COPDに対する“iVAPSモード”の使用経験

COPDに対する
“iVAPSモード”
の使用経験
市立三次中央病院 呼吸器内科
一般 演題
○粟屋 禎一 佐野 由佳 中増 昭久
高二酸化炭素血症を伴うCOPDに対するNPPV療法は、
生存率やQOLの改善効果が期待
されているが、
現状ではその有用性が確立しているとは言い難い。近年、登場したiVAPSモー
ドは、
目標とする肺胞換気量を維持するために、
プレッシャーサポートやバックアップ呼吸を自
動で変動させる換気モードであり、
高二酸化炭素血症を伴うCOPDに対しても治療の有効性
や快適性を向上させる有効な換気モードであると期待している。
一方、
現状ではiVAPSモード
の有効性の報告は少なく、iVAPSモードでの重要な設定項目である目標肺胞換気量の設定
方法が確立されていないなどの問題点が挙げられている。
当院ではCOPD患者に対してiVAPSモードを使用して良好な治療効果が得られた7症例を
経験した。性別は男性5例、
女性2例。
導入方法はSTモードからの切り替えが3例、
新規導入が
2例、
急性期のBiPAPvisionからの切り替えが2例であった。iVAPSモードの使用により7例中
また、STモードから切り替えた
6例でPaCO 2の低下を認め、5例で症状の軽減が 得られた。
症例は全例とも快適性が向上した。iVAPSモードは高二酸化炭素血症を伴うCOPDに対して
も有効な換気モードと考えられた。今回、当院で経験したiVA PSモードを使用したCOPD
患者7症例に対する治療経過と有効性について報告する。
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