【月経困難症患者に対するジドロゲステロン(デュファストン®)の治療効果

月経困難症患者に対するジドロゲ
ステロン(デュファストン®)の治
療効果と投与法の検討
浜田医療センター産婦人科 小林正幸、矢壁和之、平野開士
デュファストン®の既存概念
古
 くから月経困難症、子宮内膜症の適応がある
1
 錠5mgを1日1~4錠内服が適応であるが
それ以上の投与法の記載がない。
薬
 価は比較的安価で血栓症の報告はない。
排
 卵抑制は起こさないといわれている。
体
 温上昇作用はない。
黄
 体機能不全、切迫流産で広く使用されている。
薬価比較
1錠
1ヶ月
保険(3割)
ルナベル®
336.6円
21日
7068円
2120円
ヤーズ®
253.5円
28日
7091円
2127円
ディナゲスト®
475.5円
1日2錠30日
28530円
8559円
デュファストン®
38円
1日2錠30日
2280円
684円
ミレーナ®
6万として
5年間として
1000円
300円
当院でのデュファストンの投与計画
① 月経5日目から1錠 5(
を2錠 日/21日間 mg)
7日間休薬で繰り返す。
② 1日2錠 連日投与。
③ 毎回 月経5日目から1日2錠 21日間投与を
繰り返す。
1日2錠は3錠まで増量考慮
投与対象
月
 経困難症患者 10名
2
 0歳~46歳(平均32.3歳)
基
 礎体温測定
内 名
8
疼
0(~100mm)
 痛スコア VAS
デュファストンと基礎体
温、出血の関係
21日投薬7日間休薬の繰り返しから投与開始
症例1 33歳
デュファストン
症例2 44歳
症例3 24歳
症例4 33歳
本来の月経 消退性出血 月経
デュファストン®10mg/日投与で
の排卵への影響
• ほぼ全員で綺麗な2相性にはならない
• 高温相はあっても不安定な形である。
• デュファストンはこの容量でもある程度の
排卵を障害する作用はある。
デュファストン®の投与について
排
 卵抑制を完全にする薬でなければ21日
投与7日間休薬を繰り返す投与法は適当で
はないと判断した。
月経の5日目から21日間投与を繰り返す
月経5日目
から
デュファストン
21日間
排卵が早く起こると内服中に出血が起こる
デュファストン内服終了前に排卵があった周期は内服しない期間が長く
なる。
デュファストン投与と疼痛(VAS)
100
①
V
V
無効3例
50
V
有効率 7/10(70%)
著効2例
0
前 低ピル 1 2 3 4 5 6 7
8 周期
デュファストン®の連日投与
不規則に排卵は起こり、月経様出血も起こるだろうがこの投与法
が適する。
月経困難症を黄体ホルモン剤で
軽快させるには
増
 殖期(エストロゲン単独作用期)を作らない。
デュファストン な®ら連日投与が良い
排
 卵は抑制できた方が効果的。
ディナゲスト は®排卵抑制できる量で作られた
デュファストン も®増量すればもっと効果的だが薬
価も高くなる。
デュファストン は®30 mg/
日以上で排卵抑制する
と報告あり。