ギシギシ ナガバギシギシ 羊蹄 − タデ科 ギシギシ属 Rumex japonicus Houtt. dock, curly タデ科 ギシギシ属 Rumex crispus L. 多年生(冬生) 繁殖器官 種子(2.0g) 種子散布 重力 5〜8月 草 丈 腰〜胸 根 畦畔,道ばた,河原,畑地,牧草地など,湿った土地に生育す る。太い直根の断片からも萌芽し,しばしば畑地の内部にも 侵入する。 dock, broadleaf Rumex obtusifolius L. 分 布 全国 生活史 多年生(冬生) 出 芽 3〜6月,9〜11月 繁殖器官 種子(1.5g) 種子散布 重力 花 期 4〜7月 草 丈 腰〜頭 根 1891 年ごろに侵入が確認されている。空き地や道ばた,河 原,土手や草地,樹園地に生育する。在来のギシギシに酷似 し,混生地では中間型がしばしば見られる。また,ノダイオ ウやマダイオウとの交雑も生じている。 ギシギシ。左:子葉は披針形,多肉質で無毛。基部は淡紅色。第 1 葉は淡緑色で広卵形 〜広楕円形で先は鈍い。第 2 葉も同形。中左:葉は互生,第 3 葉以降,縁がやや波打ち, 長柄となる。無毛で赤みを帯びる。中右:葉身はしだいに楕円形から長楕円形となり, 縁は波打ち,柄は長い。右:越冬個体。根生葉は長楕円形で,基部は円形または心形。葉 の縁は波打つ。根は黄色で太い。 ナガバギシギシ。左:子葉は披針形,多肉質で無毛。基部は淡紅色。第 1 葉は淡緑色で狭卵形,先 は鈍く,無毛。中左:葉は互生。幼植物の葉は狭卵形〜長楕円形で,長柄がある。無毛で縁はやや 波打つ。中右:根生葉は長楕円形で,長さ 10〜30 cm。基部は広く,くさび形〜切形で,縁は著 しく波状となる。右:茎葉は短柄があり,茎上部の葉は小型となり,苞葉に移行する。直立した茎 の上部に円錐状の花序をつくり,多数の淡緑色の花を輪生する。 内花被片 3 枚は花後発達し て 円 心 形 と な り,長 さ 4 〜 5 mm。縁に細かい波状の歯 があり,3 枚の花被片とも,中 肋の基部が肥大して瘤状とな る。 ギシギシ。茎上部の葉は短柄で小型。 直立した茎に,多数の淡緑色の花を 輪生して穂状につける。花被片 6 枚 で雄ずい 6 本,花柱 3 本。果実はは じめ緑色で,のち白っぽくなる。 206 ナガバギシギシ。左:花被片 6枚で雄ずい 6本,花柱 3本。内花被片 3枚は 花後発達して円心形となり,長さ 4〜5mm。縁はほぼ全縁。果実はのちに 赤く染まることが多い。右:3 枚の花被片のうち,1 枚で特に瘤が発達する。 そう果。左:ギシギシ。3 稜形で先が尖る。茶褐色 で光沢があり,長さ 2 . 2 〜2 . 7 mm。右:ナガバ ギシギシ。3 稜形で先が 尖る。褐色で光沢がある。 アレチギシギシ タデ科 ギシギシ属 荒地羊蹄 dock, cluster タデ科 ギシギシ属 Rumex conglomeratus Murray 分 布 北海道〜九州 生活史 多年生(冬生) 出 芽 3〜6月,9〜11月 繁殖器官 種子(950mg) 種子散布 重力 花 期 5〜9月 草 丈 腰〜胸 根 明治中期に侵入した。湿った空き地,道ばた,河原などに生 育し,太い直根から萌芽,再生するため,畑地,牧草地では強 害草。在来のギシギシ属との交雑が生じている。 [ヨーロッパ] 生活史 3〜6月,9〜11月 蝦夷の羊蹄 [ヨーロッパ] 全国 [ユーラシア] [在来] 分 布 出 芽 花 期 エゾノギシギシ 長葉羊蹄 分 布 全国 生活史 多年生(冬生) 出 芽 3〜6月,9〜11月 繁殖器官 種子(1.1g) 種子散布 重力 花 期 5〜7月 草 丈 膝〜胸 根 1905 年に横浜市で侵入が確認された。ほぼ全国の道ばた, 空き地などに生育し,都市域に多い。 エゾノギシギシ。左:子葉は披針形,多肉質で無毛。第 1〜3 葉は広卵形で先は円い。中左:葉は互生, 第 2〜4 葉の葉身は広卵形〜卵形で,基部は切形〜心形。葉脈は赤みを帯び,支脈はくぼむ。縁は細 かく波打つ。中右:越冬個体。根生葉は大型で卵状楕円形。茎や葉柄,葉の中脈が赤身を帯びること が多い。他のギシギシ類に比べて葉身の幅が広い。右:茎は直立。茎葉は柄が短く,先が尖る。 アレチギシギシ。左:子葉は披針形,多肉質で無毛。第1葉は円形〜広卵形で,基部は切形,先は円い。 中左:幼植物は全体紫紅色を帯び,赤紫色の斑点が生じる。葉柄は長く,葉身は無毛。中右:葉は互生し, しだいに狭卵形〜長楕円形となり,基部は切形〜心形,縁はやや波打ち,紫紅色を帯びる。右:越冬個体。 根生葉はやや薄く,長い柄があり,長楕円形で基部は浅い心形,先は鈍い。葉脈は紫紅色を帯びる。 アレチギシギシ。左:茎は直立し, 枝は開出する。花時には根生葉はな い。茎葉は短柄。茎上部の穂状の花 序に,まばらに花を輪生する。上: 果時の内花被片は狭卵形で全縁,長 さ 2 . 5〜3 mm。中肋の基部は 3 枚 とも瘤状に膨れ,赤褐色で目立つ。 エゾノギシギシ。上:茎の先に長い 円錐状の花穂を出し,細い花柄を もつ花が多数輪生する。右上:内花 被片は卵形で長さ約4 mm,縁は刺 状。内花被片 1 枚の中肋が瘤状に 膨れ,赤褐色を帯びる。右下:直根 は肥大し,地際から多数の地上茎 を萌芽する。断片からも萌芽する。 そう果。左:エゾノギシギシ。3 稜形で先が尖る。褐色で光沢がある。長さ約 2.5mm。右:アレチギシギシ。3 稜形で先が尖り黒褐色で長さ約 1.5mm。 207
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