1. 生産企業間の外部性:排他的取引 消費者 A と企業 B, C, D がいる。B, C はそれぞれ財 b, c を作ることが出来る。D は財を B, C か らそれぞれ wB , wC 円で仕入れ、それぞれ pB , pC 円で A に売る。 A にとっての財の価値は、B が何もしていなければ b が 90 円、c が 100 円、B が努力をし ていればそれぞれ 140 円、120 円となる。B が努力をするのに掛かる費用は 30 円、また、B, C の生産、D の販売には費用は発生しないとする。 この下で、まず、B が努力をするならばして、その結果を受けて、B, C がそれぞれ wB , wC を決める。次いで D が pB , pC を決め、最後に A が、b, c のどちらを(1 個)買うか、あるいは 何も買わないかを決める。なお、A は無差別であれば価値が高い方を選ぶとしてよい。1 また さらに、D も同利益であれば価値が高い方が選ばれるように値を付けるとしてよい。2 このとき、もし B が努力したら、wB = a , wC = b であれば互いに最適となり、3 b が c 個売れて B の利益は a × c − 30 円、D は( pB = d , pC = e として)(( d − a ) × c + ( e − b ) × (1 − c ) =) f 円の利益となる。一方で、努力しなければ、同様に、B の利益は g 円、D の利益は h 円となる。よって、B は努力をせず、B の利益は g 円、D の利益は h 円となる。 しかし、もし D が b しか売れなければ、B が努力すると( pB = 140 で)B の利益は 110 円、 D の利益は 0 円、しなければ( pB = 90 で)それぞれ 90 円、0 円となる。よって、もし事前に (努力の前に)、B から D に i 円払っておく代わりに D が b しか売らないことにしておければ、 (努力が行われ)B は 110 − i (> g ) 円、D も i (> h ) 円の利益と、いずれにも得になる。 解答:a. 20 b. 0 c. 1 d. 140 e. 120 f. 120 g. 0 h. 90 i. 100 2. 要素需要と利益:最適プラン設計再訪 企業 A, B がいる。A が財を作り、B は A から財を仕入れて販売する。 B が財を q 個販売すると、1 個当たり P(q) 円で売れ、A に W (q) 円が支払われる。また、B は財を販売するのに(A への支払いを除き)C(q) 円の費用が掛かるとする。 今、仕入れ価格 100 円(すなわち W (q) = 100q)の下、B が 10 個販売している。4 したがっ て A の売上は 1000 円である。W をうまく再設計することでもっと大きくできないか。なお、 B は同利益であれば q = 10 を選ぶとしてよい。 ここでさらに、仕入れ価格 150 円(すなわち W (q) = 150q)の下では B は 5 個販売してい た、との情報が追加されたとする。となると、販売しないよりは 5 個の販売を選んだことから、 P(5) × 5 −C(5) ≥ a であるとなる。一方で、仕入れ価格 100 円の下では 5 個よりも 10 個の販 売を選んでいることから、P(10) × 10 −C(10) ≥ P(5) × 5 −C(5) + b であると分かっている。 したがって、P(10) × 10 −C(10) ≥ a + b であるので、W (q) = 100q + c としてやれば、ま ず、P(10) × 10 − C(10) − W (10) ≥ 0 より、B は販売しないよりは q = 10 を選ぶ。また、他の 販売個数 q′ ̸= 10 ついても、仕入れ価格 100 円の下で q′ 個でなく 10 個を選んでいることから、 P(10) × 10 −C(10) − 100 × 10 ≥ P(q′ )q′ −C(q′ ) − 100q′ 、したがって、P(q′ )q′ −C(q′ ) − (100q′ + c ) ≤ P(10) × 10 −C(10) − (100 × 10 + c ) と、10 個の場合の利益は超えない。以上より、依然 B は 10 個の販売を選び、A の売上は W (10) = 1000 + c (> 1000) 円となる。 解答:a. 750 b. 500 c. 250 1 すなわち、例えば B が努力をした場合であれば、140 − p ≥ 120 − p かつ 140 − p ≥ 0 であれば(140 − p = B B B C 120 − pC や 140 − pB = 0 であっても必ず)b が買われるとしてよい。 2 すなわち、例えば B が努力をした上で w = 60, w = 40 が提示された場合、D は( p > 140, p = 120 とし B B B C ても同じだけの利益(80 円)を上げられるが) pB = 140, pC ≥ 120 を選ぶとしてよい。 3 すなわち、w = a に対し C の利益が w = b で最大であり、w = b に対する B の利益も w = a で最大。 B B C C 4 このことから、例えば、B にとって(A に仕入れ代を支払い)10 個販売する方が(A と取引せず)全く販売 をしないよりましであること、すなわち、P(10) × 10 −C(10) ≥ 100 × 10 であると分かる。 1
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