ご祝辞内容 - 公益財団法人ロッテ財団

【独立行政法人日本学術振興会
理事長
安西祐一郎様 ご祝辞】
(公益財団法人ロッテ財団
第 2 回研究助成事業贈呈式)
ただ今ご紹介頂きました独立行政法人日本学術振興会の安西でございます。本日はロッ
テ財団第 2 回研究助成事業贈呈式の開催、誠におめでとうございます。まずもって大変多
数の応募の中から選抜されまして、本日ここに栄えある受賞者としてご臨席されておられ
ます大変優れた若手研究者の皆様に心からお慶びを申し上げます。
奨励研究の受賞者の方々もそうですけれども、重光学術賞の受賞者のお二人からお話を
伺い、今後に向けて社会にも密着し学術的にも優れた研究をなさっている若い方々が、こ
うやって顕彰されて育って行くというのは、私共と致しましても大変素晴らしい、また心
強いという風に存じております。そしてこれまでの奨学事業に加えまして、昨年度から新
たに研究助成事業を開始されて、若い研究者の育成支援に踏み出されておられます重光理
事長をはじめとするロッテ財団の皆様、そして選考委員会の先生方に対しまして、日頃の
ご尽力に衷心より感謝を申し上げたく存じます。
ロッテ財団は、健康で真に豊かな社会の構築を目指して研究助成事業という新たな一歩
を歩み始められましたけれども、大変感心致しますのは、若い研究者の生活費相当分の支
援もされておられる点で、制度の内容が他に例を見ないものだということであります。私
も日本学術振興会あるいは他のところでいろいろなことで、若い研究者の支援等に関わっ
ておりますけれども、特にロッテ財団の重光学術賞は、食と健康に関する分野におきまし
て、世界的レベルの研究を成し遂げると期待される将来有望な若手研究者を見出し、育成
することに大変大きな特徴を有しておられます。研究分野を独自に切り開き、かつ世界に
伍して競い合える人物たるかどうかということが問われているわけです。今日とりわけ研
究、科学の分野でもって、グローバル人材の育成が喫緊の課題となっておりますけれども、
極めて時宜にかなった取り組みであると確信致しております。もちろん奨励研究を受賞さ
れた研究者の皆様も同じでございまして、これからぜひグローバルな世界で活躍して頂き
たいと思います。
日本学術振興会もまた、若い研究者の育成を事業の 1 つの大きな柱と致しております。
研究者の養成をはかるとともに、多くの若手研究者を支援する制度を持っておりまして、
特に国際的な視野に富む有能な若手研究者を育成したいと考えております。海外派遣のた
めの特別研究員制度も持っていますけれども、大学や研究機関において長期間研究に専念
して頂く制度もございます。2015 年度から初めて、海外に常駐して研究をして頂く新しい
科研費の制度設計を進めております。ぜひそのことも今日受賞された皆様はぜひご記憶頂
くとありがたいと思います。国と民間というスタンスの違いを越えて、優秀な若い研究者
が自立的な研究を行って頂きたい。その環境の整備を視野に入れましたロッテ財団の研究
助成事業というのは、研究に専念できる立場や環境を得るための大変貴重な事業でござい
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ます。教育界にも関与しております私と致しましては、さらに多くの方々が若い研究者の
育成に一段と力を注ぐ体制を一日も早く構築して頂きたい。その中でこのロッテ財団の育
成事業が 1 つの大きな柱となり、またリードして頂きたいと思っているところでございま
す。
先程もお話に出ておりましたけれども、ロッテ財団のこの事業の特徴やこの度の応募状
況等をうかがいますと、奨励研究助成の採択だけでも 12 名のうち 7 名が女性です。これは
大変重要なことでありまして、女性研究者あるいは男女共同参画の支援という観点から見
ましてもとても素晴らしい。特に女性研究者支援、女性研究者の割合というのは日本では
今 14%にすぎません。しかも若い研究者は多いですけれども、シニアになるにしたがって
急速に少なくなります。このことを乗り越えて、今日受賞された女性研究者だけではござ
いませんが、これから男女の区別なく女性研究者に活躍して頂く、そういう日本にして行
かなければいけないと思っておりますし、ロッテ財団の研究助成が 1 つの先鞭をつけられ
ているという風に存じます。今申し上げましたように、ロッテ財団の研究助成事業がそう
いった現状を十分に意識しておられて、大変素晴らしい取り組みをなさっておられる、大
変立派なことだと思います。今後とも、多様な視点、発想を取り入れられまして研究活動
をさらに活性化させ、女性研究者の採択増加ももちろんございますけれども、研究力の向
上に資する取り組みをなさって頂くことを切に願っております。
あらためてここにご臨席の若い研究者の皆様、今後も研鑽を積み重ねられまして、特に
世界でもって活躍されるよう期待しております。そして、実り多い研究成果を上げられま
して、今後、後を追って来るさらに若い研究者に負けないようにリーダーとしてがんばっ
て頂くことを衷心から祈念致しまして、またロッテ財団、ロッテ株式会社のご繁栄を祈念
申し上げまして、祝辞とさせて頂きます。本日は誠におめでとうございました。
以上
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