ストーマ管理方法の習得率(PDF : 160.53 KB)

年間報告様式
2015 年
職場名
A3
開腹患者の早期離床
ストーマ管理方法の習得率
人工肛門(ストーマ)患者は、便意がないため意思に関係なく排便がある。そのため、装具が正しく装
着されていないと便の漏れや人工肛門部そしてその周囲に皮膚障害が発生することにつながり、結果とし
て日常生活に支障をきたすことにつながる。そこで、看護師は病状的に退院可能となる術後 2 週間までに、
患者及び家族が人工肛門の管理方法を習得できるように指導を行なっている。
データの定義
分子:看護師の援助なしで、家族もしくは家族自身でストーマ交換ができた患者数
分母:ストーマ造設患者数
除外事例は、術後人工呼吸器管理となった場合
2015 年のデータ
期間:2015 年 1 月~12 月
習得率:58.8%(分子 30 名/分母 51 名)
参考データ
習得率:2014 年 89.3%(分子 25 名/分母 28 名)
2013 年 82.4%(分子 28 名/分母 34 名)
【ストーマ装具交換セルフケアチェックリスト①~⑩】
①ストーマを見ることができる
②排泄物の処理ができる(排泄口の開き方・出し方・閉鎖方法)
③ストーマ装具交換の必要物品が準備できる
④面板を剥がす事ができる
⑤ストーマ周囲皮膚のスキンケアができる
⑥ストーマと周囲の皮膚が観察できる
⑦面板をカットすることができる
⑧ストーマ装具を貼り付けできる
⑨使用後のストーマ装具の廃棄方法がわかる
⑩ストーマ装具の交換間隔がわかる
評価
昨年度の達成率 89.3%に対して、58.8%に低下している。今年度は分母となる件数も多く、原因として
前年度と比べて分母が 23 名増えたことが上げられる。中でも、大腸穿孔により緊急手術で人工肛門造設に
至った件数が 13 名で、前年度と比べて 6 名増加している。13 名のうち、装具交換の手技獲得ができた割
合は 61%(13 名のうち、達成できたのは 8 名)で、昨年度も達成できなかった 3 名のうち 2 名が大腸穿
孔による緊急手術によるものであり、ストーマに対する受け止めもできていない状態でストーマを造設す
ることになり、さらに患者の全身状態も悪く、2 週間という期間内に手技獲得に至るのは難しいことが明
確となった。
達成できなかった事例の中で多かった原因として、ストーマ周囲の創トラブル(創離開、皮膚瘻など)
による手技獲得の遅れが 6 名、次に施設入所、訪問看護による交換のため、本人・家族へ指導を行わなか
った事例 5 名であった。創トラブルに関しては、現在も行っているが WOC に早期介入を依頼し、協力し
ながら対応をしていく。施設入所・訪問看護による装具交換、管理は今後、高齢者の増加などに伴い増え
ていくと考えられる。来年度以降、対象から外していくことを考慮していく。