産業組織論 II 第1講 練習問題

産業組織論 II 第 1 講 練習問題
練習問題の答え合わせがしたい場合は,解いたノートを持参しオフィスアワーに研究室まで来ること.
(部分的な解答でも構
わない.
)もしくは個別にアポイントメントをとること.
1.1. (戦略形ゲームの定式化) A と B によるじゃんけんを考える.じゃんけんを同時手番ゲームとして表現せよ.利得は
じゃんけんのルールと整合的であるならば何でも良い.併せてこのゲームを利得行列を用いて表わせ.
1.2. (ナッシュ均衡) 以下の戦略形ゲームにおけるナッシュ均衡を全て求めよ.
(2) 男女の争い.
(1) 囚人のジレンマ.
黙秘
自白
黙秘
−1, −1
−5, 0
自白
0, −5
−3, −3
(4) 合理的な豚.
(3) 侵略ゲーム.
サッカー
映画
サッカー
2, 1
0, 0
映画
0, 0
1, 2
(5) 協調ゲーム.
行く
待つ
行く
4, −1
1, 3
待つ
5, −1
0, 0
(7)
C
R
U
4, 3
5, 1
6, 2
M
2, 1
8, 4
D
3, 0
9, 6
山脈
平地
−1, 1
−1, 1
山脈
−2, 2
0, 0
(6) タカ-ハトゲーム.
左
右
左
4, 4
0, 0
右
0, 0
2, 2
タカ
ハト
タカ
2, 2
1, 3
ハト
3, 1
0, 0
(9) じゃんけん
(8)
L
平地
グー
チョキ
パー
グー
0, 0
1, −1
−1, 1
3, 5
チョキ
−1, 1
0, 0
1, −1
0, 3
パー
1, −1
−1, 1
0, 0
L
C
R
U
5, 1
1, 4
1, 0
3, 6
M
3, 2
0, 0
2, 8
D
4, 3
4, 4
1.3. (美人投票ゲーム) 二人のプレイヤー A と B は 0 から 20 までの自然数をお互いに相談することなく同時に宣言する.
二人の宣言した数字の平均値 ×0.7 の値に最も近いプレイヤーが勝者となる.勝者は利得 1 を得,敗者は 0 の利得を
得るものとする.このとき以下の問いに答えよ.
(1) 美人投票ゲームを戦略形ゲームとして定式化せよ.
(2) 美人投票ゲームのナッシュ均衡を全て求めよ.
1.4. (支配戦略) 相手の戦略に依らず,自身の利得を厳密に最大化する戦略のことを (強) 支配戦略と呼称する.例えば,
囚人のジレンマにおける “自白”戦略は,相手が “自白”・“黙秘”のいずれを選択していたとしても “黙秘”戦略を選択
した場合よりも利得が厳密に大きくなる.即ち,“自白”戦略は支配戦略と言える.このことを踏まえた上で以下の問
いに答えよ.
1
(1) 1.2.-(4) 合理的な豚ゲームに支配戦略が存在するかどうか,理由と共に述べよ.なお,プレイヤー 1 を大豚,プ
レイヤー 2 を小豚と呼称してよい.
(2) 小豚にとって支配戦略ではない戦略を支配される戦略と呼称する.大豚の立場からこのゲームを考えてみる.賢
明な大豚は小豚の行動を予測し,支配戦略を選択してくるだろうと考える.言い換えれば,支配される戦略はま
ず選択されない “ありえない”戦略なので可能性から排除する.更に言い換えれば,支配される戦略に対応する利
得行列の行,または列を削除した新しい利得行列を考えることになる.そして新しい利得行列を基にして大豚は
自身の戦略を決めると考えられる.このような操作を支配される戦略の逐次消去と呼称する.そしてこの支配さ
れる戦略の逐次消去によって得られる戦略の組み合わせをゲームの解と見なす.合理的な豚ゲームの解を求めよ.
(3) 支配される戦略の逐次消去は 1 回で終わるとは限らない.1 回目の消去後に得られた新しい利得行列の下で戦略
間の支配関係を新たに見つけることが出来た場合,もう一度支配戦略の消去を行うことが出来る.
(そのため “逐
次”消去と呼ばれる.
)特定ゲームでは,この逐次消去を通じてゲームの解が一意に定まる.以下の利得行列で示
した戦略形ゲームを,支配される戦略の逐次消去によって解け.
L
R
U
4, 1
−3, 0
M
2, 3
5, 2
D
1, 0
4, 2
2