2015年 6月 19日 長柄小学校 学 習 通 信 No.2 国語が得意になるための本の読み方 「国語ができるようになるためには、本をたくさん読みましょう。」 これは昔からよく言われることです。そして、実際に効果も認められるため、我々 教師もそのように指導しています。 しかし、国語ができるようになるためには、本の読み方にちょっとした工夫を加え る必要があります。その工夫とは、どのようなものでしょう。 その一つは、様々な分野の本や、様々な作家の本を読んでみることです。人 間は環境に馴染む力をもっているため、特定の分野や同じ作家の文章ばかりを 読んでいると、その分野の文章や、その作家の文章に馴染んでしまい、あまり注意を払わなくても、大体 の内容が理解できるようになってしまいます。そして、その分野の文章や、その作家の文章以外のものに は抵抗感が起きてしまい、読み込むことが難しくなってしまうことがあります。 もう一つが、意識して細かいところまでていねいに読む、精読をすることです。精読をする価値と関心 のある本を吟味し、何度でも読み込みます。国語の「読むこと」の学習では、各学年ごとに、子どもたち の発達に即しつつ、「文章全体の大体の読み」「全体から部分への読み」「部分から全体への読み」 「自分の考えの形成」という流れの精読を行います。そして、テストなどでは、「それぞれの学年の年齢発 達に即した精読」ができているかどうかが問われるのです。 音読の大切さ - 音読で精読の習慣づけを - 文章を精読できているかどうか、確認ができるのが音読です。音読をすると発音やイントネーションによ って、どこが理解できていて、どこが理解できていないのかがわかります。スラスラと話し言葉のように読 めていれば良いのですが、「て」「に」「を」「は」などの助詞を読み間違えたり、つっかえたりするときは、読 解も不十分だと判断できます。あまりにもつっかえるようなら、難しすぎる文章を選んでいるという判断もで きます。 そして、音読は文章の内容を読み取る練習になります。音読をするときは、声に出して読んでいる文字 より、少し先の文字を目で追っているので、音読に慣れてくると、文章がその先でどのように展開していく のか予測できるようになります。 音読の宿題が出されたときは、お子さんが間違わずに読めているか、お子さんの音読を聞きながら、 確認してあげて下さい。音読で大切なことは、書かれている文字の意味を一つ一つ理解し、正確に読む ことです。正しく読む習慣づけが、「精読」できるようになる第一歩です。また、読解の深まりを目指すな ら、単に間違えずに読むだけでなく、抑揚をつけたり、感情を込めて読むことが大切です。文章の内容を 考えたり、筆者の伝えたいことを考えながら音読することで、物語の世界や筆者の考えをより深く理解で きるようになっていきます。適切に抑揚をつけたり、感情を込めて読んだりできることは、内容を深いところ まで理解できていることの証とも言えるのです。 江⼾時代から明治時代にか けて、古典の原文を声に出し て繰り返し読み、書物を用い ないで誤りなく言うことがで きるようになることを目指 す、素読という学習法が⾏わ れていました。論語など、漢 文の書物がテキストとして用 いられ、武士の子弟を中心 に、活発に学習が⾏われてい ました。 音読と朗読の違いとは? 音読「文章の内容や表現をよく理解して、 音声で伝える。」 朗読「自分なりに解釈したこと、感心した こと、感動したことなどを、文章全体 に対する思いや考えとしてまとめ、表 現性を高めて、音声で伝える。」 -1-
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