
代 表 山口 民雄
循環型社会研究会:
次世代に継承すべき自然生態系と調和した社会の在り方を地球的視点
から考察し、地域における市民、事業者、行政の循環型社会形成に向けた
取り組みの研究、支援、実践を行うことを目的とする市民団体。研究会内
の CSRワークショップで、CSR のあるべき姿を研究し、提言している。
URL:http://junkanken.com/
覧ください。
調査票
(和文)
グループ会社環境監査
製造系のグループ会社については、上記環境負荷実態調
2014 年は6 社を対象に実施し、問題無い管理レベルで
査の他、環境保全活動向上を主眼とした書類監査
(環境経
あると確認しました。
営監査・遵法監査)
をおこなっています。
21
トプコングループ CSR 報告書
2015
TOPCON WAYの7つ柱はグローバルに事業展開する当社のマインドとして浸透し、新たな価値創
第三者意見
を
受けて
造を生み出し続けています。CSRとは企業が社会に対して責任を果たし、社会とともに発展していく
ための活動です。当社にとってCSR活動はすなわちTOPCON WAYを実践することに他なりません。
“Creativity & Growth”
を旗頭に製品やサービスを通じて、社会が直面している課題を解決すること
によって更なる社会の発展に貢献して参ります。
TOPCON CSR Committee
岩崎 眞
委員長 22