しょうが”について

しょうがの入った料理を食べたり飲んだりすると身体の中からぽかぽかと温かくなるのがわか
ります。しょうがが血行を良くして身体を温めるということを、昔から多くの人が知っています。
日本では薬味や料理の下味などで使われることが多いしょうがですが、海外ではパンやクッキーに
使われているようです。一度に使用する量は少ないですが活用の幅は広く、身近な食材としてなじ
みのある「しょうが」。その特徴を上手く使いこなし、健康に役立てていきたいですね。
★しょうがの種類★
根しょうが
収穫されてすぐに出荷される根しょうがを‘新しょうが’と
呼びます。繊維がやわらかでみずみずしい状態で使います。
皮が白っぽく茎の付け根が赤く、筋が少なくさわやかな辛味が
特徴で甘酢漬けに適しています。
貯蔵したのち出荷されるものを‘古(こ)しょうが’‘ひねし
ょうが’と呼びます。皮は茶色で繊維質も多く、辛味・香りが
強いので薬味として、また魚・肉の臭みとりに適しています。
葉しょうが
新しょうがが2-3㎝の大きさになった時に収穫し、塊茎に茎葉がつい
たものを‘葉しょうが’と呼びます。塊茎は細く小さめで皮が白く、茎の
つけ根は紅色を帯びています。甘酢漬けで食べる事が多いですがそのまま
食べることもできます。
葉しょうがよりさらに早採りで、遮光して栽培し出荷直前に陽に当てて
茎に赤みをつけたものを‘矢しょうが’と呼びます。
焼き魚についている‘はじかみ’は矢しょうがを甘酢漬けにしたものです。
しょうがの選び方
根しょうがは節目が等間隔にあり、皮に傷がなくよく乾いているもの、重みがあり硬
くしまっているものを選びましょう。
葉しょうがは全体がみずみずしく張りがあるもの、茎の付け根がきれいな赤色で白い部
分との色がはっきりとしているものを選びましょう。
しょうがの保存
数日で使い切るのであればラップをして冷蔵庫に入れておきます。長期間保存する場
合は瓶やタッパーに水を張り、そこに使いかけのしょうがを入れて蓋をしておくと数日
おきに水を換えるだけで1カ月程は大丈夫です。葉しょうがは乾燥に弱いので袋に入れ
て冷蔵庫に保存しますが、あまり保存がききませんので、早めに使い切りましょう。
★しょうがの効能★
ジンゲロール
・・・殺菌作用、免疫力向上
生のしょうがに含まれている辛味成分にジンゲロールがあります。
ジンゲロールは殺菌作用や免疫細胞を活性化させる作用があり、その働きを利用して日本の食事
に取り入れられてきました。
寿司とあわせて食するがりはこのジンゲロールによって生魚の生臭さを解消する他、食中毒の予
防が期待出来ます。
ジンゲロールは酸素に弱い性質を持っているため、酸素にふれた状態で加熱すると酸化してしま
い本来の働きを行なう事が出来なくなります。
より効果的にジンゲロールを摂取するには、しょうがに熱を加えず、食べる直前にすり下ろした
り、切ったりすることで空気にふれる時間をできるだけ短くするとよいでしょう。
ショウガオール
・・・消化・吸収促進、抗酸化作用
生のしょうがに多いジンゲロールは、加熱すると大部分がショウガオールに変わります。ショウ
ガオールは体を温めてくれる作用や胃液の分泌を促し、消化・吸収をよくする作用があります。ま
た、抗酸化作用がとても強く、がん抑制作用があるとも言われ、アメリカの国立がん研究所が定め
ている「がん予防が期待できる食品」に選ばれています。
ショウガオールを摂りたい場合はお味噌汁やスープに加えたり、しょうが焼などの加熱する料理
を食べるとよいでしょう。
オススメのしょうが料理
焼きなす
がり
はじかみ
しょうが焼
デザイナーフーズピラミッド
アメリカの国立がん研究所では野菜や果物、ハー
ブなど‘がんを予防する可能性のある食品’を40
種類ほどあげています。
これらを見やすくするため、ピラミッド方式で示し
たものがデザイナーフーズピラミッドです。
ピラミッドの上位に位置するものほどがん予防の
効果が高いとされています。
デザイナーフーズにあげられている食品の多くに
抗酸化作用のある成分が含まれています。
ピラミッドをみるとしょうがは上位に位置してい
ます。
管理栄養士
山口万里加