薬理学

一年次後期
薬
理
学
Ⅰ
Pharmacology I(2単位)
1 年次後期
必修
【担当教員】
教授
村山 俊彦
准教授
藤野 裕道
【授業概要および目標】
薬理学は薬と生体の相互作用の結果起こる現象を研究する学問であり多くの内容を含むが、狭義には
薬の作用機構を究明する学問を薬理学と呼んでいる。薬理学Ⅰではその概要を把握すると共に、交感神
経系と副交感神経系の概説、末梢神経薬理(アドレナリン、アセチルコリン関連薬物、神経節作用薬、
神経筋接合部作用薬、局所麻酔薬など)
、免疫炎症薬理と血液系作用薬などに関して講義する。治療薬
物に対する受容体、作用機序、臨床応用、副作用などを理解することを目的とし、治療薬物の基礎理論
と臨床応用との関連を説明できることを到達目標とする。
【授業計画および授業内容】
項
目
回 月日 担当者
授
業
内
容
<授業方法>
1 10. 7 村 山 薬理学総論、生体内情報 薬理学の歴史、概念、分類などを、薬物受容体という観
伝達総論
点から概説する。また、薬物の作用様式、作用機序を解
説し、薬物受容体の分子レベルでの理解、アゴニスト、
<講義>
アンタゴニストの作用様式などを説明する。また薬物の
標的としての薬物受容体-情報伝達機構の理論と具体例
を解説する。
2 10.14
〃
アセチルコリンとカテ 神経伝達物質であるアセチルコリンとカテコラミン(ア
コラミン
ドレナリンなど)に関して、1)生体内での合成経路、
貯蔵、放出、代謝など、2)受容体の分布と生理的機能、
<講義>
3)これらに関連する疾患や薬物を、総合的に解説する。
3 10.21
〃
末梢神経の構造と機能
<講義>
自律神経系の特徴とその形態や機能について概説する。
あわせて自律神経系の臓器支配や生理作用、薬理作用を
解説する。
4 10.28
〃
末梢神経薬理-1
<講義>
交感神経を活性化するアドレナリンに関して、作用薬物
の種類、構造-活性相関、各種臓器、組織での薬理作用、
臨床応用と副作用、選択的薬物の開発などを説明する。
5 11. 4
〃
末梢神経薬理-2
<講義>
抗アドレナリン作用薬としてのアドレナリン受容体遮断
薬やアドレナリン作用性神経遮断薬に関して、薬物の種
類や構造、薬理作用、臨床応用と副作用などを説明する。
6 11.11
〃
末梢神経薬理-3
<講義>
副交感神経系のアセチルコリンに関して、作用薬物の種
類、薬理作用、臨床応用などを説明する。
22
7 11.18
村
山
抗コリン作用薬としてのムスカリン受容体遮断薬に関し
て、薬物の種類や構造、薬理作用、臨床応用と副作用な
どを説明する。
8 11.25
〃
末梢神経薬理-5
<講義>
神経節、神経筋接合部における神経伝達物質はアセチル
コリンであり、その受容体はニコチン性受容体である。
これに関連する薬物や筋弛緩薬と局所麻酔薬に関して説
明する。
9 12. 2
〃
小括・試験
<講義・演習>
生体内情報伝達、末梢神経薬理についてのまとめ、およ
び質疑応答を含めた知識の確認。
10 12. 9
藤 野
生理活性物質-1
<講義>
免疫、炎症、血液系に関連した内因性生理活性物質であ
る NO、エイコサノイド、サイトカインなどについて、2
回の授業で概説する。
11 12.16
〃
生理活性物質-2
<講義>
12
1.13
〃
免疫・炎症薬理-1
<講義>
13
1.20
〃
免疫・炎症薬理-2
<講義>
14
1.27
〃
血液・造血器系薬物
<講義>
血液・造血器作用薬の理解を深める目的で、血液凝固・
血栓形成と血栓溶解機構造血機構について説明し、凝血
促進薬や抗血栓薬の薬理作用造血因子の役割について解
説することにより、造血薬の薬理作用についての理解を
深める。
15
2. 3
〃
小括・試験
<講義・演習>
免疫、炎症、血液系に関する生理活性物質などについて
のまとめ、および質疑応答を含めた知識の確認。
同上
臓器移植や自己免疫疾患に対して使用される免疫抑制薬
および炎症症状の抑制のために用いられる抗炎症薬につ
いて、薬理作用とその作用機序を説明し、治療効果と副
作用の理解を深める。
同上
【授業外学習】
・各授業後に復習し授業内容を各自で整理し直すこと。また適宜レポート提出を課す場合がある。
・授業内容に関する質問などは適宜受け付ける。
【キーワード】
薬物受容体、カテコラミン、アセチルコリン、交感神経、副交感神経、生理活性物質、免疫、炎症、
血液系
【教科書・参考書】
ベーシック薬学教科書シリーズ 16、「薬理学」
(化学同人)
【評価方法・基準】
授業態度(10%)、試験(90%)で総合的に評価する。
原則として授業時数の3分の2以上の出席が必要である。
履修開始時に配布する評価基準に基づき各評価を実施する。
23
一年次後期
末梢神経薬理-4
<講義>