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グローバルシナリオ再訪
2年越しアメリカンドリームの黄昏
マネックス証券 シニア・ストラテジスト
山本 雅文
2015年6月
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米利上げで米ドル買い?
① 不明:対円、ユーロ、豪ドル
• ドル/円:「ブラック・ホーク・ダウン」
本邦は更なる円安をあまり歓迎せず・・・
⇒2年金利差との順相関が崩れる?
• ユーロ/ドル:「円化の花道?」
ECBは追加緩和姿勢を示さず⇒景気悪化が必要
独10年債利回りが高止まり・・・
• 豪ドル/米ドル:「ベアというよりコアラ(子守熊)?」
RBAの追加利下げは不透明・・・
鉄鉱石価格の反発、失業率低下・・・
1
米利上げで米ドル買い?
② NO:対ポンド
• ポンド/米ドル:「MCハンマー」に注意だが
英景気の好調、労働市場の改善
利上げ開始が来年初から前倒しも?
ポンド高で英経済は打撃を受けるのか??
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米利上げで米ドル買い?
③ YES:対NZドル
• NZドル/米ドル:「キウィには羽がない」
乳製品価格の下落傾向
NZドルは歴史的高水準
RBNZは追加利下げへ
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米利上げでEM通貨売り?
⇒ これまでのメインシナリオ: Sell `EM All
<新興国(EM)>
 経常赤字・インフレ・高金利
=低成長が継続
<米国>
 成長加速、世界の牽引役に
=米国へ資金流入、ドル買い
 米利上げで相対的魅力低下
=EM通貨安
 利上げ開始、継続
=金利上昇・ドル買い
 ドル高で資源安/通貨安でも
対外収支改善せず
=資源依存のEM通貨安
 QE期の低金利で流出した資金
の米国回帰
=ドル買い
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米利上げでEM通貨売り?
⇒ 新しいメインシナリオ: 朝の来ない夜はない
<新興国(EM)>
 経常赤字・インフレ・高金利
=慢性的、新味なし
<米国>
 成長はあまり加速せず
=対米資金シフトは限定的に
 高金利が資金を惹き付ける
=EM通貨買い(対円)
 利上げペースは非常に緩慢
=ドル買いは限定的に
 これまでの下落で割安化した
資産の押し目買い
=EM通貨買い(対円)
 米株価に割高感、米債も低流
動性でリスク上昇
=米資産の魅力は高まらず
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米金利とEM通貨、債券: This time is different
13年は米利回りとドルが同時に
上昇したが、今回は異なる!
13年は米利回りとEMスプレッドが同
時に上昇したが、今回は異なる!
米債利回りと新興国スプレッド
米債利回りとEM通貨
3.5
3.0
米利回り%
ドル指数
米利回り上昇
ドル高
EM通貨安
150
145
140
2.5
3.5
スプレッド
%ポイント
米利回り%
4.5
3.0
4
2.5
3.5
135
2.0
1.5
130
米10年債利回り
ドル名目実効相場(対EM通貨)
1.0
13年1月 13年7月 14年1月 14年7月 15年1月
(出所)Bloombergのデータを基にマネックス証券作成
125
120
5
2.0
1.5
1.0
13年1月 13年7月
3
2.5
米10年債利回り
新興国債スプレッド
14年1月 14年7月
2
15年1月
(出所)Bloombergのデータを基にマネックス証券作成
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米国とEMの株価: ちりも積もれば山となる
低迷するEM株価を尻目に、米株の
パフォーマンスは好調だったが・・・
米株はバリュエーション面で割高
化、中国と同水準?
米国と一部EMのPER
米国とEMの地域別株価指数
160
13年初=100
150
140
130
25
米国
MSCI中東欧
MSCIラ米
MSCIアジア
PER 米国
PER 中国
PER ブラジル
PER トルコ
PER(倍)
20
120
15
110
100
10
90
80
13年1月
13年7月
14年1月
14年7月
15年1月
(出所)Bloombergのデータを基にマネックス証券作成
5
11年1月
12年1月
13年1月
14年1月
15年1月
(出所)Thomson Reutersのデータを基にマネックス証券作成
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資産価格と金融政策
~ 古い問題、新しい解決法? ~
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資産バブル対策に関する従来の議論:
~ Fedビュー対BISビュー ~
• Fedビュー:「後始末」型(clean up the mess)
⇒ バブルは崩壊しないとバブルと分からない
⇒ 崩壊の悪影響を最小限に食い止める果敢な政策対応
• BISビュー:「流れに逆らう」型
(leaning against the wind)
⇒ 崩壊後の悪影響が大き過ぎるため、バブル的
要素がみられれば抑制のため政策対応すべき
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資産バブル対策に対する最近の実務対応:
~ BIS型、但しマクロプルーデンス政策を活用
• 住宅バブルに対して事前に政策対応、但し金融政策で
はなくマクロプルーデンス政策を活用
⇒ 銀行に対する資本規制、特定の地域や主体
に的を絞った課税など(金融安定の観点から)
⇒ ニュージーランド、スイス、豪州、英国
⇒ 一般景気・物価が低迷しているため金融政策
で対応できない、という事情も存在
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金融政策と為替相場へのインプリケーション:
~ NZD/GBP
• ニュージーランド
⇒ 住宅バブル:マクロプルーデンス政策で対応
⇒ 景気低迷:利下げで対応、NZドル安
⇒ 豪州も類似、但し利下げに至るかは微妙
• 英国
⇒ 住宅バブルと景気回復が同時進行
⇒ マクロプルーデンス、金融政策を併用へ、£高
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忍び寄る住宅バブル
~ 天国に一番近い島、ニュー○○○○○
NZドルがトップを走る、豪州と英
国が追随
主要国の住宅価格(03年以降)
2003年初=100
250
240
230
220
210
200
190
180
170
160
150
140
130
120
110
100
03年1月
経済の拡大ペース対比でもNZが
突出
主要国の住宅価格(対GDP比上昇率)
150
NZ
2003年初=100
140
NZ
豪
130
英国
英国
120
カナダ
カナダ
110
スイス
100
スイス
米国
07年1月
11年1月
15年1月
(出所)Thomson Reutersのデータを基にマネックス証券作成
豪
90
米国
80
70
03年1月
07年1月
11年1月
15年1月
(注)03年初時点の住宅価格、名目GDPを100として算出。
(出所)Thomson Reutersのデータを基にマネックス証券作成
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NZD/USD、NZD/GBP
米ドル高シナリオを最も体現しや
すい通貨ペア
主要通貨の中で最もコントラスト
が強い通貨ペア
NZドル/米ドル相場
NZドル/ポンド相場
1
米ドル/NZドル
0.9
0.6
0.55
NZD/USD
0.5
0.8
NZD/GBP
0.45
0.7
0.4
0.6
NZドル安
米ドル高
0.5
0.4
03年1月
ポンド/NZドル
NZドル安
ポンド高
0.35
0.3
06年1月
09年1月
12年1月
(出所)Thomson Reutersのデータを基にマネックス証券作成
15年1月
0.25
03年1月
06年1月
09年1月
12年1月
15年1月
(出所)Thomson Reutersのデータを基にマネックス証券作成
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