校内研修資料 平成 27 年度研修テーマ 『 1 聞く力の育成 』 研究テーマ設定の理由 授業や短学活などで連絡や指示したときの様子から、本校の生徒は、「内容を正確に聞き取る力が弱い。」 「聞いた内容を覚えていない。」「どのような話題であったのかを的確に捉えられない。」など聞くことに課 題を持った生徒が多い。このことは、忘れ物が多い、見通しを持って行動できないなどの課題にも少なか らずつながり、ひいては学力向上にも影響していると考える。 そこで生徒の「聞く力」を伸ばし、情報を的確に受け取る力や、整理する力を伸ばし、しっかり聞こうと する態度を育成すれば、それが普段の授業や生活にも活かされることで、忘れ物などが減ったり、理解が 深まり、学力が向上したりするなどの効果があるのではないかと考える。 また「聞くこと」は、ただ受動的なものではない、むしろ様々な場面で話をうまくコントロールするの は、聞き手の方である。話すことと聞くことは一体であり、上手に聞くことができる人ほど上手に話すこ とができる人でもある。相手を説得するにも、交渉するにもまず聞くことが最も効果的であることから、 「聞く力」を伸ばすことは将来、社会に出てもいろいろなところで役に立つのではないかと考える。 2 研究を通して生徒に身に付けさせたい力(目標) (1)聞く力 ・情報を正確に聞き取る力 (情報を正しく聞き、理解する力) ・メモを取りながら聞く習慣 (情報を忘れないための手段) (2)話を聞く態度 ・話を正確に聞くための態度 (姿勢を正す、相手を見る、作業をやめるなど) ・コミュニケーション能力としての聞く態度 (返事、うなずく、表情で表すなどの動作) 3 具体的な活動(手だて) (1)情報を正確に聞き取る力の向上のために ・毎週水曜の朝読書の時間を利用して聞き取りテストの実施 ・集会や講話のあとに、話のポイントを振り返る活動(帰りの会などに問いかける。) (2)話を聞く態度を身に付けさせるために ・話を聞くときのきまりを作成し、教室に掲示し、すべての授業で実践。 ・話を聞くときのマナーや聞く力を身に付けることが何に役立つかなど紹介。 4 評価について 聞く力 …・自己評価 (1カ月ごと) ・教師の評価 (学期ごと) ・評価テストの結果(毎週自己評価し、学期に1回教師が集計) 聞く態度…・自己評価 (1カ月ごと) ・教師の評価 (学期ごと) 評価基準 能力 態度 A…必要な情報を、正確に聞き取り、つかむことができる。 B…必要な情報を、7割以上、正確に聞き取ることができる C…Bの情報まで至っていない A…相手が話し出す様子を察し、自分の活動をやめて、話す人の方を向き、姿勢を正して、 うなずくなどの適切な反応をしながら、最後まで聞きくことができる。 B…自分の活動をやめて、話す人の方を向き、正しい姿勢で、最後まで聞くことができる。 C…Bの状態まで達していない。 自己評価(案) 1ケ月に1回、自己評価を振り返り、活動を確認する。 聞く態度について A…良 C…課題 (1) 自分の活動をやめ、話し手を見て聞けたか。 A ・ B ・ C (2) 正しい姿勢で聞けたか。 (腕組み、足組みなど) A ・ B ・ C (3) 最後まで集中して聞けたか。 A ・ B ・ C (4) 話を途中で遮らず聞けたか。 A ・ B ・ C (5) 指示や連絡時はメモをとれたか。 A ・ B ・ C (6) 適切な反応をしながら聞けたか。 A ・ B ・ C (7) わからない時は、質問できたか。 A ・ B ・ C 聞く技能について (1) 話の内容を正確に聞き取れているか。 A ・ B ・ C (2) 指示や連絡を聞いて、きちんと動けたか。 A ・ B ・ C (3) 何度も同じことを聞き返していないか。 A ・ B ・ C (4) 「何の話だろう」 「なぜその話題をするのか」 A ・ B ・ C 「その根拠は何だろう」など考えながら聞いているか 5 話を聞くときのきまり(案) (1)今やっている自分の活動をやめ、話し手を見る。 (2)姿勢を正して聞く。 (腕組みをしない。頬杖をつかない。足を組まないなど。 ) (3)最後まで集中して聞く。 (4)話を途中で遮らない。 (質問や確認は最後にする。 ) (5)指示や連絡時はメモを取る。 (メモ帳を準備する) (6)うなずいたり、首をかしげたり、返事をしたりなど適切な反応をする。 (7)わからない時は、質問する。 (訊く力) (8) 「何の話だろう」 「なぜその話題をするのか」 「その根拠は?」など考えながらきく。 ※話をきちんと聞くとは、人の話にどれだけ集中して耳を傾けられるかってこと。 どれだけ理解しようと耳を傾けられるかということです。 それは人とのより良いコミュニケーションの第一歩です。 ※組み入れたい項目、外したい項目、順番などご意見ください。 ※教師の側も、何度も同じ内容を繰り返さないようにして、きちんと聞く必要性を高める。 5 聞き取りテストについて ① 毎週水曜日の朝読書の時間を使って校内一斉放送で取り組む。 取組の難易度を3段階に分けて実施することで視覚優位の生徒も取り組みやすくする。 A…プリントを伏せ、問題を見ずに聞いて答えるレベル B…初めに問題を確認し、要点を絞って聞いて答えるレベル C…穴埋め形式の文章を用意し、要点を絞って聞くレベル はじめは全員 B で実施することで、学級内の視覚優位の生徒を把握し指導に生かす。 以降はレベルを自分で選ばせ、ステップアップできるようにする。 ② ファイルを準備し、綴じさせる(成長を確認し、評価できるようにする)
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